Geminiがもたらした「対話」の質の変化
これまでの生成AIとのやり取りは、例えるとすると「新入社員に業務を指示する」感覚に近かったかもしれません。前提条件や文脈、求めるアウトプットの形式まで、細かく具体的に指示(プロンプト)を組み立てなければ、欲しい答えが出てこないことがありました。
しかし、現在のGeminiとのやり取りは変わったように感じます。
たとえ曖昧な問いかけであっても、Geminiは文脈からこちらの意図を汲み取ってくれるような感覚で、想定以上の提案をしてくれることがあります。
例えば、Geminiに搭載されている高度な調査・分析機能を使って、プロンプトに会社名(吉積情報株式会社)だけを入力したとします。すると、Geminiはユーザーは入力した内容から、調査したいのだろうと予測して、下記のようなリサーチ計画を自ら提案してくれました。

極端な例かもしれませんが、このように、AIがユーザーの意図を深く理解してくれるようになったことで、私たちはプロンプトの細かな技術に頭を悩ませる時間が少なくなってきているように感じます。
プロンプトの役割はどう変わったのか?
今後、プロンプトが必要なくなるわけではありませんが、以前ほど難しいものではないと考えています。
「重要でない」というよりは、「難しいものではなくなった」と捉えるのが適切だと感じます。
そもそも「プロンプト」という言葉が専門的に聞こえ、無意識にハードルを上げてしまっている側面もあるかもしれません。その本質は、「自分がやりたいことや知りたいことを、どう伝えるか」という、非常にシンプルです。
私がGeminiを使うときは「完璧な指示書を書く」というよりは、「Geminiに相談する」という感覚に近いです。同僚に相談するように、自然な言葉でコミュニケーションを取っています。
もちろん、一度で完璧な答えが返ってこないこともあります。そんなときは、対話を続けるだけです。
* 「もう少し短い文章にして」
* 「専門用語を使わずに、もっと分かりやすく説明して」
* 「その提案について、私が考えたことを踏まえて、改善案を出して」
といったように、対話のキャッチーボールを続けることで、少しずつ理想の答えに近づいていけます。
完璧な一文を考えることに時間を費やすよりも、この「対話のキャッチボール」を楽しむ姿勢こそが、これからのAIとの上手な付き合い方だと感じます。
プロンプトを意識すると便利な場面
一方で、プロンプトを意識的に作成すると効果的な場合もあります。
例えば、はじめからアウトプットの形式が決まっている場合です。大量の資料を読み込ませたうえで、「このフォーマット(表形式など)で出力してほしい」といった具体的な指示を最初のプロンプトに含めておくことで、AIは意図をスムーズに汲み取り、修正のやり取りを減らすことができます。
また、定型業務への活用もおすすめです。
毎週の報告メールの作成や議事録の要約など、決まった作業をAIに任せたい場合、あらかじめ「お決まりのプロンプト(テンプレート)」を用意しておくと、作業効率が格段に上がります。Gemini アプリには、こうしたカスタム指示を事前に定義できる「Gems」という機能もありますので、ぜひ活用してみてください。

AIを使いこなすうえで、私が大切だと感じること
AIとの付き合い方を考えるなかで、私が改めて大切だと感じるのは、「自分は何がしたいのか、どんな目的を達成したいのか」を明確にし、それを自分の言葉で伝える力です。
Geminiに相談する前には「自分は何が知りたいのか? 何をゴールにしたいのか?」を一度立ち止まって整理することが重要だと感じています。このプロセスこそが、質の高いアウトプットを得るための最も重要なステップなのではないでしょうか。
自ずと、どんなプロンプトを書くと分かりやすいのか、「自分の考えを言葉にする」ことが自然に身に付いてくるように思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
Geminiの進化によって、生成AIは高度なスキルがなくても使える「相談相手」のような存在に、より一層近づきました。
この記事を通じて生成AIのハードルが下がり、その可能性をより身近に感じていただけたら幸いです。
Google Workspace with Geminiの活用に課題がある方、または活用を本格的に進めたい方は、Google Cloudプレミアパートナーの吉積情報までお気軽にお問い合わせください。