Googleドライブ活用が進まない理由とは？セキュリティと利便性のジレンマをどう解くか

Google Workspaceの共有ドライブは、社内の情報共有やコラボレーションを効率化する非常に便利なツールです。例えば、議事録や提案書など、チームで使う資料を共有ドライブに保存しておけば、誰でも最新版にアクセスできます。また、編集履歴が残るので、誰がいつどこを変更したのかも一目瞭然です。これは、働き方改革やリモートワークの推進といった現代の業務ニーズにも合致しています。

しかし、実際の現場では「共有ドライブを使いこなせていない」と感じている情報システム担当者も少なくありません。その大きな要因の一つが、「Googleアカウントを持たない相手との社外共有」という壁です。

「Googleドライブの設定ポリシー上、社外共有は禁止している」
「共有ドライブは便利だけど、社外メンバーとの一時的な共有ができずに結局別のストレージで運用している」

こうしたセキュリティと利便性のジレンマに直面し、利活用の足踏みが続いているケースがよく見られます。
本記事では、Google ドライブを取り巻く共有の課題と、その現実的な打ち手について解説します。

社外共有に立ちはだかる“Googleアカウント”の壁

Googleドライブの共有機能は非常に強力で、社内外のコラボレーションを加速させることができます。ただし、基本的には「相手がGoogleアカウントを保有していること」を前提とした設計で、とくに企業利用においては、この点が社外共有の障壁になることがあります。

Googleアカウントをもっていない相手にも共有できる「ビジター共有（Visitor sharing）」という仕組みも提供されています。対象者はアクセス時にメールアドレスを入力し、ワンタイムパスコード（確認コード）を用いて本人確認を行います。

これにより、Googleアカウントをもたない社外パートナーにも一時的にコンテンツを共有できますが、次のような制限や運用上の懸念があります。

しかし、便利な反面、ビジター共有には次のような制限や運用上の懸念があります。

- 組織によってはセキュリティ上の理由から、ビジター共有機能自体を無効化している場合がある（ポリシー制限）。
- アクセス権の手動管理が必要になるため、誰がどのファイルにアクセスできるのか、管理が煩雑になりがち。
- アクセス権の状況把握に時間と手間がかかり、担当者の負担が増加する。

そのため「一時的に共有したい」「確認コード方式で共有したい」というニーズはあるものの、セキュリティや監査要件に厳しい企業では採用に踏み切れないケースが多いのが実態です。

具体的には、以下のような場面で共有が滞ることがあります。

- セキュリティ上の理由からビジター共有が使えない。
- 内部のポリシーで「外部共有は禁止」となっているため、ビジター共有を利用できない。
- Googleアカウントがあるのが一番だが、一時的な資料共有のために先方にGoogleアカウント作成を依頼するのは現実的ではない。

このような理由から、別のファイル転送手段を使って共有せざるを得ないケースが日常的に発生し、結果的にGoogleドライブの活用は部分的なものに留まり、情報資産が社内外に分散していくという新たな課題が発生しています。

別のストレージ利用に潜むリスクと課題

Googleドライブで共有できないからといって、別サービスなどを併用する企業も少なくありません。
一見、柔軟な運用のようですが、実は次のような問題も発生します。

管理対象が複数に分かれ、ログ取得や監査が煩雑になる。
ユーザーごとに異なる使い方が発生し、誤操作のリスクが高まる。
情報が散在し、統合的なガバナンスが効かなくなる。

つまり「セキュリティを守るために別の手段を取った結果、別の統制リスクを抱える」構図になってしまうのです。
情報システム部門としても「Googleドライブで完結させたい」「なるべくシンプルな構成にしたい」という思いがありながら、実現手段が見つからず苦慮しているという声が多く聞かれます。

セキュリティと柔軟性の両立を実現する新たなアプローチ

ここで、あらためて問い直したいのが「Google Workspace のセキュリティレベルを維持したまま、社外とも柔軟に共有する方法はあるのか？」という点です。その答えとなるのが、「共有の仕組みだけを外部から補完する」という発想です。つまり、Googleドライブそのものの設定やポリシーは変更せず、共有だけを別のレイヤー（階層）で制御する仕組みを導入します。

では、具体的にどのような方法があるのでしょうか？

当社が開発・運用を行っている「Cmosy（クモシィ）」というサービスがあります。CmosyはGoogle Workspace ユーザー向けのファイル共有サービスで、Google Workspaceのセキュリティポリシーを保持した状態で社外へのファイル共有を実現します。直接共有することができないGoogleドライブのファイルでも、API （アプリケーション連携の仕組み）を利用して特別な領域に一時的に保存することで社外に共有できます。

Cmosyの機能のなかでも「共有便（V2）」を利用することによって、Googleアカウントをもたない相手との社外共有を安全に実現できます。「Cmosy 共有便（V2）」は、以下のような柔軟な共有を実現します。

共有ドライブ／フォルダ／ファイルを期限付きで社外共有できる。
許可ドメイン制御できる（あらかじめ許可したドメインのメールアドレスを持つユーザーにのみ共有を許可する機能）。
Google アカウントを持たない相手（ビジター共有）にも共有可能。意図しない外部での共有の検知と自動権限剥奪機能でセキュリティを担保できる。
共有状況はログとして記録され、管理者がすぐ確認できる。

このように、Googleドライブの設定はそのままに、共有だけを安全に制御するレイヤーを導入することで、セキュリティと利便性のバランスが取れた運用が可能になります。

Googleドライブを最大限に活用するために

Googleドライブは、社内の情報共有やチームコラボレーションにとって非常に優れた基盤です。その強みを活かしながら、「社外とのつながり」を補完する仕組みをくわえることで、ファイル共有の断絶をなくし、業務のスピードと統制を両立することができます。

Cmosyは、まさにその役割を担う“補完的な共有レイヤー”です。「設定を変えずに、使い勝手だけを広げたい」という企業にこそ、フィットするソリューションです。

例えば、ある企業では、Cmosyを導入したことで、従来ファイル転送サービスに頼っていた社外とのやり取りがスムーズになり、業務効率が大幅に向上しました。また、情報漏洩のリスクも軽減され、安全な情報管理体制を構築できています。

まとめ

本記事では、Google Workspaceの共有ドライブが持つ優れた機能性と、それをさらに発展させ、社外との情報共有をよりスムーズに行うためのヒントについて解説しました。

共有ドライブは日々の業務に欠かせないツールですが、とくにGoogleアカウントのない社外の方との連携においては、運用上の工夫が一層求められることがあります。セキュリティを確保しながら、誰もがアクセスしやすい環境を整えることは、多くの企業にとって大切なテーマです。

そこで、Googleドライブの信頼性や既存のセキュリティポリシーを大切にしながら、共有の利便性をさらに高めるため外部サービスと連携するというアプローチをご紹介しました。「Cmosy」のようなファイル共有サービスは、その一例として、Googleアカウントの有無に関わらず、期限付き共有やアクセス管理といった必要な機能を備えつつ、社外とのセキュアで柔軟な共同編集をサポートします。

Googleドライブという強力なプラットフォームを軸に、こうした補完的な仕組みを組み合わせることで、企業はセキュリティと利便性の調和を実現し、社内外とのコラボレーションを加速させることができます。

まずは無料トライアルで、Cmosyが貴社の運用にどうフィットするかをぜひご体感ください。