導入事例
株式会社イノベーションホールディングス
情報共有、業務効率化、Gemini活用…イノベーションホールディングスがGoogle Workspaceで「進化するインフラ」を構築
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株式会社イノベーションホールディングス
- 業種
- 不動産
- サービス
- Google Workspace、Gemini for Google Workspace
- 企業規模
- 100-999名
株式会社イノベーションホールディングスは、「貢献創造~挑戦と進化~」を経営理念に掲げ、事業用不動産領域における企業価値の最大化を目指し、さまざまな不動産事業を展開しています。店舗転貸借事業、不動産売買事業、家賃保証事業など幅広い事業を手掛け、急速な発展を遂げられている企業です。
今回は、事業推進本部 IT推進部 係長の篠崎 直人様にお話を伺いました。
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導入の背景:情報管理、セキュリティ、拡張性、コスト…「無理・無駄をなくした業務基盤」で解決へ
導入前、社内には数多くのシステム(アプリケーション)が導入されており、運用面や管理面において、社員の負担となっておりました。
また各システム(アプリケーション)間の互換性が低く、今後、本来的に進めていかなければならない情報資産の全体最適化(共有)が実現し難い状況でしたね。
- 情報セキュリティ:営業活動上、社外業務が多い一方、従来のファイルサーバー公開にはセキュリティリスクがあり、事業性と安全性を両立できるソリューションが必要だった
- 情報管理(社内DX):同じデータ(物件情報など)を部門ごとに管理・運用しており重複業務が発生。部署間の情報共有もメールや共有サーバーに依存しており、迅速な確認や判断が難しい
- 性能・拡張性:各部署で利用している業務システム(Salesforce、Filemakerなど)と社内インフラ系のシステム(デスクネッツ、共有サーバーなど)の互換性が低く、その分社員は多くのシステムを利用せざるを得ない
- コストの増加:事業の成長に伴う従業員数や管理物件数の増加などにより、共有サーバーへのデータ保管量が増加。共有サーバーの容量は増やすことができるものの、サーバー費用が年々値上がり、コストが増加し続けてしまう
「想像以上に刺激的」Google オフィスツアーで “創造的な雰囲気とグローバルな空間” を体感
Google Workspaceの導入を検討するなかで、吉積情報が主催するGoogleオフィスツアーに参加しました。以前からGoogle Workspaceの存在は認識しており、前職で利用していた経験から、ドライブでファイルを共有する際の利便性や、Google Meetを使った会議の効率性、デバイスを問わずにメールやデータにアクセスできる点などに魅力を感じていたんです。
Googleのオフィスはテレビなどで話題になっていたため、映像で見たことはあったものの、実際に入ってみると想像以上に刺激的でした。創造的な雰囲気とグローバルな空間を肌で感じ、ゲームコーナーやキッチン、ボルダリングができる部屋など、ユニークな設備に驚きましたね。
また、Google社の方から吉積情報にGoogle Workspaceについて詳しい方がいると伺い、実際に質問をしてみたところ、どんな些細な内容やレベルの高い質問にも親切に答えていただいたことが印象的でした。
自社にとって大きな変化を伴走するからこそ
パートナー選びの決め手とは
左から、吉積情報株式会社 セールスマーケティング部 池平、松浦、株式会社イノベーションホールディングス 事業推進本部 IT推進部 係長 篠崎様
先ほどのオフィスツアーでの経験にくわえ、当社よりも規模が大きく、IT知識のレベルが近い企業への導入支援実績が豊富だったことも、吉積情報なら安心して導入を任せられると感じた理由の一つです 。Microsoft Office環境からGoogle Workspaceへの移行は、当社にとって決して小さな変化ではありませんから、実績のある会社にお願いしたいという思いがありました。
さらに、吉積情報が提供しているサポート体制も、非常に魅力的に感じました。管理者向け、役員向け、社員向けと、それぞれの立場や役割に合わせた機能説明会の実施などセグメントごとの細やかなサポート提供にくわえ、他社の成功事例も紹介しながら、当社にとって最適なプランを一緒に考えてくれる手厚いサポート体制が決め手となり、吉積情報への依頼を決定しました 。
Google Workspace選定の決め手は「アカウントに対してのストレージ容量」と「外部ツールとの連携」
Google Workspace選定の決め手は、「アカウントに対してのストレージ容量」と「外部ツールとの連携範囲」の2点でした 。
当グループにはストック型ビジネスの事業性質を持つ子会社があり、物件情報や契約情報、過去のトラブル履歴など、データを継続的に蓄積していく必要があったため、セキュリティが高く、安価で大容量のストレージは必須条件でした。
Windowsサーバーを利用した共有ドライブや他のサービスでは、コスト面でのハードルが高かったのですが、Google Workspaceは1アカウントにつき5TBのストレージをグループ全体で合算して利用でき、事業規模に合わせて柔軟に調整できる点が非常に魅力的でした。事業規模や契約物件数の増加に伴い、事業の成長に合わせてストレージ容量を柔軟に調整できる点も、ニーズに合致していました 。
また、Google Workspaceは当グループ内ですでに使用していた他サービスとの連携に優れており、GoogleアカウントやGoogle Workspaceアプリ(スプレッドシート、Gmail、カレンダー)との連携により、業務効率化やデータ連携が期待できました。
最終的には、代理店のサポートを受けられることを前提に、Microsoft 365とGoogle Workspaceを比較検討した結果、Google Workspaceが当社のシステム基盤として最適だと判断し、導入の決定に至りました。
使い慣れた環境から移行することへの不安や抵抗感
導入前は、社員から従来のOffice環境からの移行に抵抗や不安の声も上がっていました 。長年Windows & Office環境で業務を行ってきたため、使い慣れたソフトからGoogle Workspaceへ移行することに抵抗があったようです。また、エクスプローラーよりアクセスする共有サーバーから、クラウド上にあるGoogleドライブへ変わることに対し、利用のハードルが上がり、使いこなせるのか不安視する声が多く聞かれました。
一方で、過去にGoogle Workspaceを利用した経験のある社員や、スプレッドシートなどを活用していきたいという動きが見られた一部の部門からは、導入に対して前向きな意見も出ていた状況でした。
セグメントごと・段階的に実施されたフォローアップ講習会で不安を解消
これらの不安を解消すべく、吉積情報には段階的かつ社員の立場に合わせた講習会を実施していただきました。概念説明からアプリごとの説明というように、ステップを踏んだフレキシブルな説明会のおかげで、社員の理解を深めることができ、スムーズな導入につながったと感じています 。
特に役員向けのフォローアップ講習会は、経営視点でのGoogle Workspaceの魅力を伝えていただく良い機会となりました。Google Workspaceの導入の際発生するコストに対する理解を得るため、役員にその魅力を理解してもらう必要があったのですが、システム部門からの説明だけでは伝わりきらない部分を説明していただいたことで、役員の理解を深めることができ、導入プロセスを大幅に削減できたと感じています。
導入プロセス全体を通して、吉積情報のサポート体制には大変助けられました。メールではなく、チャットとWeb会議ベースで質問や回答を迅速にやり取りできたため、導入における疑問点や進め方について、都度適切な回答やアドバイスをいただけたことで、スムーズに導入を進めることができたと感じています 。
導入後の効果:情報アクセスと共有プロセスを効率化し、時間と場所の制約を打破
当社の営業担当や物件管理担当は、外出先で活動することが多く、移動も電車や徒歩が中心となるため、これまでPCを開いて作業をするのは難しい状況でした。しかし、Google Workspace導入後は、スマートフォンで隙間時間に共有ドライブにアクセスし、資料の確認や進捗表の更新ができるようになったことで、時間効率が格段に向上しました。
ファイル共有も劇的に改善されました。以前はメール添付でデータのやり取りを行っていたため、受信側のPCにデータが残りHDDの容量を圧迫していましたが、Google Workspace導入後は、共有ドライブ内のファイルのURLを社内チャットツールで共有するだけで済むためスムーズになりました。社外との大容量データ共有も効率化され、プロジェクトの進捗速度も向上したと感じています。
各部署からは以下のような改善事例が報告されています。
営業部門:物件の鍵管理表をスプレッドシートで作成し、外出先からでも容易に管理状況を確認できる仕組みになりました。範囲指定の編集権限を付与することで、想定外の編集を防いでいます。
財務経理部:ブラックボックス化していた外部サービスのデータベースをスプレッドシート化し、誰でも理解できる仕組みに作り替えることができました。
データ共有がクラウド上でスムーズに行えるようになったため、
「自社共有サーバー×Excel」では、社外にいる社員へすぐに共有できなかったデータも
「共有ドライブ×スプレッドシート」へ移行したことで、社外にいる場合のやり取りもスムーズになりました。
業務効率化だけでなく、従業員の満足度も向上していると思いますね。
Google Workspaceとの連携で自然に導入できるAI“Gemini”
以前から、業務ツールとして生成AIの導入を検討していました。プライベートで利用するなかでAIの有用性を実感し、ニュースや記事でも、生成AIを活用して業務効率化を実現している企業の事例を目にする機会も多く、生成AI導入の必要性を強く感じていました。しかし、単体で生成AIを社内に導入するには、企業としてハードルが高く、現状の社内環境でどのように生成AIを活用できるのかイメージしづらく、導入に踏み切れない状況でした。
今後、社内のインフラとして中心的な役割を担うであろうGoogle Workspaceには、生成AIGeminiが緊密に統合されています。これにより、従業員は特別な意識をせずとも普段利用しているツール(ドキュメント、Gmail、スプレッドシートなど)上で自然にAIを活用でき、組織的な生成AI利用の促進もスムーズに進められると考えました。GeminiがGoogle Workspaceのプランの一部として提供されているため、導入のハードルが低い点も大きな魅力です。
Gemini for Google Workspaceの活用で「情報収集の機会損失を防ぐ」
私の場合ですが、主にGeminiは説明が難しい事柄を報告する際に活用しています。最初に報告内容のたたき台を入力し、要点を付け加えたうえで「わかりやすくまとめて」とGeminiに指示すると、理解しやすい文面に仕上げてくれるため、大変助かっています。各社員の個人レベルでは、アイデア出し、資料作り、一般的な解決策や運用などの調査、簡単なプログラムのベース作り(GAS、HTML)、Google Workspaceの機能や各種書出し項目の意味を調べる際などに活用しています。Google Workspaceに関する質問に対しては、精度の高い回答が得られることが多く、安心しています。Google検索で二重に確認しても同様の結果を得られる場合がほとんど。「生成AIは信用できない」はもう時代遅れの認識と言えそうです。従来、何かを比較検討する際には、まずベースとなる情報を探す必要があり、この作業に多くの時間を費やしていました。しかしGeminiを利用することで、必要な要件を入力するだけで、関連性の高い情報を瞬時に収集し、比較検討の土台を築くことが可能になりました。
特筆すべきは、Geminiが提示する情報のなかには、自身の検索だけでは見落としていた可能性のある情報も含まれている点です。これにより、情報収集の機会損失を防ぐことにもつながっています。
さらに、Geminiで得られた情報を基に、自身で調査を進め、その結果をGeminiにフィードバックすることで、より精度の高い資料を作成することができます。
このように、Geminiは情報収集から資料作成に至るまでの一連のプロセスを効率化し、大幅な時間短縮を実現しました。情報のインプットからアウトプットまでの速度が格段に向上したと感じています。
Geminiが、人間の活動をより自然なかたちでサポートしてくれる未来への期待
Gemini には業務効率化の面で大いに期待している一方で、課題も感じています。
生成AI全般に言えることですが、Geminiもときおり、事実と異なる、いわゆる「ハルシネーション」と呼ばれる情報を提示することがあります 。そのため、現時点では調査業務などを完全にGeminiに任せきることは難しいと感じています。
また、当社には便利な機能やサービスを組み合わせることが得意ではない社員も多いので、Geminiが個人のスケジュールやGoogleドライブ内の資料を元に、その日のタスクやタイムスケジュールを自動的に洗い出し、必要な資料を準備してくれるようになれば、社員はより本質的な業務に集中できるようになると期待しています。
各サービスに組み込まれた Geminiが、人間の活動をより自然なかたちでサポートしてくれるようになることを願っています 。
今後の展望:Google Workspaceを「進化するインフラ」へ
将来的には、Microsoft Officeから完全に脱却し、Google Workspaceに移行することを目指しています。スプレッドシートやスライドの機能をGoogle Workspaceで代替することで、Officeにかかるコストを削減できると考えています。現状では、不動産業界という特性上、取引先を含めOfficeへの依存度が高い状況です。しかし、段階的に移行を進め、将来的にはGoogle Workspaceをフル活用することで、コストの最適化を図りたいと考えています。
Google Workspaceは、先日「Geminiがプランに標準化」されたり、「Google NotebookLMが登場」するなど、つねに進化を続けています。その時々の最新ツールを最適に組み合わせ、「進化するインフラ」として、企業の成長に役立てていきたいと考えています 。
規模の大小を問わず、あらゆる企業におすすめできるGoogle Workspace
1年間Google Workspaceを使ってみて、規模の大小を問わず、あらゆる企業におすすめできるツールだと実感しました。
Google Workspaceは、クラウドベースでのファイル共有やリアルタイムでの共同編集が可能なため、とくに複数人で同時に作業する際に便利です。導入当初は、社員が使いこなせるようにサポートするのに時間がかかるかもしれませんが、活用方法をしっかりと共有できれば、必ず業務効率の向上につながります。
特に、次のような企業におすすめです。
- セキュリティ強化を重視する企業
- 大容量のストレージを必要としている企業
- 社外でPCやスマートフォンなどのデバイスを利用する機会が多い企業
- 他サービスとの連携によって、会社全体の業務DXを進めていきたいと考えている企業
Google Workspace導入を検討している企業へのアドバイスとしては、以下の点が挙げられます。
- 従来のOfficeツール環境からGoogle Workspace環境に移行する際は、それぞれのアプリケーションの特性を理解し、
社内への影響や移行方法などを事前に検討しておくことで、スムーズな移行が可能になります。 - システムがOutlookやMicrosoft製のアプリと連携している場合、Microsoft製のアプリを引き続き利用するか、
Google Workspaceのアプリで連携可能かを確認する必要があります。 - 社員数が少ない段階で、一気に導入を進めることをおすすめします。
また、各部門に推進担当者を決め、部門内・部門外連携をして使い方の研修などを定期的に行うことで、全社員にスムーズに導入することができます。
結びの言葉(吉積情報より)
イノベーションホールディングス様は、不動産業界において急速な成長と発展を遂げられている企業であり、今回のGoogle Workspace導入が、その成長を支えるIT基盤を構築する一歩となっていれば幸いです。
お話を伺うなかで、Google Workspaceの活用状況や導入エピソードだけでなく、Gemini for Google Workspaceへの高い期待など、今後の展望についてもお聞かせいただき、大変貴重な機会となりました。
篠崎様の仰るように、Google Workspaceは「進化するインフラ」です。最新の機能を効率的に活用していただけるよう、引き続き精一杯サポートさせていただきます。
今後もお困りごとやご要望などありましたら、お気軽にご相談いただければ幸いです。
今後とも末永くよろしくお願いいたします。
2025年4月記事作成(取材・文/吉積情報)