公開日:

何 芊慧

【イベントレポート】
Google Workspace Studio活用!吉積情報の社内業務改善ハッカソン

【イベントレポート】Google Workspace Studio活用!吉積情報の社内業務改善ハッカソンサムネイル画像

2025年12月22日、私たち吉積情報では、社内研修の一環として、Google Workspace Studioの「業務改善ハッカソン」を開催しました。年末の慌ただしい時期でしたが、部署間の垣根を越えたオープンな雰囲気の中、多くの成果が生まれる充実した内容になりました。マーケティング部の一員として参加した筆者が、その活気と「プロの仕事」の裏側を、詳しくレポートします。

なぜ、今「ハッカソン」なのか?「一人で悩む」を「みんなで突破」に

「便利そうなのはわかっているけど、日々の業務に追われて触る時間が作れない…」

本イベントを主催するカスタマーサクセス部の部長は、そんな思いからこのイベントを企画しました。このイベントの企画意図を聞いたとき、筆者も心から共感しましたね…。一人でPCに向かって悶々と考えるよりも、チームで知恵を出し合うことで思ってもみなかったアイデアが出たりしますから。

Google Workspace Studioは、組織のデータや知識の宝庫であるGoogle Workspaceの情報をフル活用できるノーコードツールです。これを使いこなすことで、特定の誰かに頼りきりだった「属人化」を排除し、浮いた工数でよりクリエイティブな仕事に集中する――。そのような理想の働き方を自分たちの手で作り出すのが、今回のゴールのひとつでした。

今回はオンライン形式での実施でしたが、Google Workspaceの共同編集機能や連携の速さもあり、短時間でも多くの質の高いアウトプットが生まれました。

日本全国に点在する社員がMeetから参加!

吉積情報株式会社は、ほぼ全ての社員がフルリモート環境で業務を実施しています。北は北海道から、南は沖縄まで、社員は日本全国に点在していますが、Google Workspaceの力によって、問題なく業務が遂行できています。今回の企画についても、Google Meetを活用することで、フルリモート環境によるハッカソンイベントを実現しました!

Gemini_Generated_Image_m2am2fm2am2fm2am

※画像はGeminiでプライバシー保護の加工をしています。

Workspace Studioの現状と注意点

今回のハッカソンを実施する前に、そもそもWorkspace Studioを使ったことがない社員が多かったことから、まずは使い方についての説明を弊社のエンジニアが行いました。また、Google Workspace Studioは正式バージョンのリリース以降、これまで使えていた機能が使えなくなっていたりと、いくつかアップデートがあったため、現状についての説明が行われました。

現在の状況

  • 正式バージョンはリリースされている
  • UIは英語化されているが、日本語によるプロンプト入力は可能
  • SalesforceやSlack等の連携は使えなくなっている
  • Geminiとの連携は可能であるが、Gemについては使えなくなっている

強み

  • ノーコード
    プログラミング知識がなくても、言語化能力(プロンプト)があれば開発可能。
  • Geminiの活用
    柔軟な判断(クリエイティブな仕分けや要約)をプロセスに組み込める。
  • セキュリティ
    Google Workspaceの環境内で動作するため、安全性が高い。

あわせて読みたい:【2026年最新版】15分でわかる Google Workspace Studio の使い方

いよいよハッカソン開始!各チームの挑戦と成果

参加者に対するセットアップが完了したところで、次は各チームに分かれてのハッカソンがスタートしました。40分の制限時間で、チームが抱える業務課題を洗い出し、それに対してWorkspace Studioでどう解決できるか、熱い議論が展開されました。

undefined-Mar-13-2026-02-51-38-5409-AM-1-1 各チームが発表したワークフローの概要と期待される効果は以下の通りです。

チーム名 構築したワークフローの概要 期待される効果
マーケティングチーム 成果物1:Googleアラートのニュースレターを要約し、自社への影響とネクストアクションを添えてスプレッドシートへ蓄積。
成果物2:ブランディング部へのレビュー依頼に必要なフォームの内容を自動で抽出し、リスト化。
情報収集の自動化・戦略立案の迅速化
カスタマーサクセスチーム 成果物1:スペース内の大量の未読メッセージを毎朝8:30に要約してチャット通知。
成果物2:問い合わせメールに対し、Geminiが回答案を作成してGmailに下書き保存。
顧客対応のスピード向上・心理的負担減
営業① 成果物:会議後のサンクスメール・ドラフト自動生成、2週間以内の未返信メールの抽出。 顧客フォローの徹底と工数削減
営業② 成果物:直近で「返信が必要」とAIが判断した未返信メールを抽出し、返信案とともにチャット通知。 膨大なメールの中から「アクションが必要なもの」を判別、見落とし防止と返信時間の大幅な短縮の実現
デプロイチーム 成果物:受信メールの緊急度・重要度をGeminiが判定。「高」と判断されたもののみGoogleタスクに登録し、チャットで通知。 高い優先順位のタスクへの対応漏れ防止と、集中力の向上
バックオフィス 成果物:電子署名書類の受領処理、請求データのスプレッドシート保存、通知の自動化。 複雑な書類処理のミス撲滅と完全自動化

実践的なTipsと総括

各チームの発表の中では、試行錯誤から得られた重要な知見が参加者全員に共有されました。

技術的な重要Tips

  • 変数名の言語
    Extract などのアクションで使う変数は、日本語ではなくローマ字(例:Order_No)にすると動作が安定する。
  • ファイル検索の精度
    フォルダ名やファイル名などを指定する場合、半角スペースの有無が認識に大きく影響するため、正確性を重視する必要がある。
  • ヒューマン・イン・ザ・ループ
    現状、Studio単体では「人の修正を待ってから送信」というプロセスが組みにくいため、一度スプレッドシートや下書きに保存する設計が現実的。

結果発表!優勝を手にしたチームは?

優勝:バックオフィスチーム

テーマ:煩雑な「電子署名による発注処理」の完全自動化 
評価ポイント:実用性と、複雑な条件分岐の実現度が高く評価されました。

全6チームによる成果発表の結果、優勝に選ばれたのはバックオフィスチームでした。
同チームは、煩雑な発注処理の改善をテーマに、「AIによる書類の種類判定(検収書か発注書か)」から「フォルダ振り分け・スプレッドシートへの記録」までを組み合わせた一連のフローを構築。「日本語の変数はローマ字で設定する」といった検証にもとづくTipsも共有され、実務への適用精度の高さが評価されました。

バックオフィスチームが構築したワークフローは具体的にどのようなものだったのか? 次の章で詳細な仕組みを解説します。

【解説】優勝チームが構築した「高度な自動化フロー」

発注書類の自動仕分け・管理フローの構築

バックオフィス業務では、毎日膨大な数の電子署名メールが届きます。これまでは担当者が一通一通目視で書類の種別を確認し、手動でフォルダ分けやスプレッドシートへの転記作業を行っていました。単純ながらも集中力を要するこの工程を、Google Workspace Studioによって以下のように自動化しました。

Workspace Studioで構築したフローを図にすると、以下のようなイメージです。

 

単にすべてのメールをトリガーにするのではなく、「完了」「ドキュメントの送信先メールアドレス」「(送信先の社名)」の3つのキーワードを「AND条件」で設定することで、業務に関係のないノイズを確実に排除する仕組みを作り上げました。

AIアクションの「Extract」機能を活用して、届いた書類の種類を判別しています。メールの件名を解析し、それが「検収書」なのか、あるいは「発注書」なのかを自動で仕分け、データを抽出します。

この抽出結果に基づき、その後の処理フローを二つのルートに分岐させます。一つは検収書と判定された場合のフロー、もう一方は発注書と判定された場合のフローです。

どちらのルートでも、添付ファイルをGoogle ドライブの指定フォルダへ自動保存する動作は共通しています。一方で発注書ルートには独自の処理を加え、再度「Extract」を実行してメール本文から「オーダー番号(案件ID)」をピンポイントで抜き出します。

一連の処理の締めくくりとして、スプレッドシートの末尾に情報を自動で追記します。ここには抽出したオーダー番号、メールの件名、到着日時に加え、保存先フォルダのURLリンクも集約されます。一覧から直接ファイルへアクセスできるため、後からの参照も非常にスムーズです。

構築を担当した社員によれば、エラーを回避するための実践的なコツがあるといいます。変数を設定する際、最初は日本語で「オーダー番号」としていたところエラーが発生しましたが、これを「Order_Number」のようにローマ字表記に改めたことで円滑に動作したそうです。構築時に陥りやすい注意点として共有されました。

スペシャルトーク―Workspace Studioの運用とリスク

「シャドーAI」は、今のGoogle Workspaceの標準機能だけでは防げない

ハッカソンでは、技術的な検証に加え、今後の適切な運用ルールについても議論がおよびました。

生成AIは、生産性を大幅に向上させる一方で、昨今、企業において懸念されているのが、管理外のAI利用、いわゆる「シャドーAI」のリスクです。
生成AIの利用が広がる中で、外部接続が容易な環境では、従業員が意図せず、あるいは便利さから、会社の管理下にないAIツールを業務で利用してしまうケースが増加しています。

これは単なるツールの「野良利用」というレベルの話ではありません。現在のGoogle Workspaceの標準機能では、AI利用の可否(ON/OFF)制御できるものの、「社内でどのようなAIが、誰によって、どのように作成・利用されているか」を詳細に可視化し、把握するガバナンスの仕組みが不足しています。

この「見えないAI」が、機密情報の漏洩や、組織としての方針と異なるAIの利用を招くリスクは非常に深刻です。単に利用を禁止するのではなく、「安全に利用を促進する」という、攻めと守りの両面を意識した、より具体的で高度な管理体制の構築が、今、企業に求められています。

 

刺激し合うことで生み出すインスピレーション

今回のハッカソンを通じて筆者が強く感じたのは、「Google Workspaceを社内で高度に運用すると、コミュニケーションの活性化と、それに伴う生産性の向上に繋がる」ということです。

Google Workspaceの強みである共同作業機能をフルに活用し、一人の課題をチームで共有し、AIをどう実務に利用するかを多角的に議論する。その過程で生まれる新しいアイデアの連鎖は、組織全体の生産性を引き上げるカギとなります。こうした「みんなで考え、形にする」という体験そのものに、ハッカソンの本質的な価値があるのだと感じます。

私たち吉積情報は、これからも自らが最先端の機能を使いこなし、Google Workspaceのプロフェッショナルとして、お客様の業務改善を確かな知見で支援してまいります。

本記事の内容についてさらに詳しく知りたい方へ

Google Workspace Studioを利用した業務改善や、Google Workspaceの活用に関するご相談は、ぜひ弊社までお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

何 芊慧
何 芊慧
吉積情報株式会社 マーケティング部
文系出身ながら、テクノロジーの可能性に魅了されIT業界へ飛び込み、入社1年目で「Associate Google Workspace Administrator」「Generative AI Leader」を含む計6つのGoogle Cloud認定資格を取得。
非エンジニアという枠を超え、AIを活用した新しい挑戦を全力で楽しんでいます!
明日から使えるGemini活用術!Google Workspace と Gemini で実現する次世代の働き方セミナー

14:00-15:00 オンライン

明日から使えるGemini活用術!Google Workspace と Gemini で実現する次世代の働き方セミナー

詳細はこちら

Google Workspace と Microsoft 365、二大プラットフォームの再検証セミナー

14:00-15:00 オンライン

Google Workspace と Microsoft 365、二大プラットフォームの再検証セミナー

詳細はこちら

オンラインセミナー開催中

お申込みはこちらをCheck!