研修の核心テーマ:「よりシンプルに、より協働的に」
今回の研修の大事なテーマの一つとして掲げられたのがのが、「業務プロセスの構造的変革」です。
多くの企業で依然として残る「ファイルをメールに添付して送る」「修正版を『v2_最新.xlsx』として別名保存する」といった旧来の慣習は、バージョン管理の複雑化や情報の属人化を招く要因となっています。
本研修では、これらの課題を根本から解決するために、「One File, One Truth(単一のファイルを全員で参照し、会話を見える化する)」というスタイルへのシフトを強く推奨しました。
研修内容:意外と知らない?「基本機能」の再発見と深化
研修では、Googleドキュメント、スライド、スプレッドシート共通の「共同編集機能」を深掘りしました。単に「同時に編集ができる」という利便性を超え、チームの意思決定スピードを加速させるための具体的なテクニックを解説しました。
Googleドキュメント - スマートキャンバス機能による「情報のハブ化」
@(アットマーク)を入力するだけで、メンバー、ファイル、会議、日付などを瞬時に呼び出し、動的にリンクさせる機能です。
活用例 :
- 議事録作成
@会議名と入力すると、Google カレンダーと連携して「日時」「場所」「参加者リスト」が一瞬で挿入されます。
- 情報の集約
関連するスプレッドシートやスライドも @ファイル名 でリンク化。プレビュー表示も可能なため、読み手はドキュメントから移動することなく情報を把握できます。これにより、ドキュメントがプロジェクトの「司令塔(ハブ)」として機能します。
メリット :読み手はリンクを辿るだけで必要な情報にアクセスできるため、「あの資料どこだっけ?」という探索コストがゼロになります。ドキュメント自体がプロジェクトの「司令塔(ハブ)」として機能するようになります。

Googleスプレッドシート - 脱・入力ミス&進捗管理の「見える化」
セル内に、カプセル型の選択肢(プルダウン)を簡単に設置できる機能です。単なるテキスト選択だけでなく、色分けやステータス管理に特化しています。

活用シーン :
- タスク管理
「未着手(グレー)」「進行中(青)」「完了(緑)」といったステータスを色付きで設定。視認性が高く、ひと目でプロジェクトの状況を把握できます。
- 脱・表記ゆらぎ
担当者名や部署名などをプルダウン化することで、入力ミスを防ぎ、後の集計作業(ピボットテーブル作成など)をスムーズにします。
メリット: 手入力不要の選択式で、タイポや表記ゆれを防ぎ 、 表記 が 統一 されるので余計な データクレンジングが不要となり、集計・分析が容易です。 そして 色分け により、遅延タスクなどが一目で分かります。
バージョン管理(変更履歴)による「心理的安全性の確保」:
共同編集の導入において最大の障壁となるのが、「他人の作業内容を誤って消してしまわないか」という不安です。

解説ポイント :Google Workspace は自動保存された履歴から、「いつ・誰が・どの部分を編集したか」を詳細に追跡可能です。必要であれば、特定の時点の状態へボタン一つで復元できます。
メリット :失敗してもすぐに戻せるという安心感が、チームメンバーの積極的な編集参加を促します。また、任意のタイミングで「版」に名前を付けて保存できるため、提出用と作業用をファイルを分けずに管理可能です。
コメント機能による「コンテキストの共有」:

ファイル内の特定の箇所に対してコメントを付け、ディスカッションを行う機能です。チャットツールでの会話とは異なり、「どの文言に対する指摘か」が明確になるため、修正指示の行き違いを防ぎます。また、@メンションで担当者を指名することで、タスクの割り振りも同時に行える点を強調しました。
要注目!「Gemini」と「AI関数」による業務革新
研修のハイライトとなったのが、生成AI「Gemini」の実演です。もはやAIは「質問に答えてくれるチャットボット」ではなく、「実務を処理する同僚」としての地位を確立しつつあります。
特に反響が大きかったのは、 Google スプレッドシートの「AI関数」 の実演でした。
デモンストレーション:アンケートの感情分析
研修中のデモでは、数百件に及ぶアンケートの自由記述回答(テキストデータ)を、AIが一瞬で分析する様子が披露されました。
課題:従来、自由記述のアンケート集計は、担当者が一件ずつ読み込み、「好評」「不満」などのタグを手動で入力する必要があり、膨大な時間がかかっていました。
解決策:スプレッドシート上で =AI() という関数を入力し、以下のプロンプトを実行します。
使用したプロンプト例:
=AI("以下のテキストの感情を分析し、『ポジティブ』『ニュートラル』『ネガティブ』のいずれかに分類してください。結果は日本語で出力してください。", 対象セル範囲)
結果 :関数をコピー&ペーストするだけで、数百行のデータに対して一斉に感情ラベルが付与されました。参加者からは、これまで数時間かかっていた作業が数秒で終わる可能性を目の当たりにし、驚きの声が上がりました。
この他にも、Geminiサイドパネルを用いて、長文のドキュメントを一瞬で要約したり、スライドの構成案を壁打ちしたりといった、日常業務に即した活用法が紹介されました。
参加者アンケートの結果とフィードバック
研修後のアンケートでは、 満足度「4」以上の回答が大多数 を占め、非常に高い評価をいただきました。特に、「知っているようで知らなかった機能」への気づきと、「AIの実務適用」に対する期待感が顕著に表れています。
参加者の声
参加者の職種や立場によって、響いたポイントが異なった点も興味深い結果となりました。
1. 業務効率化・自動化への期待
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普段手作業で行っていた集計が自動化できそうなイメージが湧きました。
建設・測量業 / 管理職
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2. 共同編集のメリット再確認

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自分の把握していない機能を新しく知ることができて良かったです。スプレッドシートの活用の幅が広がりました。
製造業
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3. AI活用の具体的イメージ

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Geminiについて、具体的な使い方のデモが見られてよかった。今までチャット機能(相談相手)としてしか使っていなかったが、ドキュメント作成の補助や、データ分析のツールとして使ってみたい。
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4. 研修の質について

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講師の方の話し方がわかりやすく、デモンストレーションもスムーズで理解しやすかったです。実際の画面操作を見ながらの説明だったため、迷うことなく操作できそうです。4. 研修の質について
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まとめ
今回の秋研修では、基本的な「共同編集」による足場固めと、先進的な「AI活用」による飛躍の両軸をお伝えしました。Google Workspaceは日々進化しており、昨日までできなかったことが、今日実装された新機能を使えばできる、ということも珍しくありません。
吉積情報カスタマーサクセスチームでは、今後も皆様の業務変革を支援するため 、様々な研修を随時開催しております。当社にご契約いただいている企業様は、無料または特別価格でご参加いただけます。
次回予告:2026年春に開催決定!新入社員・マネジメント層向けGoogle Workspace研修
好評につき、来る2026年には、新入社員およびマネージャー層向けの「春のGoogle Workspace研修」を開催予定です。 新しくリリースした Google Workspaceユーザー向けトレーニング 「Y's UP Skill」の開催も予定しており、組織の皆様の さら なるスキルアップをサポートします!
開催概要
- 参加費:無料
- 場所:オンライン
- 日程:複数日程から選択可能
- 事前準備:不要
- 定員:全日程合計で、1社あたり10名
予定コンテンツ
新入社員向け(Y's UP Skill) :
- これだけは知っておきたい!Google Workspace基礎知識
- もう迷わない!基本アプリマスター講座
Gmail、チャット、ドライブ、ドキュメント、スプレッドシート、スライド、 Gemini
- 脱・初心者!スマートワーク術を身につけよう
メール誤送信防止、署名設定、ファイル整理、共有など
- 情報漏洩STOP!セキュリティ対策の基本
セキュリティに関する知識、ファイル共有の際に気を付けること
Y's UP Skill の詳細・資料ダウンロードはこちら
マネジメント層向け:
- Google Workspaceで始める!マネジメント時短術&チーム連携アップ術
- なぜ今Google Workspaceがマネジメント層に重要なのか?
市場の変化、働き方改革、 DX の必要性など
- マネジメント層が手本になる!時短術と業務コラボレーション方法
各アプリのおすすめの使い方(タイムマネジメント・迅速な情報共有と意思決定・セキュリティについて)
※これからの研修内容は2025年12月時点のものであり、今後変更される可能性があります。
新年度を迎えられた組織の皆様が円滑に業務をスタートできるよう、Google Workspaceを活用する上で必要となるスキルを網羅した内容を準備しております。
Google Workspaceの最新機能、Geminiの活用法、セキュリティ対策など、実践的なノウハウを提供し、皆様の業務変革を強力にサポートいたします。
皆様のご参加を心よりお待ちしております!