Googleドライブ まるわかりコラム
Google Workspace 向けファイル共有「Cmosy」はなぜ生まれ、「Cmosy Pocket」へと進化したのか?
企業のデータセキュリティと現場の業務効率化は、常にトレードオフになりがちです。2015年、放送局の現場で発生していた「シャドーIT問題」を解決するために誕生したのが「Cmosy(クモシィ)」でした。
厳しいセキュリティ要件が求められる放送・メディア業界やエンタープライズ企業で10年以上にわたり実績を重ねたCmosyは、現在、よりシームレスで手軽に使える「Cmosy Pocket(クモシーポケット)」へと進化を遂げました。本記事では、Cmosyの誕生秘話からCmosy Pocketへ進化した背景、そしてGoogle Workspace環境において選ばれ続ける理由を解説します。
【お知らせ】 Cmosyは2025年をもって新規提供を終了し、10年間の運用実績とセキュリティ基盤をそのまま受け継ぐ後継サービス「Cmosy Pocket(クモシィ ポケット)」としてリニューアルしました。本記事でご紹介する機能は、すべてCmosy Pocketで提供しています。
シャドーITの撲滅がCmosyの始まり
共同開発元のテレビ局では、現場のユーザーが社外とのファイル共有にフリーのファイル共有サービスを使っていることに大きな懸念がありました。送信したあとのファイルの行方や誤送信等、データ漏洩が発生するリスクを常に存在するからです。
これらの課題を解決するためにCmosyの開発プロジェクトがスタートしました。
ユーザーが利便性を重視するのは自然な行動
現場のユーザーは、自分たちのミッションを達成するために日々働いています。
そのため、ツールはあくまで手段でしかありません。
放送局の業務は、社内外含めて多くの人間が関わっており、日々多くのファイルが共有されています。
ユーザーとしては、より効率的なツールを利用するのは自然な行動と言えます。
フリーのファイル共有サービスが利用されてしまう原因をユーザーに委ねるのは建設的な解決策にはなりません。
そのため、情報システム部門は、ユーザーに対して利便性も含めて適切なツールを提供する必要があります。
Google Workspaceの導入によってベースのセキュリティを強化できる
開発元の放送局では、ファイルの社外共有の問題とは別に「社内業務の効率化」も一つの課題として抱えていました。
その問題を解決するために検討されたのがGoogle Workspaceの導入です。
Google Workspaceはメール、ストレージ、カレンダー等、基本的なグループウェアの機能を備えていますが、一番の強みはコラボレーション機能の充実です。多くの人間が業務に携わる放送局では、このコラボレーション機能が大きな力を発揮します。
そして、Google Workspaceを導入することで、以下のような恩恵も受けることができます。
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恩恵 |
詳細 |
|---|---|
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ファイルのクラウドへの集約 |
ストレージサーバーにGoogle ドライブを採用することで、 ファイルの保存先がクラウド上に集約される。 |
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セキュリティポリシー |
Google Workspaceのセキュリティポリシーにより、 Google ドライブ上のファイルに対する社外共有に制限をかけることができる。 |
これにより、ユーザー全体に対して「ファイル共有」に制限をかけることができます。
つまり、ユーザーがGoogle ドライブ上のファイルを社外に共有することを禁止にすることができます。
しかし、ファイルの社外共有が禁止にされてしまうと、日々の業務に影響が出てしまい、生産性の低下とシャドーITの乱立を招いてしまう危険性があります。
そこでGoogle Workspaceのセキュリティポリシーを保持した状態で、ファイルの社外共有を実現する仕様の検討がスタートしました。
セキュリティを保持した状態でファイル共有を実現する
Google Workspaceのセキュリティ設定は非常に強力な仕組みです。
この仕組みを活かしながらファイル共有を行う仕様について議論がスタートしました。
Google Workspaceの管理者設定で「社外共有を禁止」にした場合、情報漏洩は防げますが、Google ドライブを基盤としたファイル授受が完全にストップしてしまいます。その結果、前段でもお伝えしたような現場での「シャドーIT」の利用につながってしまうのです。
そこで開発されたのが、「自社のGoogle ドライブ全体の共有制限ポリシーは厳格に維持したまま、吉積情報が管理するセキュアな一時保管領域(Google Cloud Storage)を経由してファイルを受け渡す」というアーキテクチャです。
これにより、自社のドライブ環境を社外に直接晒すことなく、有効期限や回数制限、メールアドレス認証(本人確認)を強制付与した安全なファイル送受信が可能になりました。
Google Cloud Platformをベースに開発した理由
弊社、吉積情報株式会社は設立以来Google Cloud関連のサービスを自社開発も含めて提供しています。
Cmosyのサービス基盤にGoogle Cloud Platformを選択した理由は、弊社自体がGoogle Cloudを専門としていることもありますが、実は他にも理由があります。
Google Cloud内の転送速度の速さ
Cmosyのユーザーがファイルを送信する場合、Google Cloud内のサーバー間でファイルの転送が発生します。
同一リージョン内でファイルの転送を行っていることも一つの理由ではありますが、ベンチマークを取った結果、非常に高いパフォーマンスを計測することができました。
お客様のGoogle Workspaceとそれを繋ぐCmosyのシステム基盤にGoogle Cloud Platformを採用することで全てのデータ通信がGoogle Cloudに集約され、非常に高いパフォーマンスを実現することができました。
Amazon Web Serviceを採用した場合、Google Cloudのネットワーク外のインターネットを抜けていくため、ここまでのパフォーマンスは見込めなかったと考えられます。
サービスのモニタリングをGCPに集約できる
Cmosyはシステム構成としてGoogle Workspaceのサービスをフル活用するサービスになっています。
Google Cloud Platformの管理コンソールでは、Google WorkspaceのAPIの管理も同時に行うことができるため、全てのクラウドリソースの監視をGoogle Cloudの管理コンソールに集約することができます。
地味ではありますが、運用上非常に強いメリットを感じています。
放送局・エンタープライズでの実績と、現場の声から生まれた「Cmosy Pocket」
Cmosyはリリース以来、テレビ局・ラジオ局などの放送メディアをはじめ、セキュリティに厳格な大手企業に広く採用されてきました。

特にPPAPの代替サービスとしての需要が高まっており、多くの問い合わせをいただいております。
PPAPとは以下の略語で、暗号化されたzipファイルとパスワードを別々に送信することでファイルのセキュリティを担保するというファイル共有方式です。
- Password付zip暗号化ファイルを送ります
- Passwordを送ります
- An号化(暗号化)
- Protocol
ただ、「実際は同一相手にファイルもパスワードもメール送信することになる」、もしくは「zipの暗号化を解除するのは難しくない」という理由から、現在は多くの企業がPPAPの運用を廃止する方向で動いています。
CmosyではPPAPを回避する方法も提供することができるため、非常に需要が高まっています。
一方で、クラウドシフトが加速する中で現場からは次のような声も寄せられるようになりました。
- 「別画面を開くことなく、いつものブラウザ作業の中で素早くファイルを送受信したい」
- 「Googleアカウントを持たない取引先とも、安全に共同編集やファイル受け渡しを行いたい」
こうした企業のリアルな課題に応えるため、10年以上の運用ノウハウとセキュリティ基盤をそのまま継承し、操作性を大幅にアップデートして誕生したのが「Cmosy Pocket(クモシーポケット)」です。
Cmosy Pocketが実現する2つの利用スタイル
- Chrome拡張機能:ブラウザのサイドパネルから、Google ドライブのファイル送受信リンクを即座に発行。業務フローを止めないスピード感を提供。
- Webブラウザ版:送信・受信に加えて「ファイル共有(共有ドライブの期限付き外部共有や申請ワークフロー)」まで対応し、パスワード強制や詳細ログ管理(永年保管)を実現。

まとめ
Cmosyは、放送局のシャドーIT撲滅という厳しい現場課題から誕生し、Google Cloudをベースにした高速・堅牢なセキュリティ基盤によって多くの企業に選ばれてきました。
その堅牢なセキュリティ思想を受け継ぎ、より手軽でスマートな操作性を実現したのが「Cmosy Pocket」です。「Google ドライブのセキュリティは妥協したくないが、現場の業務効率も落としたくない」とお悩みの情報システム管理者様は、ぜひCmosy Pocketの活用をご検討ください。
著者
森田 嶺
吉積情報株式会社 取締役 副社長。 大学卒業後、 AWS や Google Cloud 等、主にクラウドを基盤とした新規サービス開発の経験を経て、YOSHIDUMIに入社。Google ドライブ拡張サービス「Cmosy Pocket」「共有ドライブマネージャー」等、 Google Cloud を活用した自社サービスの開発に従事。現在、 Google 等が提供する生成AIを活用したサービスを開発中。https://x.com/r__morita
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