Google Workspace のプラン選び!Business Starter 編
Googleの企業向けコラボレーションツール G Suite は 2020年10月より、Google Workspace に名称変更・リブランドされました。
このリブランドにより、プランの大幅な刷新も行われましたが、プランの区分けが複雑化したことで「結局どういう変更になったのかわからない」という方も多いはずです。
本記事では各エディション・プランのそれぞれの特徴を解説し、導入検討をしている方に役立つ情報をご提供します。
今回は、ユーザー300名以下のみが新規契約可能なBusinessエディションにおいてもっともベーシックな Google Workspace Business Starter プランについての解説します。
スペシャリスト 丹羽
本記事は Google 社から認定された世界で数少ない Google Workspace (G Suite)のスペシャリスト(〜2019)であり様々な大企業への導入や改革に尽力した丹羽(現職 吉積情報)が監修・アドバイスしました。Business Starter に特徴をわかりやすくまとめてくれました!
・Google Workspace を導入したいが、どのプランがいいか分からない
・Google Workspace Business Starter プラン を検討している
・Google Workspace のプランについて比較したい
目次[非表示]
300人以下のみの最安価プランが Business Starter
Google Workspace Business Starter (以下 Business Starter )は、ユーザー数300以下で使えるBusinessエディションの中で、最小限な機能でシンプル・最安価なプランとなります。
参考:旧プランとの違いなどを解説した記事は以下です。
参考:同エディション最上位のBusiness plus の解説記事はこちらです。
内容は、旧G Suite においての最安プラン、 G Suite Basic とほぼ同じです。
料金は ユーザーあたり月額680円と安価ながら、Gmail(メール) や Googleドライブ(ファイルストレージ)、カレンダー、 Google Meet(ビデオ会議) など、ユーザーが利用する Google Workspace における必要な機能(コアアプリ)は一通り揃えられています。
結論としては、ユーザーあたりのメール・ファイル保管のデータ容量の総量が30GBの制限が特別少ないと感じず、特別高度な端末管理やセキュリテイ管理の機能などを使わない、ということであれば最もコストパフォーマンスに優れたプランです。
メール・チャット・カレンダー・ファイル管理・Web会議(ビデオ会議)といったGoogle Workspace の基本的なアプリをまずは使いたいという場合は、Business Starter で十分だと思います。(後でアップグレード可能です)
スタートアップベンチャーやトライアル用のスモールスタートとしてもよく利用されるプランでもあります。
以降では、同じエディションで上位プランと比較をしながら、Business Starter について解説していきます。
新プランは最大利用ユーザー数によってエディションが分かれる
プランの詳細を説明する前に、Google Workspace の大きなエディションの区分について解説します。
Google Workspace のエディションは、主に3つに大別され、それぞれに3つのプランが存在する形になりました。
Google Workspace Business
Business Starter / Business Standard / Business Plus
ユーザー数300以下でのみ契約できるのが Google Workspace のBusinessエディションです。
SOHO〜中堅企業を対象にコストパフォーマンスを重視したプランです。
このエディションの中で、プランはStarter / Standard / Plus と3種にわかれます。
Google Workspace Enterprise
Enterprise Essentials / Enterprise Standard /Enterprise Plus
ユーザー数300名以上の場合の契約プランとなるのが Google Workspace Enterprise エディションです。先のBusinessエディションより高度なセキュリテイや管理機能が実装されています。
なお、Enterpriseにしかない機能を必要とする企業であれば、ユーザー数には下限もないため、ユーザー数300以下だからEnterpriseが契約できないということはありません。
このエディションの中で、プランはEssentials / Standard / Plus と3種にわかれます。
■Essentials
こちらは、メール(Gmail)とカレンダーを必要とせず、ファイルストレージ(Google ドライブ)やWeb会議・チャット(Google Meet / Google Chat)などのみを提供するエディションです。
系列 |
Business |
Enterprise |
Essentials |
ユーザー数上限 |
300 |
無制限 |
無制限 |
Gmail |
○ |
○ |
× |
Googleカレンダー |
○ |
○ |
× |
Googleドライブ |
○ |
○ |
○ |
Google Meet |
○ |
○ |
○ |
Google Workspace Essentials はメール・カレンダーがない
今回ご紹介している Business Starterは、ユーザー数300人以下で使えるBusinessプランの中で最も安価なプランです。

Business Starter プランの概要
Business Starter の主な機能が以下です。
Business Starter の大きな特徴は以下の通りです。
- ストレージ制限が30GB / ユーザー
コスト重視のプランということでメール(Gmail)や ファイルストレージ(Google ドライブ)で使える容量にユーザー1人あたり30GB制限があります。
ただし、Googleドキュメント内で作成できるドキュメントやスプレッドシートは容量にカウントされないので、例えばWordやExcel などを変換して保存すれば容量カウントはされません。
30GBでも、それほど大容量のファイルを頻繁にやりとりするのでなければ容量制限はあまり気にならないかもしれません。
容量が逼迫した場合、個別にもストレージ容量を購入することはできますが、全体に必要になった場合はコスト高なので、その際に(予算が再度承認されるのであれば)上位プランを考えても良さそうです。
- 基本的アプリは網羅
Business Starterでも、Gmail や Googleドライブ、 Google Meet など、Google Workspaceの基本機能(コアアプリ)はほぼすべて利用可能です。
ただし、以下の機能は使えないので、組織として不要なのか検討が必要です。
- 共有ドライブの利用不可・ビデオ会議の機能制約(同時参加数や録画)
重要な考慮点であるのは、Googleドライブを、部署やチームごとに作成できる、社内ファイルサーバーとしての利用が想定される共有ドライブの機能がついていないことです。
共有ドライブは、社内でファイル管理をするのにとても便利な機能であるため、こちらの必要可否によっては、上位のBusiness Standard を選択する必要があります。
またビデオ会議の最大同時100名まで、録画機能もなしとなります。
こちらはBusiness Starter の兼用を諦めるほどのインパクトはないかと思いますが、もし頻繁に全社説明会などで数百名のビデオ会議を行う場合は確認です。
- セキュリティ・管理に関するサービスは必要最低限
Business Starter では、上位プランやEnterpriseエディションと比較すると、管理機能やセキュリテイ監視などは必要十分にとどまっています。
もちろん、Google Workspace のセキュリテイは基本的に非常に高いものなので、セキュリテイが低いということを意味はしません。
不正アクセス検知や二段階認証はもちろん利用できる他、モバイル端末の簡易管理(アカウントワイプなど)はもちろん基本的な機能として実装しています。
ただ、上位プランにはある、データ監査機能であるGoogle Vault やドライブ共有などを監視する詳細な監査ログはありません。
上位のBusiness Standard との違い
続いて、Google Workspaceで1つ上位のプラン、 Google Workspace Business Standard と比較してみます。
Busienss Standard にするメリットは以下の通りです。
- ストレージが大容量に(30GB→2TB)
Business Standard にすると、ストレージ容量が一気にユーザあたり2TBまで広がります。
2TBは現状通常のパソコンであってもかなり十分なストレージ容量なので、クラウドの保管領域としては、基本特殊な使い方をしない限りは容量をオーバーしてしまう可能性はかなり低下するはずです。
- 共有ドライブとドライブの詳細ログ取得が可能
共有ドライブとは、部署やプロジェクトチーム単位で専用のドライブ(共有ドライブ)を作成し、その中でファイル管理することができるドライブの機能です。
一般的なファイルサーバーに近い使い方ができる大変便利な機能です。
また通常のGoogle ドライブのマイドライブとは異なり、共有ドライブに保管されたファイルはある1ユーザーをデータ所有者とするのではなく、組織に所有権が紐づくので、ファイルを継続して集約管理するにも便利です。
また、ドライブの詳細な監査ログを残すことができ、誰がいつのタイミングで、外部の誰に共有したのかなどの詳細なログを見ることもできます。
ドライブの共有の安全性を定期的に監視したい管理者にとっては重要な機能です。
- ビデオ会議 Google Meet の録画機能が利用可能
Business Standard 以上では、 Google Meet の会議を録画することができます。
ビデオ会議で話し合われた内容を録画し、共有できるのは情報共有ツールとしてかなり有用な機能です。
会議に参加しない人へそのまま情報共有できたり、話し合いの証跡(エビデンス)を記録することにも使えます。
Businessエディション 最上位のBusiness Plus との違い
最後にBusiness エディションにおける最上位プラン、 Google Workspace Business Plus と比較してみます。
Business Plus では、Business Standard の追加機能に加えて、主に管理・セキュリティ面での機能強化がなされています。
- Google Vault が利用可
Google Vault とは、メールやチャット、ドライブ内のドキュメントなどを、ユーザーとは別に監査目的で管理者が保持(アーカイブ)できる機能です。目的はあくまでもガバナンスやコンプライアンス対策、万が一の訴訟の際のスムーズなデジタルデータの記録保持、データ検索、書き出しです。
必ずしもすべての組織に必要とは限りませんが、万が一のメール監査など、特定の企業の管理者にとっては非常に重要な機能です。
- 高度なモバイル管理が可能
Google Workspace では、基本機能としてモバイル端末のログイン状況を管理し、強制ログアウトさせられる機能が備わっています。
Business Plus では、この機能がよりiOS・Androidともに各端末の詳細な制限(iCloudの利用制限など)が非常に細かいレベルで管理をすることができるようになります。
ただし、これらの詳細設定はBYOD(私物スマホ)に強制するのは社員との契約上難しいと思いますので業務端末配布が前提になりそうです。
まとめ こんな企業に Business Starter が最適
ここまで、 Google Workspace Business Starter の特徴と、他の Business エディション内の2つの上位プランとの比較をみてきました。
300名以下の利用で、まずはGoogle Workspace をすぐに、安価に使ってみたい、そんな状況の企業にピッタリなプランがBusiness Starter です。
プラン選びに迷ったらご相談ください
Google Workspace の専門家集団である吉積情報では、いつでも経験豊富なスタッフが貴社のプラン選びに最適な助言を差し上げれます。どうぞお気軽にご相談ください。
参考:旧プランとの違いなどを解説した記事は以下です。
吉積情報 のGoogle Workspace 導入・活用について