松島 英貴

Google Workspace と AppSheet で手軽に!電子帳簿保存法の電子取引に対応する方法とは?その1

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AppSheet は、ノーコードでアプリを作れる開発プラットフォームです。 2020年1月にGoogle が買収し、Google Cloud のサービスの1つになりました。
本記事では、Google の ノーコードツールとして今大注目の AppSheet を使って電子帳簿保存法の電子取引に対応する方法を解説します。

【この記事はこんな利用者・管理者の方にお薦めです。】

  • AppSheet について興味があり、どんなことができるのか知りたい
  • Google Workspace を利用して業務を行っている方
  • 電子帳簿保存法に対応したいが、どのように対応すればよいか分からない方
  • 企業や個人事業主で、電子帳簿保存法に対応する必要がある方

これから AppSheet を始める方はこちらの記事が参考になります。

まずははじめよう!AppSheet アカウントの作成方法について

電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法とは、企業が事業活動において作成する帳簿類を電子化する場合に、適切な形で保存することを定めた法律です。

従来、企業は帳簿を紙媒体で作成・保存していましたが、近年ではデジタル化が進み、多くの企業が電子帳簿を作成・保存するようになりました。しかし、電子帳簿は容易に改竄されるため、適切な保存方法が求められます。電子帳簿保存法が2022年1月に改正され、電子帳簿等保存制度利用の際の事前承認の廃止や保存要件の緩和など、電子帳簿等保存手続きについての抜本的な見直しがなされました。同時に2024年1月1日までの2年間の猶予(宥恕)が発表されました。

電子帳簿保存法の概要

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2024年1月1日より、
電子取引で発生する文書については、電子データでの保存が義務となります。

電子取引へ対応するために必要な要件

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電子取引データ保存に関する主な改正事項(令和5年4月)

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最新の改正にて、検索機能が必要となる対象者の範囲などの変更がありました。

Google Workspace の概要

Google Workspace は、企業向けのクラウドサービスであり、Gmail、Googleドキュメント、Google スプレッドシート などのツールを提供しています。Google スプレッドシート や AppSheet は、電子帳簿を作成する上で非常に便利です。
また、Google Workspace は、JIIMA認証を取得しており、情報セキュリティに関する適切な管理体制を整備しています。

JIIMA認証 とは

JIIMA認証とは、情報処理推進機構(IPA)が定める情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証制度の1つです。JIIMA認証を取得することで、企業は情報セキュリティに関する適切な管理体制を整備し、情報漏洩や不正アクセスなどのリスクを低減することができます。JIIMA認証は、国内での情報セキュリティに関する認証制度の中でも最も厳しいとされています。

AppSheet とは

AppSheet は、Google が開発した、ノーコードプラットフォームの1つです。AppSheet を使うことで、データを簡単に収集・管理し、それをモバイルアプリやウェブアプリに変換することができます。
AppSheet は、Excel や スプレッドシート を基にして、アプリケーションを作成します。データベースの設計や、プログラミングの知識がなくても、ビジュアルインターフェースを使って、簡単にアプリを作成することができます。
本記事では AppSheet を用いた電子帳簿保存法に対応するアプリを作成する方法をご紹介します。

AppSheet で電子帳簿保存法の電子取引に対応する方法

前述の通り、電子帳簿保存法の電子取引への対応は「可視化の要件」と「真実性の要件」
を満たすことで対応することが可能です。
今回はそれぞれの要件への対応は以下を想定しております。

◆可視化の要件の対応について
AppSheet にて、電子取引データ保存の「可視化の要件」を満たす業務アプリケーションを作成します。
アプリケーションの詳細については次章でご説明します。

◆真実性の要件について
事務処理規定を作成する。
事務処理規定には、AppSheet アプリと接続している スプレッドシート 及び、添付文書が格納されるフォルダの運用方法(閲覧・編集・削除などのルール)を記載する必要があります。
※執筆時点(2023/6/12)での対応方法となります。
今後の法改正により、対応できない可能性もございますのでご注意ください。
また、今回ご紹介する対応方法については、参考例としてお考えください。
最終的な電子取引への対応の可否については、管轄の税務署などにご相談ください。

AppSheet サンプルアプリはこちら

【手順①】
スプレッドシート及び、4つのシートを作成します。
設定は以下の画面を参考にしてください。

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【手順②】
手順①で作成したスプレッドシートから、AppSheet アプリを作成します。
手順は「スプレッドシートのデータから作成する」を参照ください。
作成された AppSheet アプリの画面は以下となります。

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【手順③】
「M_文書種類」「M_取引先」「M_社員」のシートをテーブルに追加します。
追加の方法は以下の画面を参照ください。

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【手順④】
「M_社員」「M_取引先」「M_文書種類」「文書」について各Columnの設定の変更を行います。設定値については以下の画面を参照ください。

M_社員

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M_取引先

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M_文書種類

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文書

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⑥⑦:LOOKUP(USEREMAIL(),"M_社員","メールアドレス","社員ID")
※両方とも同じ関数になります。

【手順⑥】
「文書」のテーブルに以下のスライスを作成し設定を変更します。
設定値については以下の画面を参照ください。

スライス名:閲覧

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スライス名:編集

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スライス名:削除

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※スライスの作成方法

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【手順⑦】

以下のViewを作成し設定の変更を行います。 設定値については以下の画面を参照ください。
※Viewは自動で作成されることもあります。既に作成されているViewは設定変更のみ実施してください。

Viwe名:文書の閲覧

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Viwe名:新規登録

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Viwe名:編集

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Viwe名:削除

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Viwe名:M_取引先

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Viwe名:M_文書種類

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Viwe名:M_社員

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※Viewの作成方法

Google Workspace と AppSheet で手軽に!電子帳簿保存法の電子取引に対応する方法とは?その1
これでアプリの作成は終了となります。

【画面の説明】

Google Workspace と AppSheet で手軽に!電子帳簿保存法の電子取引に対応する方法とは?その1

今回作成した AppSheet アプリは、可視化の要件を満たすために 以下の3項目を満たすアプリとなります。

  • 取引年月日、勘定科目、取引金額その他のその帳簿の種類に応じた主要な記録項目を検索
    条件として設定できること
  • 日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができ
    ること
  • 二つ以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること

次回の記事では、文書管理システムが一般的に有する機能(版管理・操作ログなど)を、
今回のアプリに追加していく予定です。

つづきの記事はこちら

Google Workspace と AppSheet で手軽に!電子帳簿保存法の電子取引に対応する方法とは?その2


吉積情報の AppSheet サポートサービスで御社向けのアプリ作成を支援します。

松島 英貴
松島 英貴
アプリケショーン開発部にてAppSheetやGASを使って、企業の業務改善を推進するべく活動中
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