南恵里

組織の情報共有はマイドライブでは限界?共有ドライブの活用と管理の最適化

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Google Workspaceの共有ドライブは、組織内での情報共有や共同作業を効率化するツールです。一方で「十分に活用できていない」といった声も耳にします。また、マイドライブ利用が中心だった組織において、組織全体で共有ドライブを活用する体制へと切り替える際の運用や、その後の定着に対する不安も少なくありません。

そこで本記事では、共有ドライブの活用が進んでいない、これから進めたいと考えている企業向けに、Google Workspaceの共有ドライブの利用によるメリット、スムーズな移行方法、活用を最適化するための注意点、などのヒントをご紹介します。

 

なぜ「共有ドライブ」なのか?マイドライブの限界と組織利用のメリット

「マイドライブ」と「共有ドライブ」の違いをご存じでしょうか?まずはそれぞれの特徴を見ていきましょう。そして、組織として共有ドライブの活用が推奨される理由、その優位性について確認していきましょう。

 

  • マイドライブの特徴:
        • 所有権: ファイルやフォルダは、作成した個人の所有物です。
        • 情報管理: 個人の管理に依存するため、退職や異動でファイルが埋もれる可能性があります。
        • 共有設定: 個人単位での自由設定が可能である反面、組織全体での情報アクセスを正確に統制するのは困難です。

  • 共有ドライブの特徴:
        • 所有権: ファイルやフォルダの所有権は組織に帰属します。個人のアカウント状況に影響されません。
        • 情報管理: 組織で一元的に管理でき、アクセス権限も統一された方針で設定できます。
        • 継続性・透明性: メンバーが変わっても情報の継続利用が可能で、誰がどのようにアクセスできるかも明確です。

共有ドライブはファイルの所有権が組織に帰属するため、メンバーの退職があった場合でも、情報管理に影響がなくなります。また、共有ドライブメンバーの権限を適切に管理することで、どのメンバーがどのような権限を持っているのかが明確に見える化されるため、アクセス権限の透明性が高まります。
組織全体の情報を安全に管理・活用するためには、マイドライブから共有ドライブへの移行が有効です。

マイドライブから共有ドライブへ移行のステップとポイント

共有ドライブのメリットを理解しても、実際の移行には設計やスケジュールの準備は大変です。
本章では、共有ドライブへの移行をスムーズに行うためのステップとポイントを解説します。

移行のステップ

    1. マイドライブの利用状況の把握:マイドライブの権限の可視化は難しいかもしれませんが、関係者へのヒアリングや協力を得ることで、ある程度の状況を把握することが可能です。例えば、主要なフォルダ構成やファイルの種類、社外共有されているファイルなどを確認しましょう。
    2. 共有ドライブの設計:フォルダ構成や命名規則、セキュリティポリシーに基づいて共有ドライブを設計します。まずは社内の移行を完了させ、その次に社外共有データの移行計画を立てます。
    3. スモールスタート: まずは一部署で試し、得られた課題を改善していきます。
    4. アクティブなファイルから移行 :「現在進行中のプロジェクト」など、アクティブな定義を明確にし、アクティブなファイルから移行しましょう。

移行のポイント

    • 不要ファイルの棚卸し:移行前に、各自がマイドライブ内の不要なファイルを削除や整理するように促しましょう。
    • フォルダの移動:移動する際には、ユーザーがフォルダの「管理者」権限を持っている必要があります。ファイルのみを移動する場合でも、「投稿者」以上の権限が必要です。
    • 共有ドライブの制限:共有ドライブにはいくつかの制限があります。具体的には、アイテム数(最大50万個)、フォルダ階層(最大20階層)、1日のアップロード上限(ユーザーあたり750GB)などです。これらの制限も考慮に入れて計画を立てましょう。
    • 社外共有の取り扱い:マイドライブで設定されていた社外共有が、共有ドライブへの移行時に意図せず解除されたり、逆に不要な共有が残ったりする可能性があります。

 

共有ドライブ運用開始後の課題と対策

共有ドライブへの移行後も新たな課題に直面することがあります。これまでの経験から主な課題をピックアップしましたので、これらを参考に、事前に備えてみてはいかがでしょうか?

主な課題

    • ドライブの乱立:明確なルールがないと、どの部署がどんなドライブを作成したのか分からなくなり、情報がうまく共有されない恐れがあります。
    • 権限の不統一:利用者が権限を十分に理解していないと、誰でも自由にアクセスできる状況が生まれ、情報漏洩のリスクが高まります。
    • 外部共有のリスク管理不足:外部とのファイル共有が適切に管理されないと、大切な情報が意図せず共有されてしまうことがあります。

重要なのは、これらの課題を認識し、未然に防ぐための仕組みや、発生してしまった場合に迅速に対応できる体制を整えておくことが重要です。

 共有ドライブマネージャーで運用課題を解決

共有ドライブは、組織全体での情報共有を合理化するツールですが、実際の運用においては「共有ドライブの利用状況が一覧で見られない」ため、状況把握に時間がかかります。また権限更新も数が多ければ多いほど、この作業は面倒です。 Google Workspaceの管理コンソールでは、1つずつしか権限を変更できません。

そこでおすすめなのが、当社が開発・運用している「共有ドライブマネージャー」です。共有ドライブマネージャーは、企業がGoogleの共有ドライブを効率的に管理できるよう支援するサービスです。機能として、共有ドライブの権限一覧のデータ出力、作成・削除の申請フロー、棚卸し、一括権限変更まで、多くの機能で共有ドライブの円滑な管理を支援します。

 

機能1:共有ドライブの利用状況を可視化

共有ドライブの利用状況を一覧で可視化、またはCSVで出力することができます。共有ユーザの一覧(メールアドレス・権限)やファイル・フォルダの最終更新日など20項目を取得することができます。

共有ドライブマネージャーの「共有ドライブ管理」画面イメージ:

 

機能2:共有ドライブの権限を一括更新

既存の共有ドライブに対して、CSVで権限を一括更新する機能が備わっています。

機能3:共有ドライブの作成・削除のワークフロー

共有ドライブの作成申請・削除申請機能が備わっています。管理者はこの機能を利用することで、ユーザーに共有ドライブの作成・削除申請を強制することができます。これにより、管理者の承認がない限り、ユーザーは共有ドライブを作成・削除することはできません。

共有ドライブマネージャーは共有ドライブの管理に特化したサービスです。
共有ドライブの運用はGoogle Workspaceのユーザー数やセキュリティポリシーによって変わってくるため、要件に応じてサービスを選択することをおすすめします。

まとめ

本記事では、Google Workspaceの共有ドライブへのスムーズな移行方法、活用を最適化するための注意点、そして管理負担を軽減しつつセキュリティを確保するための実践的な対策について解説しました。

共有ドライブって便利とは思うものの、移行や日々の管理には悩みも多いと思います。
今回、ご紹介した移行のコツや運用ポイントが少しでもヒントになると嬉しいです。

吉積情報では、GoogleドライブをはじめとするGoogle Workspaceの導入・活用支援を通じて、皆様の業務フロー改善・カルチャー変革をサポートいたします。ご興味をお持ちいただけましたら、どうぞお気軽にお声がけください。

 

 

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