新しい開発スタイル?「バイブコーディング」とは?
さて、プログラミング経験のない私が、どうやってアプリのアイデアを形にできたのか。それはGeminiアプリのおかげなのですが、その開発体験は、従来のコードを一行一行書くようなものとは全く異なる、もっと直感的で感覚的なものでした。
近年では、人が生成AIに対し自然言語でソースコードを書くよう指示し、コードを生成する「バイブコーディング」と呼ばれるソフトウエアの開発手法が普及し始めているそうです。ITリテラシーが高くない人でも、プログラミングの知識が全くない人でも、誰でも簡単に試すことができます。
私が体験したGemini 2.5 Proでのアプリ作成は、まさにこの「バイブコーディング」そのものでした。頭の中にある「こんな感じのアプリがいいな」「ユーザーがこんな風に楽しめたらいいな」というイメージを言葉で伝えると、Geminiが具体的な機能やデザインとして提案してくれるのです。
今回は「Gemini利活用アイデア共有アプリ」をGemini 2.5 Proで作成したいと思います。
「Gemini利活用アイデア共有アプリ」の概要
今回目指したのは、その名の通り「Geminiの様々な使い方や便利なアイデアを、ユーザー同士で手軽に共有できる」アプリです。
高性能なAIであるGeminiへの注目が高まる一方で、Geminiの活用法に悩む方や、アイデア共有の場を求めるお客様の声をよく耳にします。そこで、「Gemini 利活用 共有」をテーマにしてみました。
具体的には、以下のような機能を想定しました。
- アイデア投稿機能: Geminiの活用アイデアをテキストで投稿できる。
- カテゴリー分類機能: 「仕事効率化」「日常生活」「クリエイティブ」など、アイデアをカテゴリー別に分類・検索できる。
- いいね・コメント機能: 他のユーザーのアイデアに対して、共感を示したり、意見交換をしたりできる。
- お気に入り登録機能: 気になったアイデアを保存しておける。
本当にエンジニアじゃなくても作れるの?
ここからは、実際にGeminiアプリを使って開発を進めた過程をご紹介します。
1.Geminiアプリへの指示出し
Geminiの2.5Proのモデル、かつCanvasを活用します。
以下のプロンプトを指示します。
指示したプロンプト
None Geminiの利活用投稿アプリを作成したい。コードを作成して。
## アプリでできること
・気軽にアイデアを投稿できる
・新着の投稿はすぐにわかるような画面設計にしてほしい
・いい投稿にはいいねができる
・投稿にはメンバーが返信できる
・メンバーが投稿するものとは別に管理者が情報発信するエリアが分かれている
・学習ではなく情報共有を楽しむようなPlatformにしたい
・。「おすすめプロンプト」というカテゴリを設け、そのカテゴリの投稿にアクセスしやすくする機能がほしい
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2.Geminiからの提案と調整
私の指示に対して、Geminiはアプリの基本的な構造や必要な機能について提案をしてくれました。
はい、承知いたしました。「Gemini利活用投稿アプリ」のプロトタイプを作成しますね。
このアプリでは、以下の機能を実現するReactコンポーネントを作成します。
- アイデア投稿フォーム: ユーザーが新しいアイデアを投稿できます。
- アイデアフィード: 投稿されたアイデアが新着順に表示されます。
- いいね機能: 各投稿に「いいね!」ボタンが付き、クリックでカウントが増えます。
- 返信機能: 各投稿に返信フォームがあり、コメントを追加できます。
- 管理者お知らせエリア: 通常の投稿とは別に、管理者からのお知らせを表示する専用のセクションを設けます。
まずはフロントエンドの骨組みとして、ReactとTailwind CSSを使ったUIを作成します。データの保存やユーザー認証といったバックエンド機能は含みませんが、アプリの見た目や基本的な操作感を体験できるようにします。[以下略...]
色のイメージが合わない、思ったような挙動をしない場合には、気になる点を箇条書きで提示することで、瞬時に修正を行ってくれます。こちらの指示が曖昧な場合には、意図しない修正が行われる可能性もあるので注意が必要です。
3.画面デザインや機能の実装(Gemini任せ!)
以下の画像の通り、画面のデザインや細かい機能の実装についても、ほとんどGeminiが自動で生成してくれました。
Canvasを活用することで、コードとプレビューを行ったり来たりすることができます。コード修正した場合は、即時プレビューに反映します。


4.完成までの時間
どんなアプリを作成するのか、ざっくりとした機能概要の検討を含めても、基本的な画面と主要機能のプロトタイプが形になるまで本当に10分程度でした。 もちろん、ここから細かいデザイン調整や、もしバックエンド連携が必要ならその作業時間は別途かかりますが、アイデアを即座に目に見える形にできるスピード感にはただただ驚くばかりです。
Geminiアプリでアプリを作ってみた総合的な感想
今回、Gemini 2.5 ProとCanvasを使って初めて本格的なアプリ作成に挑戦してきました。今回の10分でできたのは、あくまでフロントエンドのプロトタイプです。実際に多くのユーザーに使ってもらうアプリにするには、データの保存場所(バックエンド)の準備や、ユーザー登録機能、セキュリティ対策など、さらに多くの作業が必要になります。しかし、その第一歩である「アイデアの具現化」がこれほど手軽にできるようになったこと、コードの生成が可能になったことは、大きな進歩だと感じます。従来のプログラミング学習のハードルを高く感じることなく、自分の「作りたい!」という思いを自然言語で表現して開発できる「バイブコーディング」の可能性に、大きな期待を感じています。
Geminiと共に広がる可能性
本記事では、プログラミングの専門知識を持たない私が、実際にGoogleのGeminiアプリを活用して「Gemini利活用アイデア共有アプリ」を開発した詳細なプロセスと、その過程で体験した革新的な開発手法である「バイブコーディング」について、くわしく解説しました。
これまで「アプリを作ってみたい」という願望をもちながらも、「プログラミングは複雑で難解だ」という固定観念から一歩を踏み出せなかった方々にとって、この記事が大きなきっかけとなれば幸いです。Geminiアプリを使えば、まるで会話をするようにAIに指示を出すだけで、思い描いたアプリのアイデアを形にすることができます。ぜひ一度、Geminiアプリを試して、その可能性を実感してみてください。