【速報】Google Cloud Next Tokyo '24 Day 1 基調講演まとめ：生成AIがビジネス変革を加速

生成AIは「試す」から「使う」段階へ

生成AIは、もはや実験段階の技術ではなく、実用段階へと急速に移行しています。Google Cloud Next Tokyo '24 の基調講演で、Google Cloud 日本代表の平手氏は、この変革を強調しました。従来のLLM（大規模言語モデル）は特定タスクに特化していましたが、AIエージェントの登場により、業務全体の自動化や効率化が可能となり、生成AIの真の価値が解き放たれると語りました。

Google のフルスタックなAIサービス

出展：Google Cloud Next Tokyo’ 24 基調講演資料

Google Cloudは、企業が生成AIを活用するための包括的なサービスを提供しています。

• インフラ: AIに最適化されたインフラストラクチャー「AIハイパーコンピューター」を提供。
• 基盤モデル: Googleが開発したGeminiをはじめ、150を超える世界水準のモデルを自由に選択可能。
• Vertex AI: 生成AIエージェントの構築・運用を支援する統合プラットフォーム。
• Gemini for Google Cloud: エンジニア向けのコード生成、ログ解析、エラー解析などを支援するエージェント。
• Gemini for Google Workspace: Gmail、ドキュメント、スプレッドシートなどに組み込まれたコラボレーションを実現するエージェント。

AIハイパーコンピューター

Google Cloudは、AIに最適化されたインフラストラクチャー「AIハイパーコンピューター」を企業に提供しています。これにより、企業はAIを活用した新しいサービスの構築時間を短縮し、タイムtoマーケットを短縮することができます。

Gemini モデルの進化

Gemini は、Google DeepMind が開発したマルチモーダル生成AIモデルです。テキストだけでなく、画像や音声も扱えます。

• Gemini モデル in Japan: 機械学習処理を含め、Gemini に関する全ての処理が日本で完結可能に。
• SLA対応: 信頼性の要件が厳しい業界でも Gemini が利用可能に。
• コンテキストキャッシング: Gemini 1.5 ProとGemini 1.5 Flashでコンテキストキャッシングが可能になり、入力コストを最大75%削減。

Vertex AIの強化

Vertex AIは、レベルを問わないエンドツーエンドのモデル開発、生成AIエージェントの構築・運用プラットフォームです。企業は、Vertex AIを使って、自社の業務に特化した独自のAIエージェントを開発することができます。

• サードパーティデータセットによるグラウンディング: SlackやSharePointなどの外部データソースを活用可能に。
• Google検索によるグラウンディング: Google 検索とGemini を組み合わせ、ハルシネーション（AIの誤回答）対策を強化。

カスタマーエージェントによる顧客体験向上

カスタマーエージェントは、顧客との対話を自動化する生成AIエージェントです。ECサイトでの商品検索や問い合わせ対応など、顧客体験を向上させる事例が紹介されました。

出展：Google Cloud Next Tokyo’ 24 基調講演資料

Gemini for Google Workspaceで業務効率化

Gemini for Google Workspace は、GmailやGoogleドキュメントなどの業務ツールに組み込まれた生成AIエージェントです。メールの自動生成、データ分析、資料作成など、業務効率を大幅に向上させるデモが披露されました。

Gemini App がGoogle Workspaceと連携、業務効率化を大幅に強化

Gemini App に Google Workspace 向けの拡張機能が追加され、GmailやGoogle ドライブ内のファイルをGeminiが参照できるようになりました。これにより、メールの要約やデータ分析など、日常業務を効率化できます。

【2024年7月最新】Gemini から Gmail が検索できる？！Google Workspace 拡張機能のベータ版でさらに便利に！

自然な会話でデータ分析やグラフ作成が可能に

Geminiアプリでは、自然な会話でデータ分析を指示し、結果をグラフとして表示できます。作成されたグラフは、他のドキュメントに貼り付けることも可能です。

サイドパネルで作業効率アップ

Gemini for Google Workspace のサイドパネルが9月より日本語に対応し、Gemini 1.5 Pro の機能を活用できるようになるとのことです。これにより、Gmail やGoogle ドキュメントなどを使用しながら、Gemini による文章作成やデータ分析をスムーズに行えます。

Gemini を活用した事例

GEアプライアンス

GEアプライアンス様は、Geminiを活用して、スマート家電アプリに生成AIを活用し、キッチンにある食材から料理のレシピを作成する新機能を開発しました。このプロジェクトは、アイデア検討からプロトタイプの開発までわずか5日間しかかからなかったそうです。

LINEヤフー株式会社

LINEヤフー株式会社様は、Google Cloud の生成AIを活用して、サービスの改善と業務効率化に取り組んでいます。例えば、Yahoo!ショッピングでは、Gemini を活用して、ユーザーのクエリに対してハルシネーションの少ない生成AIの回答を提供することで、ユーザーの利便性向上に取り組んでいます。

出展：Google Cloud Next Tokyo’ 24 基調講演資料

星野リゾート

星野リゾート様は、インバウンドの成長という追い風を受け、オンライン化を積極的に進めてきました。現在では予約の70%が自社サイトからのダイレクトブッキングとなっており、これが同社の大きな武器となっています。

生成AIがもたらすもの

星野佳路氏は、生成AIの導入により、以下のメリットが得られると述べました。

1. 言語対応: 各国の言語に対応することで、顧客により良い体験を提供できます。
2. 正確性: すべての作業に正確性をもたせることができます。
3. 固定観念からの脱却: 生成AIから新たな視点を取り入れることができます。
4. 創造性の刺激: 生成AIとのブレインストーミングで効率化できます。

人間と生成AIのコラボレーション

星野氏は、生成AIを活用する上で、人間は国語力、発想力、選択力、個性を活かすことが重要だと強調しました。生成AIはあくまでもツールであり、人間との協力によって、より良いサービスを生み出すことができると考えています。

星野リゾート様は、生成AIを積極的に活用することで、観光産業の変革をリードしていくことを目指しています。

JR東日本

東日本旅客鉄道株式会社様は、Google Cloud の生成AIを活用して、インバウンド向けのチャットアプリ「JR East Travel Concierge」を開発しました。このアプリは、リアルタイムで質問に答えたり、ユーザーの好みに合わせた観光スポットを提案したり、最適な旅行プランを自動生成したりする機能を備えています。

出展：Google Cloud Next Tokyo’ 24 基調講演資料

AI Hackathon開催

Google Cloud は、生成AIを活用した革新的なアプリケーション開発を促進するため、AI Hackathon を開催することを発表しました。

出展：Google Cloud Next Tokyo’ 24 基調講演資料

まとめ

Google Cloud Next Tokyo '24 Day 1の基調講演では、、Google Cloud のAI技術を活用したビジネス変革の事例や、今後の展望について紹介されました。Google Cloud は、今後もAI技術の開発を進め、企業のビジネス変革を支援していくとしています。

吉積情報株式会社は、Gemini for Google Workspace や Google Workspace に関する導入支援を行っています。Google Cloud や Google Workspace に関するご相談・お問い合わせはお気軽に。