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導入事例

ヤマネホールディングス株式会社

伝統と革新の融合が生んだカルチャー変革。
創業116年、「物語がつづく暮らし」を提案する住生活総合グループがGoogle WorkspaceとGeminiで実現する「全社員が主役」のDX

ヤマネホールディングス株式会社 様

ヤマネホールディングス株式会社 様

(写真左から)
ヤマネホールディングス株式会社 経営支援室 IT企画課 谷 裕樹様、稲本 拓未様、都留 芸様、(課長)緒方 重行様、吉積情報株式会社 ビジネスソリューション部 サブリーダー 武部 真優

業種
建築・土木
サービス
Google Workspace、AI Driven
企業規模
100-999名

1910年の創業以来、広島と福岡を中心に1万棟を超える実績を重ね、「物語がつづく暮らし」をキーワードに、注文住宅からリフォーム、不動産、家具インテリア、デイサービスまで住まいと暮らしを総合的に支えるヤマネホールディングス株式会社。同社は山根社長の掲げる「全社員が主役」というビジョンのもと、組織の壁を越えた情報共有と業務効率化を目指し、Google Workspaceおよび生成AI(Gemini)の全社導入へと踏み切りました。長年親しんだMicrosoft Office中心の環境からクラウドネイティブな働き方への移行は、単なるツールの刷新に留まらず、社員の意識と企業文化を根本から変える全社的な変革でした。吉積情報が伴走したカルチャー変革の軌跡と、現場発のユニークなAI定着戦略の全貌に迫ります。

 

― かつて感じていた情報共有の「課題」と、移行を決断された背景について教えてください。

 

緒方様:当社には長年培ってきた100年以上の歴史がある一方で、以前の環境では情報のサイロ化(部署間の分断)が業務の妨げになっていました。部署ごとに情報が閉じていることでリアルタイムな連携が難しく、せっかくの資産やアイデアが組織全体に行き届かないという課題を抱えておりました。また、現場の写真や図面などのデータ共有において、スマートフォンとの親和性や、クラウドへ直接保存できるスピード感を求めており、より高次元な環境への移行が必要だと感じていました。

IT企画課 課長 緒方様

稲本様:実はツールとしては以前から一部でGoogle Workspaceを契約していましたが、事実上十分に活用しきれていない状況でした。移行しきれなかった最大の障壁は「社員の意識」にありました。何十年もの間、Microsoft Office中心の運用を続けてきたことで、社内の膨大な資産や日々のドキュメントがすべてOfficeベースで蓄積されていました。社員の頭の中も「仕事はOfficeで行うもの」という前提から抜け出せず、そこから「離れられない」という心理的な依存こそが、クラウドネイティブな働き方を阻害する一番の要因だったのです。

そうした中、弊社社長の山根(以下 山根)から「Office中心の運用から完全に脱却し、Google Workspaceへ集約して本格的なDXを推進しよう」という強力なトップダウンのメッセージが発信され、全社的な移行プロジェクトが本格始動しました。現在は一過性の移行で終わらせないよう、全社展開に向けて少しずつ、丁寧に教育を全社員に行っている最中です。

 

 

― Google Workspace自体の選定理由と、パートナーとして吉積情報を選ばれた背景を教えてください。

 

緒方様:Google Workspaceを選定した最大の理由は、山根が掲げる「全社員が主役」というビジョンを具現化していくにあたり、Google Workspaceが持つツールとしての思想が、まさに自社に合っていると感じたからです。

Google Workspaceはスプレッドシートやドキュメントをはじめ、誰もがリアルタイムで共同編集できるツールの土壌が最初から整っています。一部の管理職やITリテラシーの高い人間だけでなく、現場の全社員が同じ情報に等しくアクセスし、同時にアイデアを書き込み、全員が主役となってプロジェクトを動かしていける。このツールの持つ思想そのものが、私たちが目指す組織文化に完全に合致していました。

さらに、選定を進めるタイミングがまさにGeminiがGoogle Workspaceで利用できるようになった時期とも重なり、「このような先進的なサービスをセットで導入できたら良いのではないか」と考えたことも、全社展開に向けた大きな後押しとなりました。

ただ、いざ移行するとなると「Officeで行っていた業務を、Google Workspace上でどう再現するか」という切実な課題に直面しました。どのように業務水準を維持すべきか模索する中で出会ったのが、吉積情報でした。吉積情報は、単にライセンスを販売するだけでなく、私たちが直面していた「既存業務の再現とスムーズな移行」という課題を捉え、教育支援までを含めたアプローチを行っていることを知りました。

稲本様:ご提案いただいた教育支援プログラム「MY START」は、まさに私たちが求めていた内容でした。本来はGoogle Workspaceを初めて導入する企業向けのトレーニングだと思うのですが、内容をカスタマイズしていただき、柔軟に対応していただけた点も助かりました。単なる機能説明ではなく、意識改革まで見据えたトレーニングに加え、動画でいつでも学べるeラーニングシステム「GooTorial」が標準提供される点も、現場の社員が自ら学び、自走できる組織を目指す上で大きな魅力でした。

IT企画課 稲本様

 

 

― 具体的なトレーニングの手応えや、初期浸透での工夫はいかがでしたか?

 

稲本様:スケジュールが非常にタイトな中での移行でしたが、吉積情報には当社の脱Officeに向けた要望に合わせてカスタマイズされたトレーニングを実施していただきました。ドキュメント、スプレッドシート、スライドといったコアアプリの基本操作から移行手順まで丁寧にレクチャーいただき、受講した社員の8〜9割から「ためになった」と高い評価を得ました。山根からも大変好評でした。

 

都留様:また、今回はAI活用支援サービス「AI Driven Light」を活用したGeminiの導入も同時に進めました 。それまで社内ではガバナンスや安全性を考慮してAIの業務利用を一度制限していたため、社員からは「早くAIを使ってみたい」という潜在的なニーズが高まっていました。吉積情報から提供されたテンプレートや利用ガイドライン、そして「Gemini Boost Camp」のおかげで、セキュリティを守りつつ初期の心理的ハードルを下げてスムーズに利用を開始することができました。

さらに有り難かったのが、吉積情報カスタマーサクセスチームの谷川さんからのご提案がきっかけで参加した、毎週水曜日の「ランチタイムセミナー」です。「そもそも生成AIとはどんなものか」という基礎から、「どうやって組織に浸透させていったらいいか」という実践的なテーマまで幅広く取り上げていただき、マインドセットの面でも非常に勉強になりました。

 

谷様:私も都留も、プライベートで積極的に生成AIに触れているので、AIについては人より詳しいと思っていたんですが、さらに業務に則した活用のヒントをいただけましたね。受けた後に二人で感想を言い合い、すぐ講義の内容を実践したりしていました(笑)

また、Google Workspaceはとても機能が多く、アップデートも多いので自分たちで網羅しきれない部分は、やはりプロに任せてよかったと感じています。

IT企画課 谷様、都留様

 

 

― 社内ポータル「生成AI・GWSマイスター」の構築など、ユニークな取り組みが始まっているとお伺いしました。

 

谷様: はい。私たちは吉積情報から得た学びをただ下ろすだけでなく、社員が自発的にAIを「当たり前の道具」として楽しめるよう、独自の社内アプリ・ポータルサイトとして「生成AI・GWSマイスター」を開発しました。

このポータルでは、社員が業務で作成したプロンプトや、実際の活用事例を登録して全社で共有・検索できる仕組みにしています 。たとえば、マーケティング部門が作成した「リモデリング施工事例作成Gem」というプロンプトなどが掲載されています。

最初は部署限定の先行リリースで活用事例の入力を促してみたのですが、3週間ほど1件も投稿されないという壁にぶつかりました 。そこで、ボランティアとして投稿を促すのではなく、登録することでスキルが可視化されたり表彰されたりするメリットが得られる制度を企画しました。

現在は、学習や活用状況に応じて「見習い」から「マスター」へとレベルアップするゲーミフィケーションの仕組みを盛り込んでいます。また、毎月社内報で優秀な事例を紹介したり、半期や年間の表彰制度・事例発表会と連動させたりすることで、自発的な投稿とノウハウの水平展開を促しています。いきなり業務プロジェクトとして厳格に割り当てるのではなく、まずは「おもちゃで遊んでみてもらう」ような実験的な感覚で触れてもらい、それを許容するカルチャーを作ることが浸透の秘訣だと考えています。

 

※生成AI・GWSマイスター

 

 

 

 

― 現時点でどのような数値的成果や、社内カルチャーの変化を実感されていますか?

 

稲本様:Microsoftのライセンス削減に関しては、現在は一部のマクロ使用環境や行政機関向けの資料作成部門など、どうしても移行に時間を要する部分の精査をしている最中です。ゆくゆくはOfficeのライセンス約7割を削減することを目標にしています。

 

谷様:具体的な業務効率化の面で最も大きなインパクトが出ているのは、会議の議事録作成です。これまでは打ち合わせのたびに、半日や1日半がかりで文字起こしや清書、要約の作業を行っていました。これが、Google Meetの文字起こし機能とGeminiの要約プロンプトを掛け合わせることで、社内フォーマットに沿った議事録が一瞬で作成可能になり、作業時間が大幅に短縮されました。また、メールの下書き自動作成なども現場で「非常に楽になった」と声が上がっています。

カルチャーの面で言うと、以前は、社員が「使い方がわからない」「誰に聞けばいいかわからない」という迷いを抱えており、それが定着を阻む要因にもなっていました。そこで今回は、社内ポータルに「GooTorial」の導線を配置し、「まずはここを見れば解決できる」というアナウンスを徹底しました。

ポイントは、ツールを導入して終わりにしなかった点です。管理者側で全社的な学習状況をチェックしながら、現場のニーズに合う有益なコンテンツをIT企画課から能動的に発信し続けました。

この地道なアプローチの積み重ねが、社内カルチャーの変革につながりました。これまで現場が一人で抱え込んでいた業務上の悩みが、「IT企画課が自分たちをサポートしてくれる」という認知に変わり、「実はこんな効率化がしたい」という前向きな要望がボトムアップで届くようになったのです。

現在では、現場から上がってきたアイデアや課題に対し、IT企画課が伴走しながらGeminiやGoogle Workspaceを駆使して一緒に解決していくという、非常に良いサイクルが回り始めています。

 

― 今後のIT戦略ビジョンと、DX推進に悩む他企業へのメッセージをお願いします。

 

谷様:現場に対しては、単に「AIは便利だから使ってみてね」と推奨するだけでなく、「当社ではAIを使わないこと自体がビジネスにおいてマイナスである」という一歩踏み込んだ共通認識を持つことが重要だと考えます。今後のAI活用について、例えば当社のブランドが持つコアな価値観や姿勢をお客様一人ひとりへの提案において絶対にブレさせず、客観的な第三者視点を常にキープし続けるためにも、AIの活用は大前提の共通ルールにしていくべきだと確信しています。

 

緒方様:将来的には、社内のあらゆるデータを1箇所に集約し、HR戦略などに利用できる「自社独自のAIエージェント」の構築を目指しています。

長い歴史を持つ企業がDXを一歩進めるためのアドバイスとしては、何よりも経営トップがAI時代に対する危機感を持ち、単に現場へ丸投げするのではなく、自ら主体的に推進に取り組む姿勢を示すトップダウンのアプローチが不可欠です。「取り残されてはいけない」という社長の強いメッセージのもと、IT部門と現場が一丸となって熱意をもって動く事が大切かと思います。

 

稲本様 今後の大きなステップとして、まずは来年2月に予定しているAI活用事例の全社発表会を成功させ、これを最初のマイルストーンとして全社へのAI定着を進めていきます。その後は、先ほどの谷の話にもありましたが、現場のお困りごとをヒアリングしてGoogle WorkspaceやGeminiを使って一つずつ解決していく。この地道な「現場発の課題解決」の積み重ねこそが、私たちが目指す真のDXであると考えています。

 

 

2026年7月記事作成(取材・文/吉積情報)

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