Google Workspaceのエディションの種類
まずは、Google Workspaceのエディションについて、以下4種類を説明します。
- Business
- Enterprise
- Education
- Essentials
Business
Businessは、ユーザー数が1~300人の中小規模の企業向けに設計された生産性向上のためのエディションです。独自ドメインに対応したGmail・Google ドライブ・ドキュメント・カレンダー・Meetなど、日々の業務に必要な機能を利用できます。
BusinessエディションにはStarter・Standard・Plusなどのプランがあり、ストレージ容量や管理機能の違いがあります。コストを抑えつつ、セキュアで柔軟な業務環境を構築したい企業に適したエディションです。
Enterprise
Enterprise は、大企業や高度なセキュリティ要件を持つ組織に対応したエディションで、ユーザー数に制限がありません。Businessエディションの全機能に加え、データ損失防止(DLP)、エンタープライズ向けの監査ログ、S/MIME 暗号化、セキュリティセンターなどが備わっています。Google Workspaceのフル機能を使って、組織全体のIT統制や情報管理を強化したい場合に最適です。
Education
Educationは、所定の認可を受けた教育機関専用のエディションです。無料版の「Education Fundamentals」から、有料の「Education Standard」「Education Plus」まで複数のプランがあり、学習支援、共同作業、管理機能の強化などに対応しています。教育現場でのデジタル活用を支えるエディションです。
Essentials
Essentialsは、Gmail以外を使い続けたい企業向けに提供されるエディションです。Googleドライブ・ドキュメント・スプレッドシート・スライド、Google Meetなどの機能を利用可能ですが、Gmailは含まれていません。メーラーはすでに整っており、既存のインフラを活かしながら、Googleのクラウドサービスを柔軟に取り入れたい企業に適しているエディションです。
Google Workspace Businessエディションを比較
ここからは、Google Workspace Businessエディションのプランを比較していきましょう。
- Business Starter
- Business Standard
- Business Plus
Business Starter
Google Workspace Business Starterプランは、1人あたり30GBのクラウドストレージが提供される、コストを抑えた中小企業向けの基本プランです。
独自ドメインの Gmail・Google ドライブ・Meet(同時参加100人まで)・ドキュメント・カレンダーなど、業務に必要な基本機能が揃っており、少人数のチームでも円滑に共同作業が可能です。管理コンソールも利用でき、IT管理が初めての企業でも導入しやすい構成となっています。
Business Standard
Google Workspace Business Standardプランは、ユーザーあたり2TBのストレージが提供され、Business Starter よりも拡張された機能が特徴です。Google Meetでは最大150人まで参加可能で、録画機能も利用可能です。
また、ドライブでの共有やアクセス制御も柔軟に行えるため、チームでの大容量ファイルのやり取りや高度なコラボレーションにも対応しています。在宅・オフィスを問わず円滑に業務を進めたい企業におすすめです。
Business Plus
Google Workspace Business Plusプランは、1ユーザーあたり5TBのストレージが提供され、さらに高度な管理機能とセキュリティオプションを備えた上位プランです。Google Meetでは最大500人の会議に対応し、出欠レポートの取得も可能です。
また、Vault(データ保持・監査機能)やエンドポイント管理、2段階認証の強制など、情報管理・ガバナンス強化にも適しています。大規模なチームやセキュリティ意識の高い企業におすすめです。
Google Workspace Enterpriseエディションを比較
Google Workspace Enterpriseエディションのプランを比較していきましょう。
- Enterprise Standard
- Enterprise Plus
Enterprise Standard
Google Workspace Enterprise Standardプランは、無制限または柔軟なストレージに加え、エンタープライズレベルのセキュリティ機能と管理機能を備えたプランです。データ損失防止(DLP)、S/MIME 暗号化、セキュリティセンター、詳細な監査ログなど、情報漏洩対策や運用監視に対応しています。
Google Meet では最大500人までの会議が可能で、録画やノイズキャンセル機能も利用できます。高度なIT統制が求められる企業に最適なプランです。
Enterprise Plus
Google Workspace Enterprise Plusプランは、Enterprise Standard の機能に加え、より高度なセキュリティ・コンプライアンス機能を備えた最上位プランです。
高度なデータ保護・エンタープライズ情報ガバナンス(Vault の強化)・Context-Aware Access(状況に応じたアクセス制御)・Google Workspace Assured Controls(データ保管地域の制御)などに対応しています。金融・医療・法務など、高いコンプライアンスが求められる業界での利用にも適しています。
Google Workspace Educationエディションを比較
ここからは、Google Workspace Educationエディションのプランを比較していきましょう。
- Education Fundamentals
- Education Standard
- Education Plus
Education Fundamentals
Google Workspace Education Fundamentalsプランは、教育機関向けに無料で提供されるプランです。Google ドキュメント・Classroom・Meet・Gmailなどの基本ツールを活用し、学習・授業の効率化や共同作業の促進を支援します。安全性と使いやすさを兼ね備えた入門のためのプランです。
Education Standard
Google Workspace Education Standardプランは、Fundamentalsの機能に加え、脅威対策やデバイス管理など高度なセキュリティ機能を強化した有料プランです。IT 管理者向けの分析ツールも充実しており、教育機関の安全なデジタル運営をサポートします。
Education Plus
Google Workspace Education Plusプランは、Education シリーズの中で最も機能が充実した有料エディションです。高度なセキュリティ、分析、ライブ字幕などの拡張機能により、学習体験の質を高めるとともに、教育現場の運営効率も大きく向上させます。
Essential
Google Workspace Essential Editionは、既存のメール環境を維持しつつ、Googleドライブ、ドキュメント、Meetといったコラボレーションツールを利用できるプランです。チームでの共同作業やコミュニケーションを強化したい組織に適しています。
Google Workspaceエディションの選び方
ここまでGoogle Workspaceの各エディションを紹介してきました。ここからは、自社に適したエディションの選び方について紹介します。
- ストレージ容量
- ビデオ会議参加人数
- セキュリティ機能
- コスト対効果
- 生成AIの活用レベル
ストレージ容量
Google Workspaceを導入する際、業務で使用するファイル量やGoogleドライブの利用頻度に応じて、適切なストレージ容量を選ぶことが重要です。
例えば、テキスト中心の業務や小規模チームでは、1ユーザーあたり30GBの「Business Starter」でも十分でしょう。一方で、画像や動画、設計データなど大容量ファイルを頻繁に扱う業務では、2TB(Standard)や5TB(Plus)のプランが安心です。容量が不足すると業務効率にも影響するため、あらかじめ用途に応じた見極めが必要です。
大企業や部門数の多い組織では、個別のファイル使用量にバラつきがあることも多く、柔軟または無制限のストレージを選べる「Enterprise Standard」や「Enterprise Plus」がおすすめです。動画制作や開発関連など、継続的に大容量データを扱う業務では、ユーザーごとの上限があるプランでは対応しきれない場合があります。Enterprise エディションなら、組織全体のストレージニーズに合わせて調整できるため、業務継続性や将来の拡張にも強く、安心して活用できるでしょう
ビデオ会議参加人数
Google Meetの同時参加人数はエディションにより異なるため、業務の規模や会議の目的に応じたプラン選びが必要です。例えば「Business Starter」は最大100人、「Business Standard」は150人まで対応可能で、社内ミーティングやクライアントとの打ち合わせなど、日常的なビデオ会議には十分と言えます。さらに「Business Plus」では最大500人まで参加可能なため、部門をまたぐ会議や社内イベントにも対応しやすいです。
大規模なオンライン会議や全社集会、ウェビナーなどを開催する場合は、Google Meetの同時参加上限が多い「Enterprise」エディションがおすすめです。Enterprise Standardでは最大500人、Enterprise Plusでは最大1,000人が参加でき、録画や出欠レポート、ノイズキャンセル機能も利用できます。さらに、エンタープライズ コンテンツ配信ネットワークとしてGoogle Meetをライブ配信で、最大10万人に向けて公開できる機能も含まれており、規模の大きな社内外のイベントをオンラインでスムーズに実施できます。
セキュリティ機能
Google WorkspaceのBusinessエディションには基本的なセキュリティ機能が備わっており、ウイルススキャン、スパムフィルタ、2段階認証などを標準で利用できます。ただし、DLP(データ損失防止)や詳細な監査ログといった高度な管理機能は搭載されていません。一般的な業務利用や、比較的機密性の低い情報を扱う企業には十分対応できますが、セキュリティポリシーの強化が求められる環境では、上位プランの検討が必要です。
機密性の高い顧客情報や財務データを扱う企業には、Google Workspace Enterpriseエディションのような高度なセキュリティ機能が不可欠です。Enterprise StandardやPlusでは、DLP(データ損失防止)、S/MIMEによるメール暗号化、セキュリティセンター、コンテキストアウェアアクセスなどが備わっています。情報漏洩のリスクを最小限に抑えながら、安全かつ柔軟な働き方を実現でき、強固なITガバナンスが求められる企業におすすめです。
コスト対効果
Google WorkspaceのBusinessエディションは、利用頻度や必要な機能に応じて月額料金が異なります。小規模なチームや基本的な業務であれば、低価格なBusiness Starterプランでも問題ないでしょう。一方、ストレージ容量や会議参加人数、セキュリティ機能の充実を求めるなら、Business StandardやBusiness Plusを選択しましょう。自社の業務やポリシーに適したプランを見極めることが重要です。
大規模組織やセキュリティ要件が厳しい企業では、Enterpriseエディションがおすすめです。初期コストは高く感じるかもしれませんが、高度な管理機能や無制限ストレージ、柔軟なユーザー管理によって、情報漏洩リスクの軽減や業務効率の向上を期待できます。単純な月額料金だけでなく、総合的なコスト対効果を考慮して選ぶことが大切です。
生成AIの活用レベル
2025年1月より、Google Workspaceの主要プランに生成AI「Gemini」が統合され、プラン選びの基準が大きく変わりました。一番安価なプランでもAI機能は利用可能ですが、重要なのは「自社でどのレベルのAI活用を目指すか」です。
Business Standardプランでは、会議録画や文字起こしを活用し、実践的なAI活用が可能です。Business Plusでは、高度なAI機能と強固なセキュリティ機能「Vault」の両立が魅力です。Enterpriseエディションを導入すれば、最先端のAIモデルとデータ損失防止機能を活用し、経営戦略や自社内製アプリ開発を支援します。
AI活用の目的に応じて最適なプランを選び、未来へ投資しましょう。
Google Workspaceのエディション選びでお悩みなら吉積情報までご相談を
Google Workspaceは、Business StarterからEnterpriseまで多様なエディションが用意されているため、組織の規模やニーズに応じた最適なプラン選びが不可欠です。ストレージ容量・セキュリティ機能・ビデオ会議の参加人数など、各プランの特徴を比較し、自社の業務に合ったエディションを選び、効率的かつ安全にクラウド環境を構築しましょう。
2025年からは生成AI「Gemini」の活用レベルも選定ポイントに加わりました。Google Workspaceのエディション選びでお悩みの担当者様は、ぜひ吉積情報までお気軽にご相談ください。専門スタッフが最適なプラン選定をサポートします。
吉積情報が選ばれるのには「理由」があります。
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