Gemini for Google Workspace はプランによって制限値が存在する
Gemini for Google Workspace には4つのプランが存在します。そのうち、 Gemini Business というプランに1000回/ユーザー/月という制限が存在します。具体的に「どのような操作」に制限が発生するのかについては、次章で説明を行います。本章では、「 Gemini Business にはユーザー毎に利用回数が存在する」ということだけ覚えておいてください。
プラン
|
機能概要
|
利用回数制限
|
費用
|
AI Security
|
機密保持のためのAIによる自動ラベル付けに特化したプラン
|
なし
|
1,130円/ユーザー/月
|
AI Meetings and Messaging
|
Gemini in Google Meet / Chat に特化したプラン
|
なし
|
1,130円/ユーザー/月
|
Gemini Business
|
Gemini アプリやツール( Gmail や ドキュメント等)に組み込まれた Gemini を利用できるプラン
※ Gemini in Meet / Chat は利用不可
|
1,000回 / ユーザー /月
|
2,260円/ユーザー/月
※年間契約の場合
|
Gemini Enterprise
|
Gemini アプリやツール( Meet や Chat 、Gmail や ドキュメント等)に組み込まれた Gemini を利用できるプラン
※ Gemini Business の上位互換プランであり、 AI Security と AI Meetings and Messaging の提供機能も利用可能
|
なし
|
3,400円/ユーザー/月
※年間契約の場合
|
下の画像は、Gemini for Workspace のプラン比較をした表です。
詳しいプラン比較はこちらの記事を参考にしてください:【最新版】Gemini for Google Workspace の価格体系をまとめてみた
制限の対象となるのは「プロンプトの送信」
Gemini Business のユーザーに対して、制限がかかる操作は以下の通りです。各ツールに組み込まれた Gemini だけでなく、チャットアプリの Gemini のプロンプト送信に関しても制限の対象になります。
- Gemini in Gmail / スプレッドシート等に組み込まれた Gemini へのプロンプト送信
- Gemini アプリへのプロンプト送信
- Gemini によって生成された候補を承認
「生成された候補の承認」は何かというと、 Gemini がユーザーのサポート機会を検出すると、指示の候補をユーザーに提示します。ユーザーが候補を無視した場合、使用量に影響はありませんが、指示を受け入れた場合、使用量上限にカウントされることになります。
上限に達した場合、どのような状態になるのか
利用量の上限に達成した場合、対象にユーザーは以下のような状態になります。
- プロンプトが受け付けられなくなる
- 予測的な提案が行われなくなる
上限のリセットは毎月1日に実施されますが、仮にその月に使用量が余っていたとしても、余った分を来月に繰越することはできません。
使用量上限値に達した場合の対処法
Gemini Business ユーザーの使用量が上限値に達した場合、対象ユーザーのプランを上位互換版であるEnterpriseにアップグレードすることが解決策になります。全てのユーザーをアップグレードする必要はなく、利用量が多いユーザーのアカウントだけをアップグレードすることが可能です。
プラン
|
利用回数制限
|
費用
|
Gemini Business
|
1,000回 / ユーザー /月
|
2,260円/ユーザー/月
※年間契約の場合
|
Gemini Enterprise
|
なし
|
3,400円/ユーザー/月
※年間契約の場合
|
現状使用量のモニタリングを行うことはできない
現時点でのユーザーの使用量については、ユーザーに対して表示されることはありませんし、 Google Workspace の管理者からも状況を確認することはできません(2024/07/01現在)。ユーザーは使用量上限に達し、プロンプトが送信できなくなって初めて、利用制限が発生していることに気づくことができます。
コスト最適化には WorkAIzer(ワークアイザー) がオススメ
WorkAIzer は吉積情報株式会社が提供する法人向けAIチャットサービスです。 WorkAIzer は Google Workspace ユーザー向けに開発された「使いやすさ」と「セキュリティ」に特化した生成AIチャットサービスで、 Gemini だけでなく、 GPT-4 や Claude 等、複数の生成AIをサポートします。契約するお客様は利用するLLMと直接契約せずに、 WorkAIzer を通して、複数の生成AIを利用可能です。
WorkAIzer はユーザー・契約ドメイン単位で利用状況を可視化
Gemini では、ユーザーの利用状況が確認できない(2024/07/01現在)と説明しましたが、 WorkAIzerでは、ユーザー単位、契約ドメイン単位で利用状況を可視化できます。ユーザー自身が日・月単位でどの程度のプロンプトを利用しているのか客観的に感覚を掴むことができますし、利用量に無駄が発生しない運用を実現することができます。
WorkAIzer の管理者であれば、全体の使用量についても確認することができるため、利用量の傾向を分析した上で、アカウントの増減を定量的な判断で意思決定することができます。
Gemini アカウントとの併用が可能
WorkAIzer は、Google Workspace 認証基盤上で動作するサービスです。 Google Workspace アカウントがあれば、 Gemini と WorkAIzer 2つのサービスを併用することが可能です。併用と言っても、1人のユーザーが Gemini と WorkAIzer 2つを契約する必要はないと考えています。ユーザーのリテラリーによって、 Gemini か WorkAIzer どちらかを選択することを推奨しています。 WorkAIzer は「使いやすさ」と「セキュリティ」に特化した生成AIチャットサービスと説明しましたが、ユーザーが生成AIの使い方を学ぶ教育ツールであるとも考えています。
利用制限に達したらプラン変更を検討し、Gemini と併用可能な WorkAIzer でコスト最適化と業務効率化を実現しよう!
Gemini は現状では使用量のモニタリングを行うことができないため、ユーザーから使用量の上限に達したというアラートが上がってきたタイミングで、プランの見直しを検討しましょう。全ての Gemini ユーザーのプランをまとめてアップグレードする必要はないため、上限値を超過する傾向があるユーザーに絞ってプラン変更を実施します。
使用量を可視化し、コスト最適化を実施したい場合は WorkAIzer というサービスをオススメします。使用量が可視化されるため、契約者がコスト最適化を実施しやすいというメリットもありますが、本来生成AIを導入する本質的な目的である「業務効率化」「生産性向上」を達成するために必要になるユーザーのリテラシー、つまり「ユーザー自身が生成AIを使いこなすための教育」も実現できるサービスであると考えています。また、複数の生成AIを WorkAIzer だけの契約で利用できるのも、大きなメリットです。
Gemini と WorkAIzer、要件に応じてご検討いただけると幸いです。