Cmosy(クモシィ)Googleドライブ まるわかりコラム

今後の教育現場で問われるファイル共有セキュリティ

教育現場で問われるセキュリティ

GIGAスクール構想(ギガスクールこうそう)をご存知でしょうか?GIGAスクール構想をWikipediaで調べると、「2019年(令和元年)に開始された、全国の児童・生徒1人に1台のコンピューターと高速ネットワークを整備する文部科学省の取り組み」と定義されています。

要は「教育現場にもICT(※1)を活用していこう​​」という取り組みです。

この構想は2019年からスタートし、文部科学省のレポートによると、2021年3月時点で、端末普及率は「全自治体等のうち 1,769自治体等(97.6 %) が令和2年度内に納品を完了する見込み」となっており、通信ネットワーク環境に関しては「整備に取り組んでいる学校数32,228校の内、97.9%の学校はほぼ新学期から供用開始の見込み」となっています。

環境整備についてはスケジュール通り、もしくは想定以上の速さで進んでいますが、本当に重要なのはここからです。ICTをベースとした教育ソフトを開発することはできても、それを実際に運用する人材の確保や育成は非常に難易度の高い課題です。

さらに、今後は教育カリキュラムや成績だけでなく、生徒の個人情報も含めて、あらゆるデータがクラウド上に移行されることになり、セキュリティを確保した運用も重要になってきます。

※1 「Information and Communication Technology」(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー)の略。


教育現場には個人情報があふれている

テスト結果に限らず、指導記録、住所、健康診断データ、電話番号、保護者情報等、教育現場には個人情報があふれています。一般企業と同様、学校には個人情報を保護する義務があり、文部科学省の定めるガイドラインに沿った情報セキュリティの運用が求められています。

 端末配布やネットワーク設備によって、生徒は簡単にインターネットにアクセスして、ファイルを共有することができるようになるため、データ漏洩のリスクはこれまで以上に高くなります。

これらのリスクを制御するには文書化されたルール策定だけでは意味がなく、システム化されたルールの中で情報セキュリティを運用していかない限り、データ漏洩のリスクは常に付き纏います。

そういった背景から近年注目を浴びているWebサービスが「 Google Workspace for Education 」という教育支援ツールです。


Google Workspace for Education を活用することがデータ漏洩リスクを下げることに繋がる

Google Workspace for Education は教育機関向けの学習支援ツール

Google Workspace と聞くと、イメージとしてビジネス向けのコラボレーション支援ツールという印象を持つ方が多いと思いますが、実は Google は教育機関向けにも Google Workspace を提供しています。

それが、「 Google Workspace for Education 」です。

Google Workspace for Education は、 Gmail 、 Google ドライブ 、 Google カレンダー 、Classroom といったコミュニケーション・コラボレーションに特化したアプリケーションを教師や生徒に提供します。

中でも Google Classroom は学習管理に特化したアプリケーションになっており、教師はクラス単位で生徒の課題や成績を管理することができ、さらに Google Meet を組み合わせることでオンライン上で生徒と密なコミュニケーションを取ることができます。

さらに、課題配布や生徒全体への連絡、保護者へのメール配信等、オンライン上であらゆる学習管理を行うことが可能です。

高性能なセキュリティ機能により安全なファイル管理が可能

また、 Google Workspace は高性能なセキュリティ機能も備えているため、管理者は教師や生徒に対して、ファイルの共有範囲に対して厳しい制限をかけることが可能です。

これにより、教師や生徒がデータ漏洩を引き起こすリスクを下げることができます。

正に Google Workspace for Education は、教育とセキュリティを両立することができる教育支援ツールと言えます。


教育機関にCmosyが注目される背景

Google Workspace の高性能なセキュリティ機能による副作用

Google Workspace の高性能なセキュリティ機能により、教師や生徒は安全にファイル共有を実施できるようになります。

しかし、生徒が保持する情報は学校内で閉じられていても問題ないかもしれないですが、教師については学校外の組織とファイル共有を行う機会があります。そのような場合、この厳しすぎる制限が抜け道になる可能性があります。

ここ最近、Cmosyが学校法人から多くのお問い合わせを受ける背景には、このような事実があります。

CmosyによってGoogle Workspace のセキュリティポリシーを保持した状態で外部とファイルを共有できる

Cmosyは Google Workspace のセキュリティポリシーを保持した状態で、外部へのファイル共有を実現するWebサービスです。

ユーザーはCmosy経由のみ社外とのファイル共有が許可され、Cmosyから社外に共有されたファイルは有効期限やダウンロード制限によって、厳密に管理されます。また、アクセス履歴はログとして永年保管されるため、管理者はいつでもログをトレースすることが可能です。

学校法人は Google Workspace for Education とCmosyの組み合わせにより、安全なファイル共有を実現することが可能になります。


まとめ

2007年にNHK教育テレビで「電脳コイル」というアニメ作品が放送され、当時私はリアルタイムでこのアニメを見ていました。
一見、子供向けのアニメのように見えますが、内容があまりにも先進的であるため、インターネット上でもかなり話題になったことを覚えています。

子供たちが当たり前のように、インターネットに接続されたデバイスを利用して、問題を解決していくストーリーは、これから起こり得る日本の姿を描いているようでした。

実際、AR(拡張現実)や仮想通貨等、電脳コイルで描かれた世界が身近な存在になっています。

物語の中で、子供たちがセキュリティホールをうまく利用しながら、問題を回避するシーンがよく登場しますが、これは厳しい制限を設定したことで、子供たちがハッキングする技術を見つけ出したという背景があります。

これは、決してアニメの話だけでなく、現実世界でもありえる話だと思います。

完璧に情報漏洩を防ぐ方法は存在しないため、厳しすぎるルールを敷くことは、逆にセキュリティリスクを高めることに繋がる危険性があります。今回紹介した Google Workspace for Education とCmosyの組み合わせは厳しいセキュリティルールと利便性を両立するためのツールです。

今後のICT化された教育現場では、厳しい運用ルールだけではなく、このようなツールを上手く活用することが求められています。

森田 嶺

著者

森田 嶺
吉積情報株式会社 取締役 副社長。 大学卒業後、サーバーサイドエンジニア等の経験を経て、YOSHIDUMIに入社。Google ドライブ拡張サービス「Cmosy」「共有ドライブマネージャー」等、自社サービスの開発に従事。現在、Google Bard (グーグルバード)に関する記事を定期発信中!

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