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Rina Okumura

デザイナーのためのNotebookLM活用術─法的リスクの一次確認を効率化

デザイナーのためのNotebookLM活用術─法的リスクの一次確認を効率化

LPやバナー、パッケージの制作中、クライアントから「もっとインパクトを出して!『絶対に痩せる!業界No.1!』って大きく入れてよ!」などと要望されたことはありませんか?

※客観的根拠のない「No.1」表記は景表法に抵触する恐れがあります。

デザイナーなら誰しも、「これ、景品表示法(景表法)的にアウトなのでは…?」とヒヤッとした経験があるはずです。魅力的なデザインやコピーを作りたい一方で、「優良誤認」や「有利誤認」といった法的リスクもあります。

本記事では、GoogleのAIツール「NotebookLM」を活用し、デザイナーの制作業務における法的リスクの一次確認を効率化する方法を解説します。

NotebookLMとは?

NotebookLMは、Googleが提供するAIノートブック(AIアシスタント)です。最大の特徴は、ユーザーが指定した資料(PDF、テキスト、Webサイトなど)を情報源(ソース)としてノートブックにまとめ、それらを参照して回答を生成する点にあります。一般的な生成AIよりも、情報の出どころが明確な回答を得意としています。

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ChatGPTやGeminiアプリではなく「NotebookLM」を使うべき理由

法律やルールの確認において、一般的な生成AIには「ハルシネーション(事実に基づかない情報の生成)」というリスクがあります。

一般的な生成AIは、膨大な学習データから「次に続く確率が高い言葉」を予測して文章を生成する仕組みです。そのため、根拠となる情報が不足している場合でも、もっともらしい文章を生成してしまい、結果として事実と異なる内容(ハルシネーション)を作り出してしまうことがあります。

一方、NotebookLMは、回答の根拠をアップロードされた資料のみに限定する「グラウンディング」という仕組みを採用しています。

NotebookLMの強みは、回答の根拠を「ユーザーが指定した情報源」に限定できる点です。手元のPDFやドキュメントをアップロードできるのはもちろん、必要に応じてWeb上の情報や検索結果をソースとしてノートブックに追加することも可能です。これにより、最新のWeb情報を活用しつつも、AIが勝手な推測を混ぜ込むハルシネーションのリスクを大幅に抑えることができます。

NotebookLMが法務チェックに向いている理由は以下の通りです。

特徴 一般的な生成AI NotebookLM
情報ソース AI自身の膨大な学習済みデータ、プロンプト(入力内容)、必要に応じたWeb検索情報など ユーザーがノートブックに追加した資料(アップロードしたファイルや、検索機能等でWebから収集した情報源)を最優先の根拠とする
信頼性 ハルシネーションを起こす可能性がある 提供された資料を根拠とするため、ハルシネーションのリスクが大幅に抑えられている
※ソース自体の誤りや解釈ミスによるリスクは残る
引用元 デフォルト設定ではソースが不明瞭な場合がある 回答の根拠となった資料の該当箇所(参照元)をピンポイントで明示できる

NotebookLMで実際に「景表法チェッカー」を作ってみた

NotebookLMを活用して法的チェックを行う3つのステップです。

信頼できるソース(資料)を読み込ませる

  • 消費者庁のガイドライン:「景品表示法関係ガイドライン」などのPDFやWebページURL。

  • 社内レギュレーション:自社の「広告表現ルール」や「過去の修正事例」。

  • 法務指摘のリテイク履歴:過去に実際にNGが出た表現とその理由。

    「ソースを追加」を押して、資料を読み込ませます。

「ソースを追加」を押して、資料を読み込ませます。

【実際に読み込ませたソース】

制作中のコピーや表現について相談する

作成したノートブックに対して、具体的に質問を投げかけます。

プロンプト例:
「ソースにアップした「test-banner.png」の問題点を、別途アップしたガイドラインに照らし合わせて問題点を教えて」※test-banner.pngはこの記事のために作成したダミーです。

根拠付きの回答と代替案をもらう

広告表現チェック

NotebookLMはアップロードしたガイドラインをもとに問題点を回答してくれます。さらに「代わりにリスクの低い表現案を3つ出して」と依頼することで、クリエイティブを止めずに修正が可能です。

表現案

【補足】Geminiアプリを使用して確認することも可能です。

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今回、チェック対象であるバナーもソースとしてNotebookLMにアップロードしましたが、今後ガイドラインのチェックに使用する際に、このバナーもソースとして存在していると、回答にノイズが混ざる(ハルシネーションを起こす)原因になる可能性があります。そのため、ソースとしてアップロードした場合は、使用後削除することをおすすめします

NotebookLMはGeminiアプリのように「チャット欄(入力ボックス)に直接画像をポンと貼り付ける」というUIではありません。

手軽さやスピードを重視して単発のチェックをしたい場合はGeminiアプリを活用することも可能です。

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Geminiアプリでもチェックができました。

景表法以外にも広がる活用シーン

デザイナーが直面する他のルール確認にもNotebookLMは有効です。

  1. 医薬品医療機器等法(薬機法):化粧品や健康食品の効能表現のチェックに。

  2. 著作権・利用規約:素材サイトの利用規約やフォントのライセンス規定を読み込ませ、商用利用の可否を瞬時に判断。

  3. ブランドガイドライン:クライアントから共有された複雑なブランドルール(ロゴのアイソレーション、フォント指定)の検索に。

注意点:AIはあくまで「優秀なアシスタント」

NotebookLMは、根拠資料に基づいた迅速な一次確認をサポートしてくれますが、以下の点に注意が必要です。

  • 最終判断は人間が行う:AIは法的アドバイスを提供するものではありません。

  • 一次スクリーニングとして活用:「法務に出す前の精度を上げる」「明らかな地雷を避ける」用途に最適です。

  • 最終確認は専門家へ:リスクを軽減した上で、最終的には法務担当者や専門家の確認を受けるフローを推奨します。

まとめ

デザイナーの本来の役割は、クリエイティブを通じてユーザーに価値を届けることです。景表法などの守らなくてはいけない複雑なルール確認をNotebookLMに任せることで、制作のスピードと安全性を両立させることができます。ぜひ、あなた専用の「法務アシスタント」を構築してみてください。

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Rina Okumura
Rina Okumura
吉積情報株式会社 マーケティング部。Google WorkspaceとGeminiの恩恵を日々受けているデザイナー。
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