吉積情報のコラム

デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に
行動規範と評価制度が必要な理由

以前「吉積情報が Google Workspace で実現する働き方改革とは」というタイトルの記事を公開しました。

 

この記事の中で、「当社が掲げるコアマインドが当社の働き方改革促進のエンジンになる」と書きましたが、これは決して「当社が掲げるコアマインドこそが働き方改革を促進できる」という意味ではありません。

 

これはあくまで当社の働き方改革実現のためのロジックであり、本当に伝えたかったのは「行動規範によって働き方改革は推進される」という本質的な部分です。当社はこの行動規範こそがデジタルトランスフォーメーション(DX ※1)を実現する基礎になると考えています。

 

そして、この行動規範を強化するために必要になるのが評価制度であり、「行動規範」と「評価制度」が連携することでDX推進の下地が生まれると考えています。

 

今回は、行動規範と評価制度がDX推進に必要であると考える理由について解説します。

 

※1 総務省のHPで公開されている情報通信白書のホワイトペーパーを見ると、DXとは「ICT(Information and Communications Technology)の浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」ことと定義されています。DXが注目されている背景についても、上記のホワイトペーパーをご参考ください。

 


DXはコンバージェンス時代を生き残るための企業の生存戦略の一つ

コンバージェンスとは何か

AIやVRといった革新的な技術が、また別の革新的な技術と合わさることで、破壊的変化をもたらします。

コンバージェンスとは、これら複数の革新的技術が融合することを意味し、2030年までにこのコンバージェンスが加速度的に発生することで、世の中の産業に破壊的変化をもたらすと予想されています。

過去10年、iPhoneやAndroidといった次世代デバイスの登場やクラウド技術といった様々な革新が起こり、私たちの生活や産業に大きな変化をもたらしました。

これから先10年は、これまで以上に私たちが体感したことがないようなスピードで世の中が変化すると言われています。

企業は不確実な時代の中で事業を展開していく必要がある

コンバージェンスによって既存の産業が破壊される危機がある一方、マクロな観点からも日本の労働力減少が大きな問題になっています。

前述した情報通信白書のホワイトペーパーを見てもらえればわかる通り、2040年には日本の労働人口は7%近く減少し、現在よりもさらに働き手が足りない状況が発生します。

企業はミクロ、マクロ2つの観点から発生する問題に対応しながら事業を展開していく必要があります。

だからこそ、企業はこの不確実な時代の変化に対応していくためにDXの推進を行っています。


多くの日本企業がDXの推進に苦慮している

大企業人材の44%がDXに消極的

しかし、これから起こる変化に対して、日本のDXは世界的に見ても遅れをとっていると言われています。

 

2021年9月9日、IGS株式会社が従業員数1,000名以上の大企業人材を対象に「DX業務に関する意識調査」を実施し、その調査結果を公開しました。

 

この調査結果によると、大企業人材の44%がDXに対してネガティブ・無関心であることが明らかになり、そのうち40代の4割は「DXには関わりたくない」と回答しました。

 

一方、どの年代も「関わりたい」と回答する割合は一定数いるため、DXに対する意識は二極化していると言えます。

新しいことを始める場合、反発は必ず発生する

新しい制度やシステムを導入する場合、現場から何かしらの反発が発生することはよくあることです。

「なぜ導入する必要があるのか」に対する理解は、立場によって異なるため、導入する側としては、目的やメリットを説明した上で慎重に導入を進めていく必要があります。

ただ、前述した調査結果からもわかる通り、「内容自体を理解する前に反発する層」も一定数存在するため、導入を進めるのは簡単な話ではありません。

新しい制度やシステムを実際に利用するメンバーに主体的に参加してもらう仕組みを構築しない限り、システムの導入だけでは企業のDXを推進することはできません。


DXを実現する企業は行動規範を重視している

DXを実現する企業の多くは行動規範を定めている

多くの日本企業がDX推進に苦慮している一方、DXを実現し、さらに加速度的に成長する企業も存在します。

そういった企業はどのような仕組みによってDXの推進を行ってきたのでしょうか。

実はDXを実現する企業の多くは、企業独自の行動規範を定めています。

Amazonは全ての従業員に革新と創造を求める

例えば、Amazonは「Our Leadership Principles」と呼ばれる14項目からなる信条(行動規範)を掲げており、従業員はこの行動規範に沿って日々の業務を遂行しています。

 

一見「Leaerships Principals」という言葉から、マネージャー向けの行動規範のような印象を受けますが、これはAmazonに関わる全ての従業員が共有する行動規範になります。

 

その中の規範の一つである「Invent and Simplify」には、「リーダーはチームにイノベーション(革新)とインベンション(創造)を求め」と記載されており、Amazonは全ての従業員に対してDXに必要なマインドを要求しています。

Google は全ての従業員に現状に満足しないことを求める

Google には「10 の事実」と呼ばれる行動規範が存在します。

 

その中の規範の一つである「すばらしいでは足りない。」で、「現状に満足しないことが Google のすべての原動力となっている」と記載されており、 Google の全ての従業員に対して常に変化を要求しています。

 

この規範こそが Google が全社的にDXを実現する原動力になっています。

メルカリは全ての社員に失敗を恐れない挑戦を求める

メルカリは優れたサービスと、サービスによって生み出されるデータを活用し、より優れたユーザー体験を追求し続ける日本トップのDX推進企業です。

メルカリは、企業のバリューに「Go Bold(大胆にやろう)」と呼ばれる規範を定めており、その規範の中で、「世の中に大きなインパクトを与えるイノベーションを生み出すためには、メンバー全員が前例にとらわれず、大胆にチャレンジすることが大切です」と説いています。

さらに、「そのためには挑戦を続け、数多くのトライアル・アンド・エラーを繰り返し、失敗から学びを得ることが重要です」とも説いており、従業員に対して失敗を恐れない挑戦を求めています。

メルカリのサービス品質の高さと改善のためのデリバリーの速さはこれらの行動規範によって生み出されていると言えます。

行動規範に沿った評価制度の構築

DXを実現する企業は、行動規範を従業員に浸透させるために評価制度との連携も行っています。

 

例えば、Amazonでは、前述した14の行動規範をベースとした評価制度を構築することで、採用基準と社員評価を明確化し、これにより「全社的な価値観の共有」と「Amazonが必要とする人材の確保」を実現しています。

 

Amazonの行動規範は非常に難易度が高いものの、行動規範の実行がそのまま評価に紐付くため、従業員はモチベーションを持って行動規範に取り組むことができます。

 

また、Amazonの従業員は共通の価値基準を持って業務を遂行できるため、「仕事の価値観」によるチーム内のトラブルも最小限に抑えることができます。

 

つまり、行動規範は、以前本コラムでも紹介した心理的安全性の実現にも繋がると言えます。

 


まとめ

「行動規範」と「評価制度」の両輪により、従業員のモチベーションを向上させ、結果としてDXに対する主体的な行動を促すことができるようになります。

それでも一定の割合で否定的な考えを持つ人がいなくなることはないかもしれません。しかし、重要なのは主体的に活動することができる優秀なメンバーをキチンと評価できる環境です。

前述した調査結果からもわかる通り、DXの推進をポジティブに考えている社員は一定数おり、そういった社員のモチベーションを引き揚げていくのが一番重要です。

企業の経営者は、DXの推進をプロジェクトとして進めていく前に、まずは自社の「行動規範」と「評価制度」がDXを促進するエンジンになっているか、慎重にチェックする必要があります。
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