2段階認証とは
2段階認証とは、従来の ID とパスワードの組み合わせのログインに、認証ステップを設けることで、不正アクセスのリスクを軽減する方法です。
2段階認証のシステムにログインするとき、ユーザーは通常通り ID とパスワードでログインを試みます。その次のステップとして、追加のセキュリティチェックが求められます。例えば、特定のアプリケーションを使ってのログイン許可の選択、一定時間のみ有効なセキュリティコードの入力が挙げられます。
スマートフォンに専用の認証アプリをインストールしておくと、ログイン時に同アプリ上で一時的なコードが生成、もしくは直接ログインの許可・拒否の選択が可能です。そのため、 ID やパスワードが第三者に知られても、セキュリティコードは守られており、不正にアカウントを乗っ取られるリスクを減少できます。
2段階認証は、個人情報や重要なデータを守るための効果的な方法として、多くのサービスや企業で推奨・導入されています。
2段階認証の種類
2段階認証の種類について、以下5点を紹介します。
SMS
1つ目は、SMS です。
ユーザーは、ID とパスワードでシステムにログインを成功すると、ユーザーが事前に登録しておいた携帯電話番号宛に、認証コードが含まれた SMS が送信されます。
SMS には、ログインを完了させるための一時的な数字や英数字の認証コードが送られます。ユーザーは受信した認証コードをシステムで指定された入力画面に打ち込むことで、ログイン手続きが完了するといった仕組みです。
SMS を使用した2段階認証は、携帯電話の通信ができるスマートフォンがあれば、特別なアプリをインストールすることなく、誰でも簡単に設定・使用が可能です。
メールや音声通話
2つ目は、メールや音声電話です。
メール認証でログインするとき、ユーザーのメールアドレス宛に認証コードが含まれたメールが送信されます。ユーザーはこのメールから認証コードを確認し、それをシステムの指定箇所に入力すれば、認証が完了します。
音声電話認証の場合、利用者がログインや重要な操作を行おうとすると、登録された電話番号へ自動的に通話がかかってきます。この通話の自動音声で一時的な認証コードが伝えられます。ユーザーはこのコードをシステムに入力することで、認証が完了します。
メールや音声電話の認証方法は、、特定のハードウェアやアプリのインストールが不要で、ユーザーが持つ電話・メールアドレスを活用できます。多くのユーザーにとって手軽に利用できる方法です。
トークン
3つ目は、トークンです。
トークン方式では、利用者は専用のデバイスやアプリを使って、一度きりしか利用できないワンタイムパスワード( OTP )を取得します。このワンタイムパスワードは、非常に短い時間(例えば30秒や1分など)で変わるため、もし不正に取得されたとしてもすぐに無効となる点が特徴です。
ユーザーはまず通常の ID とパスワードでログインを試み、続けてワンタイムパスワードを入力することで認証が完了します。
トークンを活用した2段階認証は、不正アクセスのリスクを大幅に軽減するため、金融機関や大手企業、セキュリティを重視する多くのオンラインサービスで導入されています。
アプリ
4つ目は、アプリです。
スマートフォンやタブレットなどにインストールされた専用アプリを通じて、ユーザーを認証していきます。システムログインの際に、ID/パスワードを入力した後、専用アプリを開き、そこで生成される一時的なセキュリティコードを入力することで、認証が完了します。
メールや SMS でのコード受信と違い、アプリ内で直接コードが生成されるため、外部攻撃のリスクが低減します。アプリは常にセキュリティアップデートが適用されるため、新しい脅威からの保護が期待できるといった点もメリットです。
生体
5つ目は、生体です。
生体認証とは、ユーザーの生体的な特徴を元に認証を行う技術を指します。例えば指紋・顔認識・静脈・虹彩などの個人固有の情報を使用します。生体情報は、他の人と共通することが基本的にないため、高いセキュリティ確保が可能です。
生体認証の利点は、パスワードのように忘れたり、第三者に盗まれるリスクが低いという点がメリットです。一方、生体データの取り扱いにはプライバシーの問題が生じる可能性もあるため、安全な管理が必要です。
2段階認証を設定すべき理由
2段階認証を設定すべき理由は、近年の高度化する脅威に対応するためです。
企業に対する情報漏えい攻撃や不正アクセスの手口は巧妙化しており、企業の情報資産は常にリスクにさらされています。そのため、過去のセキュリティ対策だけでは不十分であり、常に最新のセキュリティ対策導入が必要です。
特に、従来の認証方法である ID とパスワードの単純な方式は多くの問題が指摘されています。例えば、パスワードは忘れやすく、再設定の手間がかかります。また、短いパスワードや規則性のあるパスワードは容易に推測される可能性が高いといったことも大きな問題です。
このように、2段階認証を導入することが、企業にとって非常に重要です。2段階認証は、パスワード認証だけでなく、追加の認証手段を要求することで、セキュリティの強度を格段に向上させます。もしパスワードが第三者に知られたとしても、2段階認証があれば不正アクセスを大幅に防ぐことができるのです。
2段階認証がもたらすメリット
2段階認証がもたらすメリットについて、以下2点を紹介します。
不正ログイン防止
1つ目のメリットは、不正ログイン防止です。
2段階認証は、2つの異なる認証方法を組み合わせます。例えば ID やパスワードが外部の脅威から突破された場合でも、第二の認証があるため、不正なログインの効果的な防止が可能です。
特に、指紋や顔認証、網膜認証などの身体的特徴を基にした生体認証は、外部に流出するリスクが非常に低いため、セキュリティの面で非常に有利です。他人と同じ身体的特徴を持つことはほぼ不可能なため、第三者による不正アクセスを大幅に防ぐことができます。
そのため、2段階認証は、機密性が求められる個人情報や企業情報を不正アクセスから守る上で非常に有効な手段です。
パスワード認証の問題点解決
2つ目のメリットは、パスワード認証の問題点の解決です。
従来のシステムの多くでは、パスワード認証が使われています。しかしその実態は、多くの場面で十分なセキュリティを確保しているとは言えません。特に企業の現場では、従業員が覚えやすいという理由から、簡単で予測しやすいパスワードを使用するケースが少なくないでしょう。
しかし、2段階認証を導入することで、この問題点を大きく緩和できます。たとえば従業員が「 1234 」や「 password 」のような簡単なパスワードを使用したとしても、2段階認証の導入により、不正アクセスを阻止する第二のバリアが設置されます。 SMS コード、アプリ経由の通知、生体認証などの方法で第二の認証を行うことができるため、セキュリティが強化されます。
おすすめの2段階認証の設定方法
おすすめの2段階認証の設定方法について、以下2点を紹介します。
グループ範囲の設定
1つ目の方法は、グループ範囲の設定です。
2段階認証は、ログインの手間がかかってしまい、IT に不慣れな社員にとっては大きなストレスとなる可能性があります。そのため、企業内のユーザーをグループ分けし、扱うデータの種類や重要度に応じて設定することが大切です。2段階認証が必須・任意のグループを設定することで、セキュリティと利便性のバランスを保つことができます。
例えば、管理者アカウントや財務情報、顧客情報など、重要度が高いビジネスデータを取り扱うユーザーグループには、2段階認証を必須にするべきです。一方、一般的な業務情報しか扱わないユーザーグループに関しては、2段階認証を任意にすることで、業務の効率性を維持しつつセキュリティも確保するなどの方法が有効です。
2段階認証を設定するときは全員一律のセキュリティポリシーではなく、役割やアクセス内容に分けて、最適な認証方法を分けることで、企業全体のセキュリティ向上・作業効率を両立できるでしょう。
セキュリティキーの使用
2つ目は、セキュリティキーの仕様です。
セキュリティキーとは、物理的なキーを利用してログインを承認するものです。単なる知識ベースの情報(パスワードや PIN コードや SMS コードなど)とは異なり、物理デバイスが必要となるため、不正アクセスのリスクを大幅に低減できます。
Google Workspace も、セキュリティキーを用いた2段階認証に対応しています。これにより、企業の重要なデータを効果的に保護できるとともに、社員一人ひとりのアカウントも強化でき、セキュリティレベルの向上を実現できます。
2段階認証なら Google Workspace がおすすめ
本記事では、2段階認証について説明しました。2段階認証は、従来管理が疎かになっていた ID/パスワード のログイン問題を解決できます。特に、指紋・顔認識・静脈・虹彩などを使った生体認証は、本人しか持っていない固有情報のため、セキュリティが高く、不正ログインの心配もほとんどないでしょう。
Google Workspace は2段階認証に対応しているグループウェアです。セキュアな環境で機能を利用できますので、気になる方はぜひ一度吉積情報までお問い合わせください。