導入事例

社会福祉法人ことの海会

Google Workspace 全ライセンス一括導入でDXを本格始動。「10X」の思想を胸に、福祉の現場から“ダイナミックな業務改善”を目指す

社会福祉法人ことの海会 様

社会福祉法人ことの海会 様

(左から)九州アジアン産業支援協同組合 総務課 / 小川様、社会福祉法人 ことの海会 総務課 / 川端様、総務課長 / 大野様

業種
医療・福祉・介護
サービス
Google Workspace
企業規模
100-999名
長崎県大村市・諫早市を拠点に、障がい者支援、児童発達支援、高齢者支援など多岐にわたる福祉サービスを総合的に提供する社会福祉法人ことの海会。同法人は、業界全体としてDXやAIの活用が遅れているという課題意識のもと、法人内の「DX推進」を目的にGoogle Workspaceの導入を決定されました。
当初の段階的な導入検討から方針を変更し、Business StandardとFrontline Starterの全ライセンス一括導入、および吉積情報の導入支援サービス「My Start」をお選びいただきました。その背景と導入後の変化、今後の展望について、導入を推進された総務課長 DX推進担当の大野様、総務課 労務主任の川端様、総務課 SEの長坂様、九州アジアン産業支援協同組合 総務課の小川様にお話を伺いました。

福祉業界特有の課題と「ダイナミックな業務改善」の必要性

KIN (24)
(左から)
吉積情報株式会社 / 武部、社会福祉法人 ことの海会 総務課長 / 大野様、総務課 / 川端様、九州アジアン産業支援協同組合 総務課 / 小川様

 

― Google Workspace導入前は、どのような課題をお持ちでしたか?

大野様:以前はLINE WORKSとオンプレミスのファイルサーバーを利用していました。ファイルサーバーには、約20年分データが蓄積されていましたが、情報の整理が追いつかない状態で運用しており…。増え続けるデータの管理が行き届かず、欲しいときに必要な資料が見つからずに作り直したり、逆に誰かのファイルを誤って消してしまったりといったトラブルもありましたね。

また、福祉業界は「人に接する仕事」がメインであるがゆえに、ICT機器の扱いに苦手意識を持つ職員も多いんです。

そのため、たとえばメール運用ひとつにしても、「個人アドレスを付与しても見落としてしまうのではないか」、「情報は一箇所にまとまっていた方が確認漏れがないのではないか」と考え、あえて個人には紐づけない「グループアドレス」だけで運用していました。 しかし、実際に運用してみると、情報は一律に届くものの、自分宛てという意識が薄れて「自分事」として捉えにくくなってしまい、結果として必要な情報の把握漏れや情報共有のスピードが落ちるといった逆効果を生んでいたんです。

 

― DX推進の具体的な背景について教えてください。

大野様:社会福祉法人という業界が、やはり業務改善やDX、ICT・AIの活用といったものがそもそも遅れているのだと思っています。 管理すべきことが多く、手書きの書類も数多く残るなか、制度は年々複雑さを増しているという状況です。こうしたなかで、「できる限り時間をかけずに事務作業を進めていきたい」「利用者のみなさんに直接関わる時間を確保したい」ということを目的に、DXを推進することとなりました。

 

 

「10X」の思想への共感と、"後戻りしない"決意の一括導入

KIN (19)

― 数あるグループウェアのなかでGoogle Workspaceを選定された決め手は何でしたか?

大野様:色々調べるなかでGoogleが提唱してる「10X(テンエックス)」*という考え方にひかれました。今ある手段や前提にとらわれることなく、より多くのチャレンジや創造性をもって10倍の成果を手に入れていこう、という考え方に強く共感したんです。10倍までは実現できなかったとしても、それに近づけるようにという目標を持って、Google Workspaceの導入を決めました。サービスを提供しているGoogle Cloudのカルチャーに共感できたというのは、大きなキーポイントだと思います。

また、一部の業務ですでに個人用の無料版Google Workspaceを活用していたので、その操作性の高さや利便性をあらかじめ理解していたことも選定の後押しとなりました。

 

長坂様:グループウェア選定の際にはMicrosoft 365なども比較検討しましたが、現場の支援員と、内勤の事務職員が混在する私共の特性を考慮すると、Google Workspaceが持つ「場所を選ばないシームレスなコミュニケーションツール」という面と、「直感的に使いやすいオフィスツール」という面の両方が、私たちの働き方には適しているだろうと考えました。
*10X Innovation Culture Programの詳細はこちら:https://grow.google/intl/ALL_jp/10xinnovationculture/

 

― 当初は段階的な導入も検討されていたなか、最終的に全ライセンス一括導入に踏み切られた理由を教えてください。

 

川端様:これには、「もう後戻りできないようにしよう」という意図がありました。何が何でもDXを完遂するという強い決意があったからこそ、段階的な導入ではなく、一括導入で退路を断つべきだと判断しました。

LINE WORKSは連絡のみに使っていましたが、Google WorkspaceならAppsheetによるアプリ開発やデータとの紐付け、システム間の連携など、運用の幅広さに大きな違いがあると感じました。その可能性に魅力を感じ、「いずれやるのであれば一括導入が最も効率的だ」と考えました。この決断は、私たちの覚悟の表れでもあります。

 

― ライセンスプランはどのように選定されましたか?

 

川端様:利用者様の個人情報を扱うことも多いので、まず重視したのはセキュリティ面でした。 複雑な管理業務を行うリーダークラスにはBusiness Standardを、ファイル閲覧がメインとなる現場の職員には、あえて機能を絞ったFrontline Starter*を選択しました。現場の職員に対して、 AppSheetによるアプリ開発や外部連携などの高度な権限を付与しないことで、操作の負担を軽減しつつ、組織としてのセキュリティリスクを最小限に抑えられるのではないかという判断です。※Frontlineエディションの導入にはGoogleの審査が必要です。

 

― 導入支援パートナーとして吉積情報をお選びいただいた理由をお聞かせください。

 

長坂様:福祉という現場の支援が本業なので、Google Workspaceの導入に専任の担当者を配置することが難しく、通常業務と並行しながらのスムーズな立ち上げと運用のためには外部パートナーによる専門的なサポートが不可欠だと考えました。そこでパートナー選びの際には、Googleのプレミアパートナーであるという信頼性にくわえ、導入前後のサポート体制や、導入実績を重視しました。当初は、対面サポートを期待して、地元の企業も検討しましたが、パートナーとしての実績やGoogle Workspaceに関するノウハウを総合的に判断し、7社に絞りこみました。

そのなかで、最終的には大野(総務課長 DX推進担当)と私の直感に近い部分もありましたが、その直感を確信に変えたのは、吉積情報さんの発信されている情報の具体性と、私たちの懸念に寄り添った提案内容です。

検討段階で拝見したWebサイトには、単なる機能紹介だけでなく、導入後に直面しやすい課題やその解決策が詳細に示されており、私たちの不安を先回りして解消してくれるような安心感がありました。また、実際に説明を受けるなかでも、私たちの現場環境を深く理解した上での的確なアドバイスをいただけたことで、「ここなら安心してお任せできる」と組織としての納得感に繋がりました。

 

 

「Googleの高度な検索」とシームレスな連携。段階的トレーニングで現場に浸透

KIN (14)

― 弊社の導入支援サービス「My Start」の実施を決められた理由をお教えてください。

長坂様:多くの企業で、導入サポートを提供しているということはサイトに書かれているんですが、吉積情報さんのサイトでは「具体的に何ができるのか」が細かく記載されていて、導入後のイメージが湧きやすかったんです。「My Start」のサービス内容と、私たちの求めているサポート内容と合致していて、安心感がありました。 また、Google Cloud の認定資格を持つ社員さんが多く在籍されている点も、選定理由の1つです。

 

川端様: 先ほどお話したように、根底には「導入するからには後戻りせず、確実に定着させる」という強い覚悟がありました。自分たちだけで試行錯誤して遠回りするよりも、最初から専門家の知見を借りてベストな形を構築することが、最終的に高い効果を生むと考えたんです。ただ導入するのではなく、最初から「正しく活用する」ための投資として、「My Start」はとても有益であると思い、実施を決めましたね。

 

― キックオフから全社導入トレーニングまで、弊社の支援やスケジュール感についてはいかがでしたか?

小川様:サポートに関しては、ユーザー講習を段階的にやっていただいたのがよかったです。ICTに馴染みのない職員も、デモ画面を見つつ実際に触りながら学ぶことができたので、スムーズに進められたのかなと思います。

 

川端様:スケジュールのところでは、あらかじめしっかりとアジェンダを組んでいただいたのが良かったです。自分たちだけで進めると、どうしても日常業務に追われて停滞しがちですが、無理のない範囲で着実に進められるようリードしていただきました。導入スケジュール自体は少しタイトだったとは思うんですけれども、吉積情報さん主導で進めてくださったおかげで、無事に期日に間に合わせることができました。

また、トレーニングに生成AI・GeminiやNotebookLMの内容を組み込んでいただいたことで、それまで生成AIに馴染みのなかったスタッフからも、「使ってみたらすごく楽しかった!」という声が上がっています。最近では「これをGeminiと考えてみた」といった会話も職場内で聞こえるようになり、これは非常に良い変化だと感じています。

 

長坂様:Googleの思想や考え方まで共有していただけたのが印象的でしたね。「不要なメールはすぐにアーカイブして、まっさらな状態で仕事を始めると良い」といった、単なるツールの使い方にとどまらない、「Google流の仕事術」を学べたことは、私たちにとっても非常に新鮮で有益だったと思います。

 

― 導入後、業務において最も大きく変わったと感じる点はどこですか?

大野様:情報検索が非常に効率的になりました。Googleの高度な検索機能をあらためて実感しています。コミュニケーション面では、トレーニングで「リアクションを積極的に示そう」とアドバイスをいただいたことが功を奏しました。すぐにリアクションが返ってくることで、ちゃんと伝わっているという安心感が生まれ、業務が円滑に進むようになっています。今では、この文化がすっかり組織に定着しました。

 

長坂様:Google Meetでの議事録作成機能はとても好評です。私はリモート勤務なので、打ち合わせの際はWEB会議が必須なのですが、Google カレンダーに予定を入れるだけでMeetのURLが発行され、会議後には議事録や要約、ToDoまで自動で作成してくれるので大変重宝しています。これまでは、WEB会議を行うにはZOOMのスケジュール設定から、LINE WORKSでの共有、さらには当日にチャットの履歴を遡って設定したZOOMのURLを探すといった多くの工数が発生していました。場所を問わずスムーズに会議を始められ、各アプリがシームレスに連携するGoogle Workspaceの利便性は、多くの職員が実感しています。

 

― LINE WORKSからGoogle チャットへの切り替え時、戸惑ったポイントやそれをどのように解決されたのかお聞かせください。

川端様: 新しいツールですので、まずはログインの段階から戸惑う声がありました(笑)。

 

小川様: 機能面でも、「LINE WORKSにあったノート機能のようなものがないか?」といった質問は、現場からよく寄せられました。

 

大野様: ただ、新しい環境に触れていくなかで徐々に操作に慣れ、代替機能を見つけたことでそれらのほとんどが解決していきましたね。私たちの場合は、LINE WORKSの契約終了期限を明確に定め、「このツールを使いこなすしかない」という状況をあえて作ったことも、結果として活用を加速させる後押しになったと感じています。

 

― 課題であったとお話しされていた「メール運用」はどのように改善されましたか?

大野様:重要な情報の属人化を防ぐため、グループアドレスの運用は継続しつつ、個人アドレスも新たに作成しました。以前との大きな違いは、Google Workspaceの導入によって、情報がシームレスにつながるようになった点ですね。これまではOutlookで受信したメールをコピーしてLINE WORKSで共有していましたが、Google Workspace導入後は、Gmailの内容をそのままGoogle Chatへ転送したり、スペースで共有したりできるようになりました。アプリを切り替える手間がなくなり、会話の流れのなかで自然にメールの内容を確認できるようになったことは情報共有のスピードアップに大きく寄与しています。

 


GeminiとAppSheetの活用で、スタッフが「利用者様へのケア」に専念できる未来へ

KIN (25)

― Google Workspaceをプラットフォームとして、次に見据えている業務改善やシステム化の構想があれば教えてください。

大野様:今年、障がいを持つ利用者様がパソコンを使って仕事に取り組み、社会とのつながりを持っていただくための部門、「みんなのオフィス」を立ち上げました。AIがそうした利用者様の仕事を手助けしてくれることで、活躍できる場面がさらに広がるのではないかと強く期待しています。

例えば会計業務なら、証票をスキャンして取り込むことさえできれば、 その次のステップでAIがルールに基づいて情報を識別し、会計ソフトへ入力するといった分業が可能になります。まずは、私たちが率先してAIの活用を深め、利用者様の可能性を広げていきたいですね。

 

長坂様:やりたいことはたくさんあります。すでにシフト作成アプリを試作しており、「Googleフォームから希望休を申請⇒スプレッドシートに集約⇒GAS(Google App Script)で事業所ごとのリストを作成⇒勤務ルールを学習させたNotebookLMに取り込んでシフト案生成」というところまでは、すでに形になっています。今後はGASを活用し、完成したシフトを各自のカレンダーに自動反映させる、というような構想を練っています。また、AppSheetによる出退勤アプリの開発も進めています。勤務記録のPDF化や、総務・厚生労働省への提出用データの出力など、実用化まであと一歩の段階です。こうした一連の自動化は、コラボレーションに優れたGoogle Workspaceだからこそできることだと思います。

さらに、AppSheetで業務に限らず社内のメンバー同士が感謝を伝え合う「感謝アプリ」も運用したいと考えています。あえて業務とまったく関係ないアプリからAppSheetに触れてもらうことで、拒否反応も少なくなるのでは?と考えたことがきっかけでしたが、やはり、「ありがとう」が飛び交う職場は嬉しいものですから、これは絶対に実現したいと思いました。

 

川端様:ちょうど今年から、年末に職員を表彰する企画「みんなのアワード」が立ち上がったので、その投票ツールとして、長坂さんが作ってくれた感謝アプリを活用したいと考えています。

ことの海会のハッピーを集めるという意味で、アプリは「ことハピ」と名付けました。このアプリを通して、たくさんのハッピーなエピソードを集めていきたいですね。

 

― DX推進の第一歩としてGoogle Workspaceを導入されましたが、社会福祉法人として今後目指していくDXの姿についてお聞かせください。

川端様:Google Workspaceの導入をはじめとしたDXに取り組んだ一番の目的は、現場のスタッフが利用者様の支援、ケアに専念できる体制にすることです。利用者様に喜んでいただきたいということが、我々の一番の信念ですので。そこにデジタルの力を最大限に利用していき、より良いケアを利用者様に提供していければなと思っています。

 

― 最後に、Google Workspaceの導入を検討されている他の企業・法人様へメッセージをお願いいたします。

大野様:実現したい具体的な構想が山ほどあり、目的が明確だったことが、Google Workspaceの導入を成功させた大きな要因だと感じています。ただ漠然と導入するだけではもったいないですよね。目的をしっかり持っている組織にこそより力を発揮するシステムですし、それをサポートしてくださる吉積情報さんのバックアップ体制もとても心強いので、ぜひおすすめしたいです。

 

長坂様:Google Workspaceは、業務改善のための「土台」だと感じています。常にアップデートされ進化し続けている点に、世界中で広く普及しているツールならではの「使いやすさの本質」や「信頼される理由」が表れているのだと思います。このしっかりした「土台」があれば、意欲次第でどんな組織でも変革は可能になるはずです。私たちも、「世界中で使われているツールには、それだけの使いやすさと理由がある」と信じて進めてきました。最初は不安もありましたが、専門知識を持った吉積情報さんが伴走してくださったおかげで、ICTに苦手意識をもつ職員が多い私たちでも、導入を完遂することができました。自分たちだけで抱え込まず、信頼できるパートナーを頼ることで、直面する課題もひとつひとつ解決していけます。迷われている方は、ぜひ一歩を踏み出してみてください。

 

2026年2月記事作成(取材・文/吉積情報)

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