吉積ホールディングスは、なぜ心理的安全性を重要視するのか

当社代表取締役社長の秋田晴通は、吉積ホールディング、及びグループ会社全体に対して「心理的安全性を全社に浸透させるためのプロジェクト」を遂行しています。社員向けアンケートを実施し、組織が心理的安全性を実現できているかを定期的にモニタリングし、組織が目標とするスコアにたどり着くために、様々な研修を実施しています。一体なぜ、全社的に心理的安全性の普及を行っているのでしょうか。

心理的安全性とは何か

心理的安全性は、ハーバード大学のエドモンドソン教授が提唱した理論で、「チーム内で、対人関係上のリスクをとったとしても安心できるという共通の想い」と定義されています。

例えば、私がチーム内で無知・ネガティブな発言をした場合でも、それに対して拒絶や罰を与えられることはないと思うことができ、そして私以外のメンバーも同様のことを思える場合、それは心理的安全性の高いチームであると言えます。

心理的安全性はチーム毎に形成される

心理的安全性は個人の性質ではなく、チームの特徴であると言われます。そのため、心理的安全性を高めるためには、個々人にアプローチするのではなくチーム全体にアプローチする必要があります。ただし、その特徴はチーム毎に異なります。つまり、チームAとチームBが共に心理的安全性を実現している状態である場合でも、決してAとBは同じ性質のチームとは限りません。

全てに共感することが心理的安全性ではない

誰かの意見に対して、全て共感することが心理的安全性ではありません。人間であれば、誰かの意見に対して共感することもあれば、対立することもあります。全ての意見を皆で肯定するのは、ただの「ぬるま湯」であり、それは心理的安全性とは言えません。重要なのは、対立する可能性があったとしても、各メンバーが自分の意見を言えることができ、その意見を一つの意見としてチームで扱っていけることです。問題が起こるのを避ける、当たり障りのない関係を作るのは心理的安全性ではありません。

心理的安全性を実現することで得られるメリット

フロー状態によるチーム全体のパフォーマンス向上

心理学で「フロー」の状態とは、人がそのとき行っている事柄に、夢中になる、完全にのめり込んでいる、精神的に集中しているといった精神状態のことです。フロー状態では、神経伝達物質のドーパミンやエンドルフィンなどの分泌量が増え、幸福感が高まりストレスが下がるといわれています。心理的安全性が高くなると、メンバーにフロー状態が生じます。その結果、メンバー全員が安心してその仕事に集中して取り組むことができる上、楽しく働けるようになります。

イノベーションと改善の創出

心理的安全性の存在により、マネージャーやチームメンバーが、同じチームメンバーに対して「建設的な挑戦」ができるようになります。建設的な挑戦とは、現状をより良くしていこうという前向きな姿勢で、新しい物事や困難なことに立ち向かうことを指します。相手の心を強く刺激して、気持ちを沸き立たせ、時には常識を逸脱したようなアイデアを提案することが起こる可能性があります。

質の高いエンプロイー・エクスペリエンスの提供につながる

エンプロイーエクスペリエンスとは、入社してから退社するまでにメンバーが仕事を通して得られる様々な体験(社内制度やルール、文化など)のことで、心理的安全性の実現により、企業は社員に対して最適な経験や将来に向けた前向きなビジョンを思考する環境を提供ことができます。ただし、メンバーがどのような体験によってモチベーションが上がるのか、最適な経験を得ることができるのか、等については企業が考えていく必要があります。

吉積ホールディングスが心理的安全性を重要視する理由

心理的安全性とコアマインドの関連性

以前、「吉積情報が Google Workspace で実現する働き方改革とは」というタイトルの記事を公開しました。この記事の中で、親会社の吉積ホールディングスや当社がHTTPSと呼ばれる共通のコアマインドを持っていることを説明しました。実はこのコアマインドの考え方は、心理的安全性の定義と非常によく似ています。ただ、このコアマインドは「仕事をする上でチーム・個人で大事にしていきたい考え方」として定義されたものであり、心理的安全性ありきで作られたものではありません。しかし、結果として似た定義になったのは偶然ではないと考えています。

心理的安全性の実現はコアマインドの醸成に繋がる

なぜコアマインドが存在するにもかかわらず、現在進行形で心理的安全性の浸透を全社レベルで行っているかというと、コアマインドの浸透が簡単なことではないことを失敗から学んだからです。このコアマインドは一見「個人レベルで持って欲しい理念」に見えなくもなく、価値観の押し付けと捉えられてしまう可能性があります。これまでは、その部分のアプローチに問題があったのだと反省しています。

しかし、このコアマインドは、実際には「チームがあり、個人があり、そして様々な考え方がある。」という多様性を前提として作られたマインドです。この本来の考え方こそが、まさに心理的安全性の浸透に必要な「個々人にアプローチするのではなくチーム全体にアプローチする」という施策に一致します。つまり、この心理的安全性の実現こそがコアマインドの浸透に繋がることになります。そのため、私たちは全社的なプロジェクトとして、心理的安全性の実現に取り組んでいます。

まとめ

心理的安全性を吉積ホールディングス全体に浸透させるために、「ピアボーナス制度の導入(※1)」「1on1ミーティングの定期的な実施(※2)」「評価制度のアップデート」等、様々な施策を実行しています。私たちが目指しているのは、一時的なスコア達成ではなく、文化としての心理的安全性の定着です。それを考えると、これまでの成果はまだまだ道半ばかもしれません。しかし、少しずつではありますが、社内の変化も実感することができています。いつか、私たちが目指す世界が世の中のモデルケースになり、企業だけでなく、世の中の働き手の労働環境の改善に繋がれば、それ以上に嬉しいことはありません。

※1 社員同士がお互いの成果に対して報酬を与え合うことができる精度

※2 マネージャーとメンバーが仕事、もしくはそれ以外の話題について話をする定期ミーティング

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