何 芊慧

【Google Workspaceアップデート】セキュリティと利便性の両立へ!クライアントサイド暗号化ドキュメントで「提案」機能が利用可能に

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「クラウドの利便性は魅力だが、機密情報のセキュリティが心配…」

多くの人が抱えるこの課題に対し、Google Workspaceは「クライアントサイド暗号化(Client-Side Encryption, CSE)」という強力なセキュリティ機能を提供しています。そしてこの度、CSEで保護されたGoogleドキュメントにおいて、共同編集に不可欠な 「提案(Suggestions)」機能 が利用可能になるという、画期的なアップデートが発表されました。

これにより、厳格なセキュリティ水準を維持したまま、チームでの文書作成やレビューの効率を大幅に向上させることが可能になります。本記事では、このアップデートがもたらす価値と、あなたの活動にどのように貢献できるかをご紹介します。

※本記事に掲載している画像は、Geminiを使用して生成しています。

そもそも「クライアントサイド暗号化(CSE)」とは?

まず、クライアントサイド暗号化(CSE)について簡単に説明していきます。

通常のクラウドサービスでは、データはサービス提供者のサーバー上で暗号化されます。これも安全な方法ですが、サービス提供者(この場合はGoogle)は理論上、データにアクセスできる鍵を持っています。

【Google Workspaceアップデート】セキュリティと利便性の両立へ!クライアントサイド暗号化ドキュメントで「提案」機能が利用可能に‐記事用イメージ図1一方、CSEは ユーザー自身が管理する暗号鍵 を使用して、データがGoogleのサーバーに送信される「前」に、お使いのPC(クライアントサイド)で暗号化する仕組みです。具体的には、米国の政府標準でもある AES-256 という堅牢な暗号化方式が採用されており、第三者による解読は極めて困難です。

【Google Workspaceアップデート】セキュリティと利便性の両立へ!クライアントサイド暗号化ドキュメントで「提案」機能が利用可能に‐記事用イメージ図2これにより、Googleを含む外部の誰もがファイルの内容を解読できなくなります。つまり、知的財産、契約情報、個人情報といった最高機密のデータを、クラウド上で安全に取り扱うための非常に強固なソリューションの一つと言えるでしょう。

【Google Workspaceアップデート】セキュリティと利便性の両立へ!クライアントサイド暗号化ドキュメントで「提案」機能が利用可能に‐記事用イメージ図3

これまでの課題:セキュリティ強化に伴う利便性のトレードオフ

これまでのCSEには、一つだけ課題がありました。それは、セキュリティを極限まで高めるために、一部の便利な機能が制限されていたことです。

特に、複数人でドキュメントを編集する際に頻繁に使われる「 コメント 」 や 「 提案 」といった機能は、CSEが有効化されたドキュメントでは利用できませんでした。そのため、機密文書のレビューを行う際は、別途チャットツールを使ったり、オフラインで修正点を伝えたりする必要があり、スムーズな共同作業の妨げになることがありました。

今回GWSのアップデート:暗号化とワークフローの高いレベルで両立

【Google Workspaceアップデート】セキュリティと利便性の両立へ!クライアントサイド暗号化ドキュメントで「提案」機能が利用可能に‐記事用イメージ図4

スムーズな共同作業ができなかった課題を解決するのが、今回のアップデートです。今回のアップデートのリリースは2025年6月4日から段階的に開始され、全てのユーザーに表示されるまで最大15日かかる見込みになります。

CSEで保護されたGoogleドキュメント上で、ついに 「提案」機能がフルサポート されました。なお、「コメント」機能については、現時点ではサポートされていませんが、今後の機能拡張が期待されます。

これにより、以下のようなシームレスな編集ワークフローが実現します。

  • 機密情報を含むドラフトをCSEで暗号化して作成。
  • 共同編集者が、内容を直接編集するのではなく「提案」モードで修正案を書き込む。
  • 元の作成者は、その提案を一つひとつ確認し、「承認」または「拒否」を選択する。

この一連の作業が、 暗号化によってデータが完全に保護された状態 で行えるのです。セキュリティのために、もう使い慣れた便利なワークフローを諦める必要はありません。

参考リンク
Google Workspace Updates (2025年6月4日付)https://workspaceupdates.googleblog.com/2025/06/use-suggestions-in-client-side-encrypted-google-docs.html

想定される活用シーン

このアップデートにより、特に以下のようなシーンでのGoogle Workspaceの活用がさらに加速します。

  • 法務・コンプライアンス: 契約書、法的文書、各種規定のレビュー
  • 研究開発: 特許情報、研究データ、新製品の仕様書の共同執筆
  • ビジネス・財務: M&A関連情報、未公開の財務データ、議事録の共有
  • 人事・総務: 個人情報を含むデータの取り扱いや評価文書の作成
  • 個人・フリーランス: クライアントとの契約書や機密情報のやり取り

まとめ:進化を続けるGoogle Workspaceで、未来の働き方を

今回のアップデート は、Google Workspaceが単なるツール提供者ではなく、生産性とセキュリティを両立させるためのパートナーとして、常に進化し続けていることの証左です。

セキュリティは、もはやビジネスの成長を妨げる「ブレーキ」ではありません。適切なツールと運用によって、むしろ競争力を高める「アクセル」となり得るでしょう。

大切な情報資産を守り、さらなる成功を加速させるために。

「Google Workspaceの安全性について、より詳しく知りたい」

「自分の環境でどのように活用できるか相談したい」

「Google Workspaceのライセンス体系や導入プロセスを知りたい」

このようなご要望がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。 Google Workspaceの正規パートナーとして、あなたのビジネスや活動に最適なソリューションをご提案いたします。

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吉積情報株式会社 セールスマーケティング部。AIを活用した新しい挑戦を楽しんでいます!
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