Gemの活用で業務はどう変わる?
Gemは、特定のタスクに関するノウハウや指示を「プロンプト」という形で保存でき、何度も同じプロンプトを入力する手間が省けるため、普段から業務効率化に役立っています。
参考記事:Gemini AppでGemを使用する
https://support.google.com/gemini/answer/15146780
しかし、個人での利用には限界があり、Gemの精度やパフォーマンスを継続的に高めていくためには、試行錯誤を繰り返す必要がありました。
今回の共有機能のアップデートは、まさにチーム全体の知識共有と共同編集を加速させるものでした。特定の個人が持つ専門知識をGemを通してチーム全体で共有し、複数のメンバーで共同編集することで、より質の高いGemを素早く作成することが可能になります。これは、個人の知恵とチームの力を結集し、AIを「育成」するという新たなフェーズを意味するものであり、その効果は非常に大きいと言えるでしょう。
-1.png?width=859&height=480&name=unnamed%20(98)-1.png)
関連記事:AIが社内情報を「使える知識」に変える!NotebookLM+Googleドライブ連携とは
それでは、Gem共有の機能を試していきましょう。
【実践】Gemの共有&共同編集
1. Gemを共有する
Gemの共有は、普段から使い慣れているGoogle ドライブのファイル共有と同じような手順で簡単に行えます。
参考記事
Gem共有をオンまたはオフにする - Google Workspace管理ヘルプ
https://support.google.com/a/answer/16460551
STEP 1: Gemを作成
まず、Gemを作成して保存すると、共有の選択肢が表示されます。 なお、Gemの共有機能を利用するには、GeminiがGoogle Workspaceアカウントに接続されている必要があります 。
-1.png?width=1269&height=1017&name=unnamed%20(99)-1.png)
同時に、Googleドライブにも「Gemini Gems」というフォルダが自動的に作成されます。


マイドライブを見ると、新しく「Gemini Gems」フォルダができています。中に入ると、作成したGemがファイルとして保存されていました。これは、Gemが他のドキュメントファイルと同様に管理できることを意味しており、直感的な仕様です。
STEP 2: 共有設定
「 Gemを作成しました」のダイアログから「共有」を選択します。すると、共有設定画面が表示されます。
また、マイドライブの「Gemini Gems」フォルダからも共有設定の操作が可能です。該当のGemファイルを右クリックし、「共有」を選択すれば、Googleドライブの共有機能と同様の手順で共有設定を行えます。

STEP 3: 権限を設定して共有
ここで、共有したい相手のメールアドレスを入力し、権限を「閲覧者」か「編集者」から選びます。
-1.png?width=505&height=344&name=unnamed%20(100)-1.png)

アクセス権の制御も、他のGoogleドライブファイルと同様に細かく設定できます。
今回はチームメンバーと共同でGemを改良することを目的としていたため、全員に「編集者」権限を付与しました。
これで共有は完了です!共有されたメンバーのドライブにも同じファイルが表示され、すぐにGemへのアクセスが可能になります。
2. 社内で共同編集してみた
今回は、チームメンバーのAさんとBさんと私の3人で、「議事録要点まとめ」というGemを共同で編集してみることにしました。
私が最初に作ったGemのプロンプトは、シンプルに「議事録の要点をまとめてください」というものでした。しかし、これだけでは重要なポイントが抜け落ちてしまうことがありました。そこで、このGemを共有し、チームのメンバーにブラッシュアップを依頼しました。
まず、Aさんが「議事録の要点」をもっと具体的にAIに指示するよう、プロンプトを修正してくれました。
【修正前】
「議事録の要点をまとめてください。」

【Aさん修正】
「会議の目的、決定事項、タスク、担当者を箇条書きで分かりやすく抽出してください。」

この修正によって、Gemはただ要約するだけでなく、会議の重要項目を正確に把握して出力してくれるようになりました。
共同編集によって、Gemのバージョン管理も自然に行われます。誰がいつどのような修正を加えたのかを把握しやすくなるため、安心してブラッシュアップを重ねられるのです。

Gemのバージョン履歴を確認することで、以前のバージョンをダウンロードしたり、新しいバージョンとしてアップロードしたりすることも可能です。これにより、誤って重要なプロンプトを削除してしまった場合でも復元でき、常に最新かつ最適なGemを維持できます。
続けて、Bさんが「議事録の要約をメール文として作成する」という新しい指示を追加してくれました。
【修正前】
「会議の目的、決定事項、タスク、担当者を箇条書きで分かりやすく抽出してください。」
【Bさん修正】
「会議の目的、決定事項、タスク、担当者を箇条書きで分かりやすく抽出してください。そして議事録の要約をメール文として作成してください。」

【完成版のお試し】

複数人の視点が加わることで、短時間で一人では思いつきにくい、 より多角的な視点を取り入れた高性能なGem が完成しました。チームでAIを育成する体験と言えるでしょう。
まとめ
Gemの共有機能は、個人の生産性を高めるだけでなく、 チームでの協業にAIをシームレスに取り入れることを可能にする、画期的なアップデートだと感じました。
なお、Gemの共有範囲はGoogleドライブの共有設定に準拠するため、Google Workspaceの管理者設定で許可されていれば、社外のユーザーとも共有が可能です。Google Workspaceをご利用の企業の方は、ぜひ社内でGemを共有して、業務効率化を推進してみてください。
吉積情報では、Google WorkspaceとAIの力を活用し、お客様の業務を加速させるため、Geminiの導入・活用を支援するプログラム 「AI Driven」 を提供しています。
組織のAI導入・定着・活用による業務改善にご興味がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。