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何 芊慧

【社内事例】吉積情報が実践するGemini活用
~ノウハウ共有施策と具体的な応用~

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こんにちは、吉積情報の何(ホー)です。入社してまもなく1年が経ちますが、時の流れの速さを実感しています。

私たち吉積情報は、Google Workspaceと生成AI「Gemini」の力を自社業務に深く組み込み、大幅な業務効率化を推進しています。

本記事では、社内勉強会「Geminiマスターになろう」の内容をもとに、弊社の社員がいかに効果的な方法でGeminiを活用し、高品質なサービスを迅速にお客様へ提供するための基盤を築いているか、その舞台裏をご紹介します。

この記事を読むと、Geminiを単なるチャットツールとしてではなく、「信頼できる実務のサポーター」として使いこなす組織の作り方がわかります。

情報精度とアイデアを両立させるGemini 3つの使い分け

Gemini活用において、最も重視しているのは情報の精度です。生成AIがもっともらしい嘘をつくハルシネーションへの対策を徹底し、用途に応じて三つのツールを使い分けています。

まず、自由なアイデア出しや創造的な企画立案には、汎用性の高いGeminiアプリを選びます。情報源をその都度確認しながら進めることで、提案までのスピードを上げています。

一方で、ドキュメント作成やメールの要約、校正といった日常の細かな作業には、Google Workspaceの画面上でそのまま動くサイドパネルが適しています。

さらに、信頼性を最優先し、指定のデータに基づいた正確な分析を行いたい場合にはNotebookLMを活用します。

以下に、上記の情報を分かりやすく表形式で整理しました。

カテゴリ 使い方 顧客提供価値への貢献

 Geminiアプリ

アイデア出しや創造的な企画検討に活用。情報源を確認しながら、迅速な企画立案を実現。 企画提案のスピードアップと多様なアイデア提供。
Google Workspace
サイドパネル
ドキュメントやメール作成時の要約・校正・添削など、アプリ内の特定の機能として活用し、作業の効率化を図る。 日常業務のインラインでの効率化と、作成コンテンツの品質向上。

NotebookLM

信頼できる指定のデータのみを参照し、情報の精度を担保。 データに基づいた正確な分析と、信頼性の高いドキュメント作成。

ドキュメントの横で即座に反応するサイドパネルは確かに手軽ですが、過去の膨大な資料を読み解いたり、複雑なコードを組んだりするには力不足な場面も少なくありません。

「ここから先は、サイドパネルではなくNotebookLMの出番だ」

そんな風に、ツールの限界を見極め、最適な「武器」を選べるようになったことが、単なる導入企業に留まらない業務変革の分岐点となりました。

複数の情報源を統合して企画を深めたいときはNotebookLMを使い、既存の資料に縛られない斬新な案が必要なときはGeminiアプリを叩く。議事録からネクストアクションを抽出したり、Google Apps Scriptのコードを生成したり、複数ステップの処理が必要なら、Geminiアプリや独自のカスタムGemを動かす。こうした判断基準を明確にするのが、効率的なワークフローの一環です。

吉積情報のスキルアップへの取り組み

定期的な情報共有会の実施

吉積情報では、最新のアップデート情報と業務効率化のノウハウを定期的に共有し、全メンバーのスキルアップと生産性向上に努めています。私もこの頻繁な情報共有で、日々新しい活用法を学んでいます。例えば、最近の共有トピックは以下の通りです。

トピック1「カスタムGem」の活用ノウハウ

   ロール設定による生成精度の向上や、Google Driveからの知識ファイルの自動連携など、Geminiをより強力なツールとして活用するための具体的な方法を共有しました。 

トピック2 資料作成ツールの最新情報

   スライド生成におけるNotebookLMの活用や、Gemini 3 Proなどによる画像生成の品質改善といった、資料作成の効率とクオリティを上げるためのアップデート情報を共有しています。 

トピック3 定型業務の自動化事例

   NotebookLMのカスタマイズ設定を用いた議事録作成の効率化など、AIを活用した具体的な定型業務の自動化ノウハウを共有し、実務への応用を推奨しています。 

これらの共有を通じて、常に最新のAI技術と効率的な業務手法を取り入れ、吉積情報全体のパフォーマンス向上を目指しています。

ノウハウ共有のためのAppSheetアプリの開発

吉積情報では、「Gem Gallery」という各社員が実際に業務で利用している「Gem」のプロンプトを共有するためのAppSheetアプリを自分たちで開発・運用しています。このアプリにアクセスすると、自分以外の社員が実際に活用しているノウハウを簡単に手に入れることができます。Gem以外にもGASプログラムの共有アプリも運用していたりと、社員同士のノウハウ共有には、とても力を入れています。

 

弊社社員のGemini活用の具体事例のご紹介

情報共有会では、各社員から様々なGemini活用ノウハウが共有されました。今回はその中から、読者の皆様にもぜひ知っていただきたい事例をここにまとめました。

事例1 知識ベースの組み込み

生成AIを導入した当初は、Geminiの回答がオンライン検索すれば手に入る「一般的な知識」程度に留まり、お客様の課題を解決における、「実際の業務」で即戦力として活用するには精度が足りないという現状がありました。

そこで私たち吉積情報では、単に質問を投げるのではなく、AIに「深い文脈」を持たせるための試行錯誤を繰り返しました。具体的には、Googleドライブと連携させ、プロジェクト固有の仕様書や過去の膨大な提案書を直接Geminiに読み込ませる手法の導入です。

この取り組みにより、Geminiは単なるチャットツールから、各案件の背景を把握した「専任のアドバイザー」として活用できるようになりました。過去の経緯を踏まえた的確な回答が得られるようになり、提案の質とスピードが大幅に向上しています。

先輩たちが的確にAIから正解を引き出す姿を間近で見ていると、生成AIのポテンシャルは「何を読み込ませ、どう対話するか」という使い手の工夫次第で広がっていくのだと、その奥深さを日々実感しています。

事例2 「カスタムGem作成支援機能」の活用

生成AIの活用が進む一方で、「使いこなせる人」と「そうでない人」の間で成果に差が出てしまうという、個人のスキル依存が課題となっていました。一部のプロンプトスキルに依存したままでは、組織全体でのGemini活用の底上げには繋がりません。

この課題を解決するため、高度なプロンプト作成のための「カスタムGem」を社内で作成し、全社で共有・資産化するプロセスを導入しました。

その結果、スキルの差に左右されることなく、誰もが一貫して質の高いプロンプトを作れる体制が整いました。それぞれのタスクに合わせた専用AIを即座に呼び出せる環境こそが、私たちのスピード感を生み出す源泉となっています。

優れた手法を個人のものに留めず、仕組みとして誰もが使える形へ民主化していく。この迅速な展開と共有の文化が、吉積情報らしい生成AI活用の強みであると再認識しています。

事例3 コード生成と効率化

DXを推進する中で、現場の細かな自動化ニーズ(Google Apps Script(GAS)や複雑な関数など)は常に山積みでした。しかし、それらを手作業で一つひとつ設計・デバッグしていては、開発リソースが追いつかず、スピード感が損なわれるという課題を抱えていました。

そこで私たちは、Geminiを単なるチャットツールではなく、ペアプログラミングを行う「コードを書く相棒」という役割も定義しました。複雑なGASのロジック構築や、難解なスプレッドシートの関数作成において、Geminiと対話しながらコードを組み上げるスタイルです。

AIとの共同開発によって、手作業では数時間を要していた自動化処理の実装が、わずか数分で完了するようになりました。正確かつ迅速にソリューションを提供できる体制が整い、開発スピード感は以前とは比較にならないほど増しています。

コードをゼロから書く苦労から解放され、より本質的な業務フローの設計そのものに思考を割けるようになったこと。これこそが、DXを推進する組織において生成AIを活用する真の価値だと実感しています。

現在は、Googleが提供する次世代AIエージェント型開発環境である「Antigravity」を全エンジニアに配布し、エージェント駆動による開発を推進しています。

事例4 資料作成の高度化

既存のAIツールには、それぞれ得意・不得意があります。例えば「NotebookLM」は情報の抽出や分析には強力ですが、その結果をプレゼン資料として出力しようとすると、スライド形式に対応していないという実務上の「あと一歩」の壁にぶつかっていました。※1

この弱点を補うため、私たちはGeminiと連携し、独自の「PDF分割カスタムGem」の作成に乗り出しました。Geminiに高度なGASコードを生成させ、アップロードされたPDFを自動でスライド用に最適化・分割する仕組みを自社で構築したのです。

これにより、データの分析からプレゼン資料のベース作成までをシームレスにつなぐ一連の自動化フローが完成しました。既存ツールの制約にとらわれず、自らの技術でその機能を「拡張」できたことは、吉積情報のエンジニアリング力の高さを示す結果といえます。

ツールに機能がないからと諦めてしまうのではなく、AIを使いこなして「できないことを可能にする仕組み」を自ら作る。この実務に即した泥臭くもクリエイティブな試行錯誤こそが、真のDX推進を支える技術力の正体なのだと確信しています。

※1 2026年2月よりNotebookLMで作成されたスライドは.pptx形式で出力が可能になりました。

あわせて読みたい:なぜGoogle Apps Scriptは企業のDXに必要不可欠なのか

吉積情報の「AI Driven」が、組織のAI活用を成功に導く

こうした自社での試行錯誤から生まれた生きたノウハウは、Gemini導入・定着支援プログラム「AI Driven」として体系化しています。

導入初期に多くの組織が直面する、どこまで情報を入力して良いか分からないという不安や、指示の出し方の難しさを解消するためのものです。単なる操作研修ではなく、定型業務の工数を減らすための実践的なトレーニングや、安全な活用を支えるガイドライン策定の支援、そして個々の業務プロセスに合わせた戦略的な設計を行っています。

吉積情報が積み上げてきた知見が、組織の成長を支える羅針盤となれば幸いです。Google WorkspaceとGeminiによる業務改革を検討されている方は、ぜひ私たちにご相談ください。

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何 芊慧
何 芊慧
吉積情報株式会社 マーケティング部
文系出身ながら、テクノロジーの可能性に魅了されIT業界へ飛び込み、入社1年目で「Associate Google Workspace Administrator」「Generative AI Leader」を含む計6つのGoogle Cloud認定資格を取得。
非エンジニアという枠を超え、AIを活用した新しい挑戦を全力で楽しんでいます!
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