Gemini は 全ての Google Workspace ユーザーが利用可能に
現在、Gemini は全ての Google Workspace ユーザーが利用することができます。これまで一部のユーザーに限られていた高度な AI 機能が、Gmail、Docs、Sheets、Slides といった日常的に利用するツールに統合されることで、私たちの働き方は大きく変わる可能性を秘めています。
たとえば、Gmail では、Gemini がメールの要約や返信文案の作成を支援し、忙しい朝の時間や移動中に効率的なコミュニケーションを可能にします。Docs では、文章の校正や表現の改善、さらにはアイデア出しのパートナーとして、より洗練されたドキュメント作成をサポートしてくれます。
また、Sheets においては、複雑なデータ分析やグラフ作成のヒントを与え、データに基づいた意思決定を加速させます。Slides では、魅力的なプレゼンテーション資料の構成案を提案したり、表現豊かなアニメーションのアイデアを提供したりと、創造性を高める手助けをしてくれます。
Google Workspace における Gemini の標準化は、単なる機能追加以上の意味を持ちます。それは、AI がより身近な存在となり、私たちの創造性や生産性を高める強力なパートナーとなる未来を予感させます。
Gemini は企業が持つデータを学習しない、且つレビューしない
生成 AI を導入する企業が持つ懸念点として、セキュリティ上の不安を挙げる企業は多いのではないでしょうか。しかし、それについては心配する必要はありません。 Gemini for Google Workspace ではセキュリティポリシー上で、企業のデータを学習しないこと、及びレビューしないことを明文化しています。
日本企業が生成AIの活用を求められる社会的な背景
近年、日本企業を取り巻く社会経済環境は、かつてないスピードで変化しています。労働人口の減少と高齢化は深刻化の一途を辿り、生産性向上は喫緊の課題です。グローバル市場においては、デジタル技術を駆使した新たなビジネスモデルが次々と登場し、競争環境は激化の一途を辿っています。
このような状況下で、生成AIは、日本企業がこれらの課題を克服し、新たな成長の機会を掴むための鍵として、その重要性を増しています。単なる業務効率化のツールとしてだけでなく、革新的な製品・サービスの開発、顧客体験の向上、そして新たな価値創造のエンジンとして、生成AIへの期待は高まるばかりです。
本章では、日本企業が今、なぜこれほどまでに生成AIの活用を求められているのか、その社会的な背景を深掘りしていきます。
高齢化と止まらない労働人口の減少
インドネシア国内の2023年の平均年齢は30歳を下回っているそうです。インドネシアに限らず、ASEANが昨今注目されている理由は、高い経済成長率に他なりませんが、それを実現しているのが若い労働人口です。
一方、日本の平均年齢は40を超えています。日本は出生率についても下降傾向にあり、定年を迎える労働者よりも新たに社会に進出する労働者の方が数を下回っています。これは何を意味するかというと、単純に労働者の数が減っているということです。これは、ある特定の年に発生する事象ではなく、今後も継続的に発生する事象になります。労働人口の母数が今後も下がっていく中で、事業を継続していくためには、従業員一人当たりの生産性を上げていく必要性があります。
雇用全体の70%以上を占める中小企業が抱えるジレンマ
日本は中小企業が多いと言われますが、意外にもアメリカやヨーロッパの国々も中小企業の割合が高いと言われています。他国と比較した場合に問題になっているのは、雇用に占める割合です。アメリカも中小企業の割合が99%以上というデータがありますが、雇用全体で見れば50%未満となります。
一方、日本では、中小企業庁が公開するデータによると、中小企業の従業員数は全体の70%を占めています。日本全体の生産性をあげるためには、中小企業の業務改革を推進していく必要がありますが、大企業と比較した場合、資金(時間)的にも人員的にも余裕があるわけではないため、改革を推進しづらいという側面もあります。また、中小企業の課題として、過去の実績から古い技術に固執してしまい、新たな技術やアイデアの導入が遅れてしまう傾向も指摘されています。
日本企業の生存戦略に生成AIは不可欠
これらの社会的な背景もあり、日本企業は限られたリソースの中で生産性をあげることが求められています。これまでのようなハードワークではなく、如何にスマートに生産性をあげるのかということが重要で、それこそが生成AIが注目されている理由にもなります。生成AIは、自動翻訳、コンテンツ生成、データ分析など、多岐にわたる業務を支援する技術であり、企業の競争力強化、効率化、イノベーションの推進に寄与しています。この技術が今後の日本企業の成長のキーになると考えています。
企業に Gemini for Google Workspace を推したい3つの理由
前述した通り、 Gemini for Google Workspace はグローバルでは既に活用が始まっており、 Google は Gemini を活用する企業に対して、得られた成果のフィードバックを受けています。本章では、 Gemini を実際に活用する企業が得られた成果を元に「 Gemini を推したい3つの理由」を提案します。
① 生産性(業務の量・質)の向上
Gemini 導入前、私たちの業務では、顧客へのメールや議事録の作成、文書の作成等々…あらゆる業務は従業員それぞれが考えながら実施していました。アウトプットされる内容には各人で差異があり、スピードも異なります。 Gemini はこれらの課題を解決してくれます。 Gemini を利用することでこれらのルーチンワークや定型業務を自動化することができ、これにより、従業員が創造的な業務や戦略的なタスクに集中できるようになります。また、AIは大量のデータを迅速に処理し、分析する能力があります。これにより、データ駆動型の意思決定が可能となり、人間では見落とす可能性のあるインサイトやパターンを発見できます。例えば、スプレッドシートでまとめられたセミナーアンケートの結果から顧客の関心を分析し、次回実施するセミナーの企画を立案することができます。 Gemini for Google Workspace は従業員一人当たりの生産性を上げるだけに留まらず、チーム・組織全体の生産性をあげるためのアイディア獲得のための支援もおこないます。
② 従業員エンゲージメントの向上
ドラゴンクエスト等のRPGゲームをプレイしたことがある方ならわかるかもしれないですが、主人公とそのパーティは旅の道中で、自身が持つ武具をより強いものにアップデートしていきます。新しい武器を獲得できた時の感動と、戦闘中の武器の威力により、プレイヤーはさらにモチベーションが向上します。それと同じようなことが Gemini 導入によってもたらされることもわかっています。 Google によると、 Gemini を導入することで、従業員の会社に対する満足度が向上したというフィードバックを Gemini 活用企業から得ているそうです。
③ イノベーション創出機会の増加
Gemini 自体がイノベーションを起こすアイディアを創出してくれるかもしれないですが、重要なのは、①②が推進されることで、従業員に時間と余裕が生まれるところです。 Gemini はあくまで人間を助けるツールであり、イノベーションを起こすのは人間自身です。 Gemini により生産性が向上し、時間が生まれ、人間自身が新たなイノベーションを作る機会を作れるようになります。 これも Gemini を導入する上でのメリットになると思います。
まとめ
会社における役割や役職によって前提が異なるので一つの基準で語ることはできないですが、私たちが普段行っている業務には何かしらのルーティンワークが含まれています。 Gemini はそういった繰り返し作業を自動化することができます。また、蓄積された Google Workspace 上のデータから新たなインサイトを得るためのアクションも可能になります。しかし、 Gemini for Google Workspace の導入がもたらす効果は、従業員の生産性向上や新たなインサイトを得るというスポット的な効果に留まりません。それは一つの側面であり、実際にAIを運用する人間自身に対する効果が大きいことが Gemini を活用する企業のフィードバックから見えてきました。
業務効率化やイノベーションを起こすのはAIではなく、AIを活用する人間自身であることが大前提であり、 Gemini は人間のポテンシャルを高めることができるツールであるという捉え方をすれば、今ある人材をどう活用するかという観点から、企業の改革を実施できる可能性があります。 Gemini の活用は「AIをどう活用するか」だけでなく、「Gemini を導入し、人材をどう活用するか」の観点が重要だと思います。
Gemini for Google Workspace の導入方法
Gemini for Google Workspace は、2025年1月15日の発表以降、標準プランで利用可能となり、従来のアドオン導入が不要になりました。 そのため、Google Workspace を導入すればすぐに利用できます。
Google Workspace の導入方法には、Google 公式サイト経由とパートナー経由の2種類 があります。公式サイトからの申し込みはシンプルですが、AI 活用方法の詳しい説明や、既存システムからのスムーズな移行を希望する場合は、パートナー経由がおすすめ です。
吉積情報は、Google 社公認のプレミアパートナーであり、専門知識を持つスタッフが在籍しています。 経験豊富な Google Cloud エンジニアによるサポートも充実しており、導入だけでなく、活用方法や移行の相談も可能です。
Google Workspace を最大限に活用したい企業の方は、ぜひお問い合わせください。
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Gemini for Google Workspace を更に知りたいなら吉積情報まで
本記事では、Google Workspace に統合された「Gemini for Google Workspace」 の概要・主な機能・導入のメリットについて紹介しました。
2025 年 1 月 15 日以降、Google Workspace のBusiness / Enterprise のプラに、生成 AI 機能「Gemini」が標準搭載され、Gmail・Google ドキュメント・スプレッドシートなど、さまざまなシーンで AI を活用できるようになっています。
Gemini の主な機能には、メールの要約・文章作成・データ分析・会議メモの自動作成などがあり、業務の効率化やアイデア創出に役立ちます。
ただし、業務の効率化やイノベーションを実現するのは AI そのものではなく、「AI をどう活用するか」が重要 です。Gemini は、単なる自動化ツールではなく、人の能力を引き出し、より効果的に業務を進めるためのサポート役として活用できます。つまり、Gemini の導入を成功させるには、「 AI をどう活用するか」だけでなく、「 Gemini を導入し、人材をどう活かすか」という視点が欠かせません。
吉積情報では、従業員の生成 AI リテラシー向上や生産性向上を目的とした、Google Workspace の導入支援プログラム「AI Driven」を提供しており、安全かつ倫理的に生成 AI を活用しながら、業務の効率化を進めることが可能です。
生成 AI の誤用やリスクを抑え、責任ある AI 活用を推進したい企業の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。