Google Workspace 新プラン解説!G Suiteのプランから料金は上がった?

Googleの企業向けコラボレーションツール G Suite は 2020年10月より、Google Workspace に名称変更・リブランドされました。

このリブランドにより、プランの大幅な刷新も行われましたが、プランの区分けが複雑化したことで「結局どういう変更になったのかわからない」という方も多いはずです。

本記事では、Google Workspace になってどのようなプラン変更になったのか? また実質料金は上がったのか?など多く寄せられる疑問にお答えしていきます。

この記事はこんな方にお薦めです。

・G Suiteを使っているが、Google Workspaceで何が変わったのか知りたい
・Google Workspaceの料金プランの詳細を理解したい

https://www.yoshidumi.co.jp/collaboration-lab/wp-content/uploads/2021/03/niwa-min.jpegスペシャリスト 丹羽

本記事は Google 社から認定された世界で数少ない Google Workspace (G Suite)のスペシャリスト(〜2019)であり様々な大企業への導入や改革に尽力した丹羽(現職 吉積情報)が監修・アドバイスしました。今回の大きなプラン変更の要所をまとめてくれました!既存ユーザーさんは是非ご参考にください!

結論としては、既に G Suite を利用するユーザーにとっては、ほとんどのプランにおいて実質的に値上げに近い改定がされました。

今回のGoogle Workspace へのリブランドでは、今までなかった「アカウント数によるプラン区分」が生まれました。具体的には、利用ユーザー数が300以上の場合、最上位クラスであるEnterprise プランしか選べないようになりました。

そのため、ユーザー数300以上の企業では、多くの場合、旧ブランドである G Suite よりも選べるプランが高額になってしまいます。

たとえば、G Suite では一番シンプルで安価なプランであった G Suite Basic はGoogle Workspace においてが Business Starter になりますが、もしユーザー数が300以上の場合、新プランでは選ぶことはできません。

大企業でも手頃な価格で G Suite を利用できたのに比べ、いきなりEnterprise エディションを選ばなければならない新プランは、実質的に導入のハードルがやや上がったと言えるかもしれません。

また、標準的なプランであった G Suite Business は新プランでは Google Workspace Business Standard になりましたが、こちらもユーザー数300の制限があるうえに、プラン内に含まれていたGoogle Vault がさらに上位のプランでしか使えないなどの変更になりました。

ビデオ会議録画の機能や、Windows端末などの管理(エンドポイント管理)が機能追加されたとはいえ、従来の機能を要望するユーザーにとってはやや不利益ともいえるプラン変更といえます。

本記事はこのあたりの更改を詳しく解説していきます。

新プランでは最大利用ユーザー数によってエディションが分かれる

各エディションについて

プランの詳細を説明する前に、Google Workspace の大きなエディションの区分について説明します。

Google Workspace のエディションは、主に3つに大別され、それぞれに3つのプランが存在する形になりました。

  • Google Workspace Business
    Business Starter / Business Standard / Business Plus

ユーザー数300以下でのみ契約できるのが Google Workspace のBusinessエディションです。SOHO〜中堅企業を対象にコストパフォーマンスを重視したプランです。
このエディションの中で、プランはStarter / Standard / Plus と3種にわかれます。

  • Google Workspace Enterprise
    Enterprise Essentials / Enterprise Standard /Enterprise Plus

ユーザー数300名以上の場合の契約プランとなるのが Google Workspace Enterprise エディションです。先のBusinessエディションより高度なセキュリテイや管理機能が実装されています。なお、Enterpriseにしかない機能を必要とする企業であれば、ユーザー数には下限もないため、ユーザー数300以下だからEnterpriseが契約できないということはありません。
このエディションの中で、プランはEssentials / Standard / Plus と3種にわかれます。

  • Essentials

こちらは、メール(Gmail)とカレンダーを必要とせず、ファイルストレージ(Google ドライブ)やWeb会議・チャット(Google Meet / Google Chat)などのみを提供するエディションです。
※今回はややニッチといえるエディション Essentialの詳細を割愛しています。

系列BusinessEnterpriseEssentials
ユーザー数上限300無制限無制限
Gmail×
Googleカレンダー×
Googleドライブ
Google Meet
Google Workspace Essentials はメール・カレンダーがない

G Suite Basic とほぼ同等の Business Starter を比較

G Suite ではたった3つであったプラン(G Suite Basic / G Suite Business / G Suite Enterprise )が今回どのようなエディション・プランに置き換えられたのか、比較してみていきます。

まずはもっとも安価なプランであったG Suite Basic ですが、Google Workspace では Business Starter(以下 Business Starter)と金額設定も同じであるため比較していきます。

系列G Suite BasicBusiness Starter
料金680円680円
ユーザー数制約制約なし300以下 
コアアプリ
ストレージ容量30GB30GB
ビデオ会議参加人数100100
共有ドライブ××
ビデオ会議 録画××
旧 G Suite Basic と 新 Google Workspace Business Starter の比較概要

旧 G Suite Basic と 新 Google Workspace Business Starter では、機能に関してはほとんど違いはありません。

変更点は以下です。

  • ユーザー数上限の制約(制約なし→300以下)

ほぼ唯一にして最大の違いは、冒頭にも述べたようにユーザー数上限の設定です。ユーザー数300以下の場合、ほとんど影響はありませんが、300以上ではそもそもBusiness Starterを選択することができません。

ユーザー数300以上でBasicを契約し、特に不満を感じていない企業にとっては、Google Workspace Enterprise プラン変更によって高度な機能が使えることは確かですが、Basic を契約できないという意味で、実質的な値上げと感じるかもしれません。

参考:Business Starter の解説記事はこちらです。

Google Workspace のプラン選び!Business Starter 編
G Suite Basic を契約しているが強制変更される?

Google より契約移行猶予があります(2021年3月現在)

すでに Basic をご利用の企業が新プラン変更をされるまでには猶予が与えられていますので、詳細は契約代理店にご確認ください。

一番人気だった 定番 G Suite Business と Business Stadard を比較

次に G Suite のプランで一番支持されていた旧 G Suite Business はどうなったのでしょうか。同じ価格の新プランの Google Workspace Business Standard と比較してみます。

系列 BusinessBusiness Standard
料金1,360円1,360円
ユーザー数制約制約なし300以下 
コアアプリ
ストレージ容量制限無制限2TB 
共有ドライブ
ビデオ会議参加人数150150
ビデオ会議 録画×○ 
Google Vault× 
旧 G Suite Business と 新 Google Workspace Business Standard の比較概要

大きな変更点をいくつか取り上げます。

  • Google Meet の録画機能の追加

Web会議(ビデオ会議)サービスの Google Meet ですが、Google Workspace Business Standard では、 G Suite Business ではできなかった「会議の録画」ができるようになりました。これにより、Web会議の議事録を残さずとも、会議自体を録画し、Google ドライブ経由でデータ保存して共有することができるようになりました。

こちらについては、今回のプラン変更でポジティブな変更点と言えるでしょう。

  • ユーザー数上限の制約(制約なし→300以下)

Google Workspace Business Standard ではユーザー数に上限がかかりました。コストパフォーマンスに優れたバランスのよいプラン G Suite Business ですが、300ユーザー以上の企業は利用できなくなってしまいました。

  • ストレージの容量制限(無制限→2TB)

ストレージについても大きな変更がありました。旧Businessは容量無制限だったのですが、新プランでは2TBの制限がつきました。

業務上2TBもあれば十分という見方もできますが、動画ファイルなど大容量のデータを扱う業態の企業では、最上位のEnterpriseプランにする必要が出てくるかもしれません(Enterpriseでは Enterprise Standard以上で容量無制限)

  • Google Vault(あり→なし)

Google Vault とは、メールやチャット、ドライブ内のドキュメントなどを、ユーザーとは別に監査目的で管理者が保持(アーカイブ)できる機能です。

目的はあくまでもコンプライアンス対策で、万が一の訴訟の際のスムーズなデジタルデータの記録保持、データ検索、書き出しができる機能です。

必ずしもすべての組織に必要とは限りませんが、万が一のメール監査など、コンプライアンス対策の規定がある企業の管理者にとっては非常に重要な機能でした。

このGoogle Vaultが、新プランのBusiness Standardでは機能付与されなくなり、必要なユーザーは実質上位のBusiness Plus(もしくは Enterpriseのプラン)を契約することになるでしょう。

総評としては、ビデオ会議(Google Meet)の録画機能が加わったとはいえ、総評としては、ユーザー数300以上では実質値上げ、300以下でも一部機能の縮小が行われた、と言えます。

G Suite Business の実質的な後継プランは、300以下の企業であれば Google Vaultも使えることからGoogle Workspace Buisiness Plus となり、300以上であれば、Google Workspace Enterprise (Standard もしくは Plus)となることから、実質的な値上げといってもいいかもしれません。

最上位プラン G Suite Enterprise とEnterprise Standardを比較

最後に、今までの最上位プランの、G Suite Enterpriseがどう変化したのかをみてみます。

今度は、Google Workspace Business Plus と、 Google Workspace Enterprise 両方と比較してみます。

系列G Suite
Enterprise
Enterprise
Standard
Enterprise
Plus
料金3,000円※問い合わせ※問い合わせ
ユーザー数制約制限なし制限なし制限なし
コアアプリ
ストレージ容量制限無制限無制限無制限
ビデオ会議参加人数250250250
ビデオ会議 録画
Google Vault
アクセス制限○ 
データ損失防止DLP
セキュリテイセンター–  
ワークインサイト- 
AppSheet Pro- 
Enterprise エディションの新旧比較

従来の G Suite Enterprise はどんな企業においても最上位の位置づけでした。

高度なDLP(データ損失防止)やセキュリテイのAI監視であるセキュリテイセンターや従業員の働き方指数を分析できるワークインサイトなど、まさに大企業向けのEnterpriseならではの高度な機能が G Suite Enterprise の特徴です。

そうした機能を引き続き使いたい場合、300以下の企業であっても、Google Workspace Enterprise (Standard もしくは Plus)を契約する必要があります。300以下のBusiness での最上位プラン Google Workspace Business Plus
は、Google Vaultこそ使えますが、Enterpriseならではの高度なセキュリテイ機能はないからです。

参考:Business plus の解説記事はこちらです。

Google Workspace プラン選び!Business Plus 編

G Suite Enterprise の実質的後継プランは、Google Workspace Enterprise Plus ですが、選択肢は少し広がりました。

AIによる情報漏えい監視のセキュリテイセンターや働き方分析のワークインサイト、社内アプリ作成可能なAppSheetなどの機能が不要で、アクセス制御(コンテキストアウェアアクセス)やDLPだけが必要だった企業にとっては、逆にコストパフォーマンス高いプランといえるのが、Google Workspace Enterprise Standardです。

結論:既存の多くの企業では実質値上げも、今後に期待

ここまでG Suiteの旧プランと Google Workspace の新プランの比較をみてきましたが、結論としては、多くのプランでは実質値上げと捉えることができます。

ライセンスコストが、ライバルのOffice365などに比べ優位であった G Suite がその優位性を少し低減してしまったのは残念ではあります。

ただ、単純なネーム変更だけではない数々のアップデートのロードマップがGoogle Workspace では発表されていますので、現段階では単純な値上げとはいえてもこの1年後には値段の上昇に見合うだけの全体の機能強化があるのではないかと予想されます。

Google も今回の実質値上げに踏み切ったことには理由があると思いますし、さらなるサービス拡充や競争力強化は当然念頭においたものと推測できます。

プラン選びに迷ったらご相談ください。

Google Workspace の専門家集団である吉積情報では、いつでも経験豊富なスタッフが貴社のプラン選びに最適な助言を差し上げれます。どうぞお気軽にご相談ください。