AppSheet で扱えるデータベースの種類
AppSheet では、様々な種類のデータベースを連携させてアプリを開発できます。主なものとして、Google スプレッドシート、Excel、MySQL、SQL Server などが挙げられます。それぞれのデータベースには特徴があり、用途に合わせて使い分けることが重要です。
Google スプレッドシート
Googleが提供する表計算ソフトで、AppSheetとの連携が非常にスムーズです。チームでの共同編集やデータ共有が容易なため、小規模なアプリ開発や、データベースの知識があまりない方でも手軽に利用できます。
Excel
Excel は、Microsoft が提供する表計算ソフトです。多くの企業で業務データの管理に利用されているため、既存の Excel データを AppSheet で活用したい場合に便利です。
MySQL、SQL Server などの本格的なデータベース
MySQL や SQL Server は、大規模なデータ管理に適した本格的なデータベースです。大量のデータを扱う業務アプリや、複雑なデータ構造が必要な場合に利用されます。
それぞれのデータベースの特徴と使い分け
データベースの選択は、アプリの規模や用途、開発者のスキルなどを考慮して行う必要があります。
手軽さ重視なら:スプレッドシート系
Google スプレッドシートや Excel は、専門知識がなくても手軽に扱える点が魅力です。小規模なアプリ開発や、データベース初心者の方におすすめです。
既存データの活用なら:Excel
既に Excel で管理している業務データがある場合は、Excel を AppSheet のデータベースとして活用できます。データ移行の手間を省き、スムーズにアプリ開発を進められます。
大規模データ対応:MySQL など
MySQL や SQL Server は、大規模なデータを高速に処理できる点が強みです。数百万件以上のデータを扱うアプリや、パフォーマンスが求められる場合に適しています。
リレーション(関連付け)も簡単
AppSheet では、異なるデータベース間でのリレーション(関連付け)も視覚的に設定できます。複雑なデータ構造も簡単に表現できるため、アプリの機能を拡張できます。
AppSheet データベース (ASDB) について
https://support.google.com/appsheet/answer/12631542?hl=ja&ref_topic=12632222&sjid=17944299031875093080-AP
AppSheet データベース (ASDB) は、AppSheet アプリで扱うデータを管理するための AppSheet 独自のデータベースです。Google スプレッドシート など従来の外部データソースと比較して、より優れたインターフェースとパフォーマンスを提供します。
従来の AppSheet では、Google スプレッドシート をデータソースとして利用することが一般的でした。しかし、スプレッドシートには以下のような課題がありました。
- 同期速度があまり早くないという、パフォーマンスの問題
- ユーザによる直接入力時のヒューマンエラーのリスク
- AppSheet アプリで設定した型と実際にスプレッドシートに入力されている値の型に不整合が発生する可能性
AppSheet データベース (ASDB) は、これらの課題を解決するために開発されました。
AppSheet データベース (ASDB) のメリット
https://support.google.com/appsheet/answer/12631542?hl=en&sjid=2297134173744332679-AP
AppSheet アプリケーションのデフォルトのデータオプションとして提供されます。AppSheet アプリと同じサーバー環境にデータを置くことができるため、外部データソースを利用する場合と比べて、アプリ作成者とアプリユーザー両者が、高いパフォーマンスを期待することができます。
- 使いやすいAppSheet データベース (ASDB) エディタ:
ASDB には専用のエディタがありますが、 AppSheet アプリのエディタとよく似た UI をしており、AppSheet アプリでの開発に慣れてきた方なら、直感的に利用できます。
また、ASDB のエディタと AppSheet アプリエディタはシームレスに統合されています。 ASDB エディタでそれぞれのテーブルがどのアプリで利用されているかを確認して、そのアプリのエディタ画面へ遷移することができたり、逆に、AppSheet アプリエディタの Data 設定画面から、ASDB のエディタへ遷移したりすることが簡単にできます。
- AppSheet アプリとの互換性:
ASDB では列データごとに AppSheet アプリ上で設定できるものと同じ「型」を設定することができます。これによって、AppSheet アプリ上で取り込んだデータが Data 設定で設定した型 (Type) と一致していることを、データソースの段階から保証することができます。
AppSheet データベース (ASDB) のデメリット
https://support.google.com/appsheet/answer/12653576?sjid=2297134173744332679-AP
- 英語のみのエディタ: 日本語非対応
- 頻繁な UI/機能変更: 安定性に欠ける可能性
- 情報不足: ユーザー数が少なく、日本語の情報が少ない
- 外部操作不可: GAS などでデータソースを操作できない
- また、下記の制限事項があります。
- 利用制限:
- 組織の管理者によって無効化される可能性がある
- 小中高生向けの Workspace アカウントでは自動的に無効
- 上限:
- プランごとに、作成できるデータベースの数や、1つのデータベースに登録できる行の数に対して上限が設定されている
- 上限に達すると新規データ追加不可
- 無料プラン: 1人あたり最大5個まで、データベースあたり1,000行まで
- 有料プランでもデータベース数・行数に上限あり
- さらに、プランに関わらない技術的な制限が存在する
- データベースあたり 20 テーブルまで
- テーブルあたり 100 列まで
- 1つのセルに 2000文字まで(LongText 型の場合 5000 文字まで)
- また、開発が盛んに行われている機能であることから、既知の問題もあります。
- Lookup 列でのコピー&ペースト未対応
- グループ化とフィルタが一部の列型のみ対応
- Chromebook や Mac でスクロールバー非表示の可能性
データベース連携で広がる AppSheet の可能性
AppSheet は、Google スプレッドシート や Excel のような馴染みのあるツールから、MySQL や SQL Server といった本格的なデータベースまで、幅広いデータソースを活用できるノーコードプラットフォームです。
手軽に利用できる Google スプレッドシート や Excel は、小規模なアプリ開発やデータベース初心者に向いています。一方、既存の Excel データの活用や大規模なデータ処理が必要な場合は、それぞれ Excel や MySQL などのデータベースが適しています。
AppSheet では、これらのデータベースを連携させて、リレーション(関連付け)も視覚的に設定できます。これにより、複雑なデータ構造も簡単に表現でき、アプリの機能をさらに拡張できます。
また、AppSheet 独自のデータベースである AppSheet データベース (ASDB) は、AppSheet アプリとの親和性が高く、より優れたインターフェースとパフォーマンスを提供します。しかし、英語のみのエディタや情報不足といったデメリットも存在します。
AppSheet でデータベースを使いこなすことで、より高度なアプリ開発が可能になります。それぞれのデータベースの特徴を理解し、用途に合わせて適切なものを選択することで、AppSheet のポテンシャルを最大限に引き出しましょう。
AppSheet に関するサポート・ご相談は吉積情報まで。